リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

選挙の看板用の幼児教育無償化より,待機児童解消を!

2018-06-08 | 待機児童
幼保無償化で衆院委員会での審議があったことから新聞社説でも「子育て支援 無償化ありきでなく」と取り上げられた(朝日新聞2018-6-7).中身に新味はない.べつに論説委員が悪いのではなく,同紙も私も,多くの人がさまざまな問題点を指摘してきたのに,政府が改めようとしないからだ.

もちろん,幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)はそれだけで考えればいいことだ.そのことは社説も「国の懐に余裕があるならば、無償化は理想だろう」と認めている.だが国の厳しい財政事情を考えると,保育園を利用したくても利用できない待機児童解消のめどさえ立たないなか,貴重な財源を保育園を利用できる人だけの補助に向けるのはやはりおかしい.

なぜ自民党・公明党は待機児童解消もできていないのに,一部の受益者だけの「無償化」に突っ走るのだろう.それはやはり,「無償化を実現しました」と有権者にアピールしたいからだ.そのほうが「待機児童の受け皿を拡充して待機児童を2万4000人から2万2000人に減らしました」(数字はあくまでも例)というより聞こえがいいというのだろう.(それどころか,厚労省のデータ(pdf)によれば,保育所定員は10万人増やしても待機児童は2528人増えている.隠れ待機児童などのカウント法を変えた効果もあるのだろうが,選挙向けには使いにくいのだろう.)

民意は大切だが,政治家たるもの,選挙民に聞こえのいいことをやるだけでなく,真に必要とされていることを行なうべきだ.

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