海と空

天は高く、海は深し

3月23日(土)のつぶやき

2013年03月24日 | Myenzklo

実在する主体は実在する他者と直接的なる関係交渉において立つ。かくの如く生きるのが生の最も基本的な根源的姿である。この土台の上に文化的人間的生は建設される。・・・ここよりして時間性が人間性の地盤にいかに深く根を張っているか、い (続く) tl.gd/lcg45h


自然的生を生きる限り主体は存在を獲得しつつしかも同時に喪失する。ここでは生ずるは滅ぶるであり来るは去るである。・・・将来と現在との間に存するこの矛盾関係は畢竟主体と他者とが生及び存在の真の共同に達しおらぬことを指し示す。・・ (続く) tl.gd/lcg8s9


アウグスチヌスの「時」の論はこの題目について思索する何人も研究の出発点となし又終始指導者となさねば画期的業績である。・・「期待」は自然的時間における将来に対応するとして許されようが、「記憶」は、後に論じる如く、文化的歴史的生の段階に属する働きである。(ibid s 16 )


アウグスチヌスが永遠と時とを単に区別し対峙せしめるに止まって、それと活きた連関において真にそれの克服者として理解し得るに至らなかったのも、同一欠陥の発露である。(ibid s 16 )


アウグスチヌスは将来が、実在的他者との関係交渉において自己の存在を維持する人間的主体の生き方を示す、といふ真理を認識し得ずにをはった。彼がが永遠と時とを単に区別し対峙せしめるに止まってそれと活きた連関において真にそれの克服者として理解し得るに至らなかったのも同一欠陥の発露である。


過去の内容は現在のそれと融合浸透を遂げつつ持続換言すれば包括的現在を成立たしめる。過去の内容は記憶に俟つ外はない。かくては持続としての時は文化的時間より将来を取り除いたものに過ぎぬであらう。さてすべてこれらの事どもはいずこに源を有するであろうか。いふまでもなく、a


主体が単独孤立の立場に置かれたことが一切の誤謬の原因である。持続を体験する主体は、他者への生に没頭する本来の態度を置き棄て、自己の姿を自覚の鏡に写そうとする反省の位置に退いてゐる。認識の方法は直観と言われてゐるが、これは抽象 (続く) tl.gd/lciujk


以上述べ来たった時及び時間性の本質的構造よりして吾々は、永遠性との対立及び連関において観られる場合特に重要性を発揮する諸々の特徴、時間性の形式的特徴ともいふべきもの、を導き出しつつ理解し得るであらう。第一は時の方向である。時の方向は将来より現在を経て過去へ向かうとも、又反対に a


過去より将来へ向かうとも考へられる。この矛盾は時の観念の中に伏在する問題を示唆するとしての意義はあらうが、その問題は、後の論述の明らかにするであらう如く、時間性の異なった段階を区別することによってのみ解決を見る。自然的体験的時間即ち時間性の最も基本的根源的姿においては、b


方向は将来より過去へと向かふ。しかもこの方向は断然動かし得ぬものである。過去になったものは無に帰したものである。単純率直なる非存在である。無くなったものは取り返しのつかぬもの、主体の処理の手の届きかねるもの、この意味において絶対的なるものである。(ibid s 18 )


昔を今になす由もないのが時の本然の姿である。ここに時の「不可逆性」(Unumkehrbarkeit)は成立つ。要するに有より無へ存在より非存在へ向かうのが時の最も根源的方向時間性の最も本質的性格である。次に、時間性は無常性と可滅性とを意味する。時と時における存在とは、


絶え間なき流動推移の中に有より無への方向を取りつつ、息みもせず振返りもせず、ひたすらまっしぐらに壊滅の道を進む。以上と連関して第三に、時間性は断片性不完成性を意味する。時間的存在はいつも滅びつつある従っていつも欠乏に陥りつつ (続く) tl.gd/lcj5o2


第四、時間性は主体と実在的他者との直接的関係交渉において成立つものとして、一方まっしぐらの没頭を、他方主体性の本質を為す自己主張に加えられる拘束を意味する。これは主体が自己の任意なる自由なる決意や努力により取除かれ得る事態ではない。いかにとも致し方なきいはば宿命的事態である。a


第五、生ずるは滅ぶるであり、有は無に等しく、生の意味の実現も達成されず、一切が果無き幻にをはる處、しかも主体がこの事態を自らの力をもっていかにともなし得ぬ處には、生の意味の否定、幸福の喪失、空虚の感、不安哀愁落胆等は避け難き (続く) tl.gd/lcj8q2


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