リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

削除された12年前の「希望の党☆」動画が予言したもの

2017-10-08 | 政治
12年前に製作された架空の「希望の党」政権での社会をブラックジョークとして描いた動画が,同名の「希望の党」(小池新党)の発足を機に話題になったが,削除されたことが10月7日の夕刊で紹介されていた.
動画は総務省と公益財団法人「明るい選挙推進協会」が2005年に製作したオムニバス映画「It's your CHOICE!」の1編で,監督は平成「ガメラ」シリーズなどで知られる金子修介氏.架空の党「希望の党」が選挙で辛勝し,棄権した主人公は選挙権を剥奪され,痴漢で死刑になる男性も出るなど政府は暴走.主人公が反対の声を上げるのをためらっているうちに戦争になって娘が徴兵されて出征……という筋立てで,選挙権の行使の大切さを啓発するものらしい.
当時架空の政党名だったものが現実の政党として出てきたことで協会が「誤解を招く恐れがある」としてユーチューブにアップしていた監督に削除を求め,監督も了承したという.(ユーチューブでは「著作権侵害の申し立てがあった」と表示されることがあるらしいが,協会によれば,動画公開は協会が許可しており著作権侵害はなく,YouTubeに削除申請にあたっての手続き上の事情だという.)
それにしても,党名についての監督の言葉が示唆に富む.「仮にファシズムを目指す勢力があるとすれば,耳に聞こえのよい言葉で現れ浸透していくのではと考えた.」
たまたま12年前に考えられた架空の党と同じ名前の政党ができてしまった……というだけの話なのだが,「ブラックジョークとして考えたことに,現実が近づいている気がしてならない」との監督の弁は重い.ネット上では「予言だ」との声も上がっているらしいが,小池新党がどうこうというのではなく,有権者が目先の利益だけを考えて投票したり棄権したりしている間に,危険な法案が強行採決で次々に成立してしまうという点で,たしかにブラックジョークですまない予言のように思えてくる.

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