リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「年金2000万円不足」受理を拒否する金融相は大本営発表しか受け付けないのか

2019-06-12 | 政治
老後の年金が2000万円不足するとして資産形成を呼びかけた報告書を麻生太郎金融相が受理しないという(朝日新聞2019-6-12)。報告書が公表された当初は報告書に沿ったコメントをしていたのに、野党から「年金の『100年安心』はウソだった」などと批判が出て対応を変えたようだ。
その報告書「高齢社会における資産形成・管理」は首相の諮問機関「金融審議会」の作業部会が麻生氏の諮問に応じてまとめたもので、高齢世帯が年金だけでは毎月約5万円の赤字になり、20~30年の人生で1300万~2000万円が不足するとした。
麻生氏は受理しない理由を「政府の政策と全然違うから」と説明しているがこれはおかしい。政府の政策の問題点を指摘する報告書は受け取らないと言っているようなものではないか。政府の政策を手放しで是認する「大本営発表」か、形ばかりの報告書を期待しているというのだろうか。
「2000万円不足」が間違いだというのならそこを指摘すればいい。現に不足は1700万円だとか、2000万円でも足りないだとか、別の試算も出ているようだ(同2面)。
政府の政策に問題はないから指摘は聞く耳もたないと切り捨てるのではなく、国民が安心できるようデータに基づいてきちんと議論してほしい。

関連リンク:
「(社説)報告書「拒否」 議論避ける小心と傲慢」朝日新聞2019-6-13

追記:そもそも厚労省は年金だけで暮らせるという説明をしたことはないそうだ(朝日新聞2019-6-14)。だとすると「月5万円不足」は「政府の政策と全然違う」ではなく、当たり前のことをわかりやすく数値化したというだけのこと。自民党は報告書に反発しているようだが、「100年安心」などと現実と「全然違う」説明をしてきた政府こそ責められるべきではないか。

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