見出し画像

gooブログのテーマ探し!

カズオ・イシグロ著作「クララとお日さま」の「お日さま」の役割を調べてみる

  カズオ・イシグロ著作「クララとお日さま」の「お日さま」の役割がいまいちはっきりしませんので、イギリスの天気と国民性を調べてみることにしました。まだ調査途中です。何を調べれば良いのやら・・・

―― 引用 ――
 会話はまず、天気から

  天気・・・・イギリス人はいつも天気を気にしている。天気はイギリス人にとって会話の最大の武器だ。”イングリッシュ・ウェザー”(イギリスの天候)は、イギリスに独特なものだ。年がら年中、天気のことばかり話している。
  初夏にロンドンの郊外に住むイギリスの友人の屋敷に招かれたところ、例によって会話が、このような天候談義から始まった。
 「いやあ、春も終わるころに霜が降りたので、せっかくの花がやられてしまったよ」
  この友人は代々、ロンドンの鉱物取引所の仲買人をつとめてきたが、園芸と犬と馬を好んでいる典型的なイギリス人だ。園芸はイギリスの”ナショナル・スポーツ”の一つだといわれている。
  すると、夫人が慈善団体のパーティのために、村のどこかで「ティ・テント」を張ったのに、突然、にわか雨が降ったので台無しになった、と眉をひそめた。「ティ・テント」は、紅茶と軽食をだす天幕のことだ。

  イギリス人が天気の話をする場合は、このように苦情と決まっている。天気はいつも寒すぎるか暑すぎる。しかし、心の底では喜んでいるようだ。はにかみ屋だから、会話に取りかかるのにふさわしい話題がほかにないので、天気が格好の材料となるのを喜んでいるのだ。それに天気について話しているあいだに、相手を値踏みすることができる(投稿者注:イギリスは貴族社会であり、女王を頂点として、発声や発音、抑揚や語彙による言葉のピラミッドが存在している)。

  会話は不文律のように、かならず天気から入っていく。イギリスは地理的な条件から、天気が変化に富んでいる。私は天気の話になるたびに、イギリスにいるのだという実感が沸く。そういえば日本人もよく天気を話題にするから、こんなところも日本人に似ている。そのつぎに、イギリス人がいつも気にかけているのが、クラスー―階級だといわれる。

 以上、加藤英明氏著作「イギリス 衰亡しない伝統国家」からの抜粋引用です。加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長です。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本の書評など」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事