らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

北アルプス・笠ヶ岳

2012年09月19日 | 縦走

9月の三連休は笠ヶ岳へ縦走に行ってきた。
当初は沢登り&縦走の予定だったが、台風の影響で西日本の天候が不安定と分かる。
う~む、せっかくの連休どうしたものかといろいろ思案。
すると、甲信越地方の連休の天気は良さそうだと判明!
そこで、急きょ予定を変更してまだ登ったことのない笠ヶ岳に行くことになる。
そうだ、ワタシの山登り歴15年の中で何故か笠ヶ岳は登る機会がなかったのだ。

今回のような登攀用具が必要ない一般登山道の縦走は久しぶりである。
でも、これが本来の山登りの原点でありワタシもここから始まったのだ。


9/15 大阪から高山までの直通特急に乗り、バスに乗換えて新穂高温泉下車。
14時半、登山口を出発する。この日は夕方から小雨が降ったり止んだりとあいにくの天候。
歩き始めて1時間でわさび平小屋に到着する。森の中のテント場といった感じだ。
標高1,360mなので気候は下界とさほど変わらないが、森林浴をするには最適だろう。


早めに夕食準備に取り掛かる。
この日のメニューは、持参した米を炊いてフライパンで野菜炒めと豚テキ。
日本酒とウイスキーもいっぱい飲んで程好く酔って、18時就寝。
飲んで食べて、即寝る。これが、最高に楽しい。


9/16 3時起床。見上げると満点の星空が見える。よし、きっと今日は快晴になるぞ。
この日は9時間強のコースタイムを歩かねばいけないため5時15分出発。
秩父沢まで来ると陽が登り一気に気温が上昇し、暑くなる。


イタドリヶ原を過ぎる頃、ふと向い側の斜面を見たらツキノワグマが親子連れで歩いている。
山でホンモノの熊を見たのは初めてだ。
離れて見ているから「クマ、クマ~」と喜んでいるが、ばったり出会ったらこんなコト言ってられない。


小池新道を登り、8時15分に鏡平山荘に到着。
2年前に縦走でここを通過した時は雨だったので景色が何も見えなかった。
それが今日のように晴れていると北アルプスが360度見渡せるではないか!
素晴しい立地に建っている小屋である。
朝が早かったのでここで景色を眺めながら昼食を取る。


山荘から再び弓折岳を目指して登る。槍・穂高の峰々がよく見える。
槍ヶ岳へ延びる西鎌尾根と中崎尾根のラインもスッキリとして美しい。
厳冬期はこの中崎尾根を詰めて槍へ登るんだなと思いながら見つめる。いつかここも・・・


弓折岳から双六岳と笠ヶ岳の分岐点を通過し、秩父平まで来る。
切り立つような秩父岩を巻くようにして登りどんどん標高を上げていく。
ここから先はアップダウンがあるものの、笠ヶ岳まで楽しい稜線歩きが待っている。
しかしこの日は、超・快晴だ。稜線は暑い・・・そして、長い・・・


稜線上に笠ヶ岳が見える。あともう少しのようだが、これがなかなか遠い。
高山植物の最盛期は終わっているが、チングルマは花びらが散った後でも可愛い。


抜戸岩では両側を岩に挟まれた狭い通路を歩く。
雨宿りも出来そうな岩の窪みもあり、独特な雰囲気のところだ。


13時45分笠ヶ岳のテント場到着。休憩時間を除くと7時間半で登ってこれた。
予定よりも早く着いたが、残念ながらガスが上がってきて視界ゼロ。
午前中の快晴はどこへやら・・・ テント場からゴロゴロ岩の登りを10分で山荘に着く。
この10分の距離、トイレに行くときは結構面倒である。
さて、視界ゼロでも笠ヶ岳のピークは踏まないワケにはいかない。
山荘から15分ほど登り、笠ヶ岳山頂2,898mに無事登頂する。


山頂からの展望は望めなかったが、下山してテント場に戻るとライチョウ親子に出会えた。
ライチョウたちはちっとも人を怖がらず、テントの周りをチョロチョロ動き回っている。
ライチョウの可愛い姿を見て、疲れも癒される。


ビールで乾杯~と、16時前から宴会スタート。
その後はウイスキーをチビチビやりながらご飯支度をする。
この日のメニューはペミカンで豚味噌煮込みうどん鍋である。
いっぱい食べていっぱい飲んで17時半就寝(早すぎ・・・)


9/17 夜中1時頃、ものすごい強風で目が覚めてしまう。
去年のG.Wに早月小屋でテントのポールが強風の為折れて破壊したことを思い出し、益々眠れなくなる。
結局3時に予定通り起床、朝食を済ませて強風の中、必死のテント撤収を済ませる。
5時半テント場を出発、強風の中での稜線歩きは寒いしツライ。
それでも、陽が昇ると少しずつ風は収まり視界も開けてきた。


稜線分岐から笠新道を下山する。ここから下界の林道まで4時間のコースタイムである。
杓子平までの下山道は緩やかでコバイケイソウが黄金色に輝き、それはもう誰もがきっと
ここを歩けば幸せな気分になれることだろう。
ここを過ぎるとひたすら急坂を延々と下り、黙々と歩き続けて9時20分に林道に出る。
朝はあんなに寒かったのに今は、あまりの暑さに川に飛び込みたいくらいだった。

笠ヶ岳、いい山です。
山頂に至るまでの登山道からの景色が本当に素晴しい。
あぁ、日本の山ってなんて美しいんだろう!