リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「子供がうるさいから保育園反対」はドイツにもあった

2020-02-04 | 待機児童
せっかく保育園新設が決まっても近隣住民の反対で頓挫することがある(過去ブログ)。賭博場などいかがわしい施設に反対というならともかく、保育園に反対というのは初めて聞いたときには理解できなかった。子供の声がうるさいとか、送迎の保護者の違法駐車などが問題になるようだ。
住宅事情の悪い日本ならではの事情かと思ったが、ドイツでも00年代に「子供の声がうるさい」といって保育施設が訴えられるケースが相次いで、閉鎖や移転が続出したという。連邦政府は2011年の法改正で、保育施設の音を騒音から除外した。子供の声は騒音ではないということを明文で規定したのだ。(Globe 2020-2-2 3面)ただそれとはべつに、ドイツは騒音にうるさい国だそうで、州にもよるらしいがたとえば午後10時から翌朝7時までは「静かにする時間(ルーエツァイト)」と規定されているという。

ドイツの法改正にならって、東京都でも2015年に保育施設の騒音規制を見直したそうだ。検索してみると(THE PAGE)、なぜか東京都の環境確保条例では「子供(未就学児童)の遊び声」まで騒音として規定されていた。他の自治体には例のないことだったという。それが条例見直しによって騒音の規制対象から外されたという。ただ、数値規制はなくなっても、「受忍限度を超える騒音」であれば問題になる。結局、同記事でも上記過去ブログの引用記事にもあるように、地域住民とのコミュニケーションが成功の秘訣のようだ。

(追記)
子供の遊ぶ声が騒音か、というのは相変わらず問題になっており、やはりドイツの事例が引き合いに出されて考察されている(朝日新聞2023-8-12同2面)。
今回の記事ではっとしたのは、近隣住民100人のうち1人でも苦情を上げれば、残りの99人が子供の声を好意的に思っていても問題となってしまうということだ。今回の記事は子供の声で家に帰るのがつらくなったという声も紹介されており、たしかに当事者としては切実な問題なのだろう。だがやはり「社会通念上このくらいは許されるべき」というラインがないと息苦しい。(もちろん、記事で指摘されるまでもなく、コミュニケーションによって同じ音でも受け止め方が変わるという点は意識して工夫してほしいところではあるが。)


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