リベラルくずれの繰り言

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「女神」周庭氏に実刑を科した中国のようにならないために:土地規制法の監視を怠るな

2021-06-16 | 政治
土地規制法が参院を通過した(朝日新聞2021-6-16夕刊)。外国人による重要施設周辺の土地保有を懸念しての法案だったが、自衛隊や米軍基地周辺での行動が規制されるから、沖縄の市民運動の取り締まりに悪用されるのではないかと懸念されている。それというのも、何が規制されるのかが曖昧で、いくらでも拡大解釈される余地があるからだ。特に基地などの「機能を阻害する行為」がどこまで対象としているのかがはっきりしない。市民に対する監視・弾圧の行きつく先の姿が香港に見える。

先日、香港の民主活動家の周庭氏(asahi.com)が7か月の禁錮の末に出所した(朝日新聞2021-6-13)。香港では中国の規制が強まっており、政府に対する異論を口にしようものなら容赦なく逮捕され実刑が科されるまでになっているのだ。出所した周氏も沈黙せざるを得ない状況になっている。(周氏も反対した逃亡犯条例の改正案をめぐっては、一連のデモで逮捕された人は1万人を超え、起訴された人も約2300人に上るという(東京新聞2020-12-2)。)

日本ではまだこのレベルにはなっていないが、その前触れを思わせるようなできごとはある。
沖縄で米軍の訓練場跡地で米軍のものと思われる廃棄物を回収するなどの活動をしてきたチョウ類研究者が威力業務妨害の疑いで県警の家宅捜索を受けた。4月に訓練場跡地で拾った割れた瓶などごみ袋5~6袋分の廃棄物を米軍基地のゲート前に置いたことで、約50分間車両が通行できない状態となったためだ。国会の参考人質疑ではこれが土地規制法案の先取りだと指摘された(朝日新聞2021-6-15)。
「米軍の過激な訓練への抗議」として廃棄物をゲート前に置く行為に問題がないとはいえないかもしれないが、家宅捜索をするほどのことなのか。そもそもそれほど大量の廃棄物を遺棄した米軍の問題は問わないのか。現状ですらこういうことが起こるのであれば、このたび成立した土地規制法を根拠に市民運動がどのように縛られるのか気がかりだ。
香港の情勢は決して他人ごとではない。政府が暴走しないよう、しっかり監視の目を光らせておく必要がある。
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「野党も必要性を認めている土地規制法案を「全権委任法」にするな」


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