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DAZN観戦 2025年J1リーグ第5節 FC東京vs湘南ベルマーレ

2025-03-12 16:10:26 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

FC東京ベンチメンバー=波多野(GK) エンリケ・トレヴィザン 木村 常盤 西堂 小泉 佐藤 野澤零温 エヴェルトン・ガウディーノ

湘南ベンチメンバー=真田(GK) 大野 大岩 松村 高橋 茨田 ルキアン 根本 石井


開幕3連勝というクラブ初の快挙で、3節終了時点で首位に立った湘南。
順位表を見てもにわかに信じ難いですが、毎年の残留争いに耐え抜いた反動がついに来たのか、ないしは瞬間風速の最高潮がたまたま立ち上がりに訪れたのか。
いずれにせよ、今後暫くはその動向が注目の的となりそうです。
ちなみに4節で連勝は止まった(マリノス戦、1-1)ため、2位でこの試合を迎え。
なお先に結論から述べると、一昔前の一本調子のスタイルは既に払拭されたと言って良く、4局面を使い分けながら我慢する時は我慢する。
そんな奥深さが染み渡っていたものの、優勝争いに加わるには個の力の覚醒が必要にも見えもう一息という印象でした。しかしそうなると夏場の引き抜きが

この日の相手はFC東京で、今季を戦うに辺り迎えた新監督は松橋力蔵氏。
言わずと知れた、前年まで新潟を率いていた松橋氏ですが、正直良く引き受けたという印象の方が強く。
何しろ、ポゼッションサッカーを身に付けたいという事で、3年前にアルベル・プッチ・オルトネダ氏を招聘したもののその計画が頓挫するに至ったクラブ。
2年足らずで解任したその歴史から、「(同じ新潟の)松橋氏なら今度こそ大丈夫だろう」という学びを得ての決断なのかどうか非常に怪しく。
湘南が辛抱を重ね、ボール保持を(不完全ながら)効果的に取り入れるクラブになれたのとは実に対照的で、二の舞とならない事を祈るばかりであり。
それでも、前年のディエゴ・オリヴェイラの引退をはじめ過渡期となっている現状だけに、スタイルに合致した抜擢というのはやり易いはずである松橋氏。
この日起用された新顔の選手(常盤・野澤零など)からそんな印象を受けるものの、その顛末は如何に。

試合の方は、雨が降り注ぐコンディションとなった一戦。
湘南は、ロングボール中心のビルドアップに舵を切る事でこの難戦を乗りきりに掛かったでしょうか。
前半5分、GK上福元が鈴木章狙いのロングフィードを送り、セカンドボールを拾った畑から敵陣で攻撃。
中央でパスを受けた小野瀬が持ち運びからミドルシュート(枠外)と、手数を掛けずに持ち込んだファーストシュート。
その後も長いボールを軸に組み立てますが、9分には同じくGK上福元のロングフィードのセカンドボールを拾った畑、彼も裏へのミドルパスを選択。
走り込んだ福田には通らずもまたも跳ね返りを確保しますが、ここは再度受けた畑が戻して作り直しと、無理攻めはしない意思は健在であり。

一方のFC東京、ガチガチの保持のスタイルを築くには時が足りていないのは明白。
そもそも、ハイプレスのための走力が第一に求められ、かつ「世界基準の判定」が悪い方向で目立つ現在のJ1でそれは成り立つのかという根柢の疑問も立ち。
そんな中、結果が出なければ容赦なくアルベル氏のように切られるのだから、厳しい世界という印象が拭えない監督業。

それはともかく、7分にその湘南の手法を、岡がミドルパスをカットして遮断すると縦に速い攻めへと移り。
安斎・俵積田の1タッチパスを挟み、橋本が溜めたのちのスルーパスで左奥を取りにいくも、受けた安斎が藤井に反則気味に倒された事で終了となり。

お互い、保持したいもののままならないという状況が顔を出し。
そうなると冴え渡るのはハイプレスで、ともに3バックの布陣なので、ウイングバックにパスが出ればすかさず相手WBに詰められて前を向けないという絵図が常態化する試合。
つまりそれをどう解決するかが、ポゼッションによる攻略法となりました。
余談ですが、こうしたWBの果敢なプレッシャーを仕掛けられる背景には、後方の支援が必須であり。
即ち前に出た裏を取られても、まだ4バックで守れるだけの組織力があれば、WBも安心して規制を掛けるのに集中できるというもの。
先日観に行った札幌の試合の事を考えながら、札幌に何より足りないのはそんな信頼性・それを植え付けるべくの普段の落とし込みなのでは……なんて思いが頭を過りましたが、この場ではどうでも良い事であり。

話を戻すと、時間が進むにつれてそれを解決せんと藻掻く両チーム、という展開に。
FC東京は、定番の手法である縦パス→レイオフ→裏へのパスという1タッチでの繋ぎの色を強めます。
24分には中央でしたが、橋本のレイオフから森重のロングパスで右サイド奥を取りにいき、セカンドボールを拾って右サイドでのパスワーク。
ここからスローイン→右コーナーキックと押し込み続けましたが、CKが防がれると湘南のカウンターに。
しかし岡が敵陣のまま奪い返した事で逆にショートカウンターとなり、スルーパスを受けた俵積田(CKのキッカー)が右奥へ持ち込みグラウンダーでクロス。
クリアされるも小さくなり、右ポケットで拾った仲川から今度は高いクロスが入ると、山下が合わせヘディングシュート。
中央を狙ったボールでGK上福元の逆を突くも、左手一本でのセーブに阻まれ惜しくも先制はなりません。

他方、地上で繋ぐ色を強める湘南。
序盤にあれだけ使っていたロングパスは影を潜め、前述のようにワイドで嵌められそうになれば素直に戻し、最終ラインでサイドを振りながら隙を伺うというポゼッションスタイル定番の流れに。
トレンドである、3バックから左右への可変は何度か見せるものの、中央のキムミンテが一列上がるというややレアな形も取り入れ。(といっても、前年に何度か見せていた形ではある)
プレッシャーを浴びると脆い印象があるキムミンテの足下だけに、むしろこちらが本命にも思えました。

前半も終わりが近づき、一方的にボールを握る流れを得た湘南ですが、それでも中々好機を生み出せず。
今季の成績と同様、これまでの我慢を結果に繋げたいという状況で、40分に鈴木淳がボールキープで仲川を剥がした事が契機に。
右へ展開されると、藤井がカットインで中央まで流れる、激しいレーンチェンジの末にエリア内と送られたミドルパス。
これを完全に裏を取った平岡が受ける決定機が生まれましたが、トラップ際を白井のスライディングでクリアされ撃てずに終わってしまいます。

結局そのままスコアレスで前半終了。
保持の色が強まった事で、中断もほとんど見られなかったためアディショナルタイムも取られずに(湘南の保持が続いていたため30秒ほどオーバーして)終わり。

共に交代無く、そのままのメンバーで始まった後半戦。
終盤にかなりボールを握られていたFC東京が、その対策としてハイプレスの色を一層高める入りとなり。
山下がアンカーに付きつつ、その他の選手が前に出るのが基本形のFC東京で、早速の後半1分に鈴木雄に詰めた俵積田がパスをブロック。(そのままタッチを割る)
前線の圧力で、湘南ペースを乱しに掛かります。

狙いは概ね成功し、攻撃権を掴んだFC東京は7分、敵陣右サイドで確保したのちバックパスから1タッチ中心に細かく繋ぎ。
そして高のスルーパスに走り込んだ白井がグラウンダーでクロスを入れるも、走り込む仲川の前でディフェンスがクリア。
実らずと思った刹那、同じくクロスの遮断にいったGK上福元が仲川と交錯して痛む事態に発展してしまいます。
主にフィードでビルドアップの片翼を担ってきたこの日の上福元だけに、不安が過りましたが何とか無事で継続。

その後、俵積田の突破力を軸として押し込むFC東京。
チームの完成度が高くない以上、強力な矛を利用した攻めに傾倒するのはある意味当然の回帰であり。
18分には左サイドを橋本縦パス→安斎ポストプレイ→俵積田スルーパス→安斎で攻略(そのままグラウンダーでクロス→仲川スルーも繋がらず)と、前半も見せていた手法とも混ぜ合わせ。
その圧力に屈するように、自陣での凌ぎが目立ってきた湘南。

その矢先、FC東京ベンチの方が先に動き山下→佐藤へ交代。(仲川がFWに回る)
ポジションチェンジも絡んだ事でやや混乱したか、19分にFC東京の好機(左から安斎がグラウンダーでクロス)から生まれたのは湘南のカウンター。
それでもネガトラにより遅攻に持ち込まれ、と思われた矢先に、左サイドで畑のスルーパスに走り込んだ福田に対する(岡の)反則でセットプレーを献上するに至り。

これを境に持ち直す湘南。
22分後方での繋ぎから、降りてキープする平岡が左ワイドに流れた事で、(戻しを経て)空いたスペースへ畑が縦パス。
そして受けた小野瀬が裏へスルーパスと、相手を引き付けての素早い崩しが見られましたが福田の抜け出しは惜しくもオフサイド。
それでもここから、FC東京のハイプレスを利用せんと3バックが幅を取って繋ぐ体制へと移り、縦パスを送るためのスペースを空けるというビルドアップの色を強めます。
FC東京も負けじと、最終ラインでの保持から、土肥が前に出る可変から右サイドで攻める姿勢を強め。
22分(上記の湘南の好機の直後)にその右サイドから例によって縦パス→レイオフ→ミドルパスで裏を突き、受けた佐藤がそのまま右ポケット奥まで切り込んでマイナスのクロス。
これを俵積田が合わせたものの、ふかしてしまいゴール上へと外れ。

25分に湘南ベンチも動き、平岡・鈴木章→石井・ルキアンへと2枚替え。
すると直ぐにFC東京の好機という具合に、この日は交代で勢いを失う流れとなった感があり。
それもハイプレスを嵌めてのもので、26分左サイド深めでカットした仲川からそのまま奥で溜めを作り、(安斎が)エリア内中央へ送るもフィニッシュには繋がらず。
しかしその直後にもパスミスを誘発させ、安斎がペナルティアークからシュート(ブロック)と、湘南のボール保持に突け込むある意味理想的な展開になりかけます。

しかし28分にFC東京は橋本・白井→常盤・小泉へと2枚替え。
するとやはり失速し、30分以降はほぼ湘南の保持の時間と化する事になり。

FC東京のプレス自体は継続するも、嵌められずにいなす絵図を頻発させる湘南。
34分にはGK上福元の右への小さいフィードから、浮き球のまま繋いでいくと前に出た常盤が逆を突かれる形でカットできず、敵陣に運ばれ。
福田が右からカットインでポケットを突き、グラウンダーでクロスを送るもGK野澤大に横っ飛びで阻まれ。
36分には最終ラインでサイドを振ってのいなしから、キムミンテの鋭い右への縦パスから前進開始……と見せかけて再度戻しを経て左から前進。
福田の持ち運びから左ポケット角を突き、石井がシュート気味に鋭いクロスを送るもルキアンの前でクリアされ実らず。
ひたすらサイドを変える姿勢を貫く絵図に湘南の我慢強さを実感するも、肝心の得点に繋げるフィニッシュは放てず時間を浪費していきます。

するとFC東京の方が3度目のカード、つまり使いきりを選択。
38分に俵積田→野澤零へ交代しますが、やはり流れは変えられず。
39分の湘南はGK上福元のロングフィード、そのセカンドボールからの攻めと原点回帰し、右ポケットからの(藤井の)クロスのクリアが小さく福田が拾い継続。
戻しを経て奥野がミドルシュートと、ほぼノーマークでのフィニッシュに繋げましたがふかしてしまい枠外に。
雨が降り注ぐ(一時雪へと変わる)環境下で、その影響によるシュートミスが(双方とも)深刻になる試合となり。

41分、ルキアンのポストプレイに対し後ろから反則を犯した岡に警告が突き出され。
FC東京が崩れるか否かの戦い……と思われましたが、ここから息を吹き返すFC東京。
終盤になり、悪天候に長く晒された影響か湘南の保持も乱れがちとなり。
42分にGK野澤大のロングフィードのセカンドボールを拾って敵陣から攻撃と、序盤の湘南をなぞるような手法で展開ごとひっくり返し。
後方から小泉がミドルシュートを放ち、これが強烈な軌道でゴール上へ僅かに外れるも、その号砲となります。

余力を振り絞って、ボールを握り攻撃権を掴むFC東京、それに対する湘南のプレッシングも簡単にいなされ。
そして左右のCBも果敢に前線に絡む、分厚い攻撃で押し込み続け。
AT突入直後、右サイドで土肥がワンツーで前進に絡んだかと思えば、中央→左への展開を経て岡の持ち上がりも活用。
そして中央へ打ち込まれた縦パスを佐藤がポストプレイで浮かせ、野澤零から受け直した佐藤がエリア内に進入。
DFに囲まれるなか右のスペースへ横パスが選択されると、託された格好の高がフリーでシュートを放ちます。
GK上福元の左を抜いたかに見えましたが、その脇のキムミンテが背中でブロック、跳ね返りをさらに仲川が追撃しましたがこれも枠を捉えられず。

粘りを守備面で発揮する状況となった湘南、残っていたカードを使う(福田→根本)ものの当然ながら流れは変わらず。
尚も押しまくるFC東京、右奥から常盤グラウンダーでクロス→ニアで小泉スルー→野澤零シュートと再度決定機。
しかしこれもゴール右へ外れてしまい、劇的な先制点は最後まで生まれませんでした。

最後は安斎が(鈴木淳に)反則気味のチャージをエリア内で受けた事で、騒然な空気となるなか試合終了の笛が吹かれ。
難しい展開であった事を証明する、スコアレスドローで幕が閉じられました。

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