ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第35節 東京ヴェルディvsレノファ山口FC

2020-11-25 17:09:34 | サッカー視聴記(2020年以前)

後半戦に入ってからも僅か2勝で、目下7試合未勝利の山口。
そのうち敗戦が6試合と、沈みっぱなしの現状で順位的にも最下位。(愛媛と勝ち点は同等ですが)

崩壊する守備陣のテコ入れが目立つ近況、29節・水戸戦でヘニキが早々に退場し大敗(1-4)・出場停止となったのを切欠にディフェンスラインを再編成。
ちょくちょく楠本が起用されるようになり、それ以前に外されていた眞鍋(26節・金沢戦でハーフタイムで下げられて以降ベンチ外に)が再び登用され、またサイドバックには安在・川井が復帰してきました。
何とか固まりつつあり失点数は減ったものの、0-1での敗戦が3試合続くという具合に、攻撃面へ課題が移る堂々巡り。
この日は水戸戦以来のスタメンとなったヘナンを、眞鍋と組ませるセンターバックで挑みました。

一方のヴェルディ、後半に入って5勝5分3敗と割と良い方向に振れていますが、昇格争いとは無縁の立ち位置。
最近は得点力に手応えを得ているらしく、5戦で10得点をマーク。
そのうち2得点を挙げている山下が出場停止となったものの大きな揺るぎは無く。
原動力となっているセンターフォワード(厳密にはフリーマンらしい)の端戸や、復帰してレギュラー定着している井出を中心に、この日も得点を挙げての勝利を狙います。

立ち上がり、ヴェルディはポゼッションというよりは、右ウイングの小池をスペースに走らせる攻撃が目立ちました。
繋がらなくても何度も右奥へスルーパスを送るという、何らかの意図があっての振る舞いなのは明らかで、果たしてその答えは今後見えてくるか。

前半10分のヴェルディ、中盤で藤田譲瑠チマがパスを散らしたのち平が左へパスを送り、受けた左SBの奈良輪は戻りつつ井出とパス交換したのち前方へスルーパスを送ります。
端戸が受けて左サイド奥でパス回し、その間にエリア内へ上がってきた奈良輪へと浮き球が送られると、受けた奈良輪の戻しに井出が走り込んでシュート。(ブロック)
再三ベクトルの向きを変えて攻撃に絡む奈良輪の動きが印象に残った左サイドでの攻撃でした。

そんな攻撃を受けつつも、山口は以前観た時のような、ビルドアップの段階で窒息するシーンはあまり見られず。
相手の良さを消すというサッカーはして来ない(と思われる)ヴェルディ相手という所もあったでしょうか。
しかし好機を作ったのはカウンターからで、8分に左サイドで縦に速いパスを連続で送る攻撃。
池上の右サイドへのパスはカットされるも、こぼれ球が良い具合に河野へのスルーパスとなり、河野の浮き球のパスを高井が受けてシュート。(ブロック)
16分のカウンターも左サイドで、田中陸のスルーパスを高井が受け、中央へ切り込む姿勢を見せたのちヒールでスルーパス。
これを受けた安在からクロスが上がるも、ここはシュートに結び付かず。

しかし山口も本来はボールを握っての攻撃が理想郷のチームであり、狙いとは違っていたと思われるここまでの展開。
それが差に表れるように、先制点はヴェルディに入ります。
19分、敵陣で端戸がプレスバックでボールをこぼすと前線に走り出し、井上のスルーパスをペナルティアークで受けてGKと一対一に。
エリア内へと入って放たれたシュートはゴール右へと突き刺さり、前節に続いての得点を挙げる事に成功した端戸。

先制後も主体的に攻めるヴェルディですが、最終ラインから繋ぐ事を重視。
その最終ライン、奈良輪が前に張り出しての3バックへ変形する形を多く採ります。
しかしビハインドを跳ね返したい山口も、以降は主体性を持って攻撃。
23分に田中陸のシュート(ブロック)、25分には河野のシュート(ブロック)と手数を増やしつつ、飲水タイムへ突入します。

再開後も攻める山口ですが、逆にヴェルディのカウンターも目立ち始めます。
29分には井出のボール奪取から佐藤優平がスルーパス、受けた端戸がドリブルから再びスルーパス、エリア内左へと走り込んだ井上がシュート。(ブロック)
33分も端戸のスルーパスが小池に渡りますが、小池は端戸へのリターンを選択した結果シュートまで行けず。
42分は山口のコーナーキックからの直接カウンター、左サイドをドリブルする佐藤優から右へサイドチェンジのパスが通り、受けた井上が端戸とのパス交換ののちエリア内右へとスルーパス。
走り込んだ小池が角度の無い所からシュートするも、GK吉満が足でセーブ。
ヴェルディにゴールを脅かされる一方で、山口は飲水タイム明け後はシュートを放つ事が出来ず、前半を終える事となりました。

前半のヴェルディは、思っていた以上に裏狙いを交えて攻撃を展開していました。
立ち上がり当初は小池を活かすというだけの振る舞いに終始していたようにも見えましたが、以降はどの選手にも適用し、スルーパスをどんどん送り好機を作る。
試合前に400試合出場のセレモニーを受け、祝福されていたこの日の小池。
そんな彼を通して、裏を狙うという意思統一を行った入りだったでしょうか。

後半開始を迎え、山口はハーフタイムで動き浮田→森へと交代。
しかしその甲斐もあまり無く、立ち上がりはヴェルディが一方的にボールを握る展開を描きます。
キックオフから2分近く、途中反則を受けたのを挟みましたがパスを回していたヴェルディ。
その後も攻撃権を支配し、後半5分にはエリアからやや手前・左ハーフレーンという絶好の位置で直接フリーキックを得、佐藤優が直接狙ってシュート。(ゴール上へと外れる)

ところがそんな展開が油断の素となったのか。
6分に後半初の攻撃権を得た山口、ここも左サイドから前進し、安在の河野へのパスがこぼされるも高井が拾ってドリブル。
そのままエリア内左へと進入すると、必死に追走したヴェルディ・小池が後ろから倒してしまい、笛が鳴って反則・PKゲットとなります。
得た高井がそのままキッカーを務め、ゴール左隅に蹴り込んで同点。

追い付いた山口ですが、直後のヴェルディの攻撃。(9分)
井出が左サイドでドリブルから、スルーパスをエリア内へと送ると小池がトラップで抜け出し、GK吉満が抑えるという危ないシーンを作ってしまいます。
冷水を浴びせられた山口、以降は気を取り直して勝ち越しを狙います。
今度は右サイドを主とする攻撃を見せ、原動力となったのが交代で入ってきた森。
スピードとドリブルを生かして突破口を開く役を果たします。
19分には河野のスルーパスに走り込む森、エリア内右へと入りマイナスのクロスを送ると、ニアサイドに河野が入り込みシュート。(サイドネット)

一転して押され気味となったヴェルディ、20分に奈良輪・佐藤優→福村・山本へと2枚替え。
山口サイドも23分、河野→小松へと交代。
両軍ベンチワークも交え、その間の試合は中々好機が生まれない膠着状態となります。
それを打開しようと、原点に返るべくヴェルディは小池へ裏狙いのパスを送る攻撃を見せるも報われず、そのまま飲水タイムへ。(24分)

試合再開後、28分に山口はさらに動き、高井→田中パウロ淳一へと交代。
丁度ヴェルディのCKとなっていたタイミングでの交代でしたが、早速生かされる場面が訪れます。
クリアから山口のカウンターとなり森が左サイドをドリブルでそのままエリア内左へと進入、一旦パスを選択しこぼされるも、拾い直して尚も奥へ切り込み。
そしてマイナスのクロスを送り、中央で高が合わせにいくもディフェンスに遭い、ファーサイドでパウロが拾ってシュート。
しかしGKマテウスが右手一本でセーブし、決定機を逃します。
直後のCKでも小松がヘディングシュート。(ゴール左へと外れ)
その直後(31分)にも、高のロングパスがヴェルディ・平のクリアミスでエリア内へこぼれ、小松が詰めにいくもGKマテウスに防がれシュートは撃てず。
あとほんの僅か、というシーンを連発する山口。

冷や汗の連続を強いられたヴェルディ、再びベンチが動き、井上・井出→松橋・森田と2枚替え。
ここから流れを引き戻すのに成功し、森田が主に2列目でボールを裁き、松橋がフィニッシュに向かうという攻撃。

そして38分、左サイドからのスローインで一旦最終ラインへと戻され、高橋縦パス→端戸ポストプレイ→チマ右へパス→若狭と回ったのち手前からのクロス。
ファーサイド奥へとボールが入り、森田が走り込んで足で折り返すと、中央で端戸がボレーシュート。
綺麗すぎる流れで見事にネットを揺らし、勝ち越し点を奪ったヴェルディ。

再びビハインドで終盤を迎えた山口、最後のカードは池上→イウリ。(失点直後)
4-4-2という位置取り(小松・イウリの2トップ)になりましたが、暫くしてサイドハーフになっていたパウロと森がサイドを交換。
この変更に全てを賭け、同点を狙いにいきます。
そして44分、クリアボールをイウリが収め、パウロを経て左サイドへと展開されると森からクロスが上がります。
中央で小松が胸で落とし、パウロがボレーシュートを放つも枠外となり、再び決定機を外してしまったパウロ。

そしてアディショナルタイムに入り、ヴェルディは森田が眞鍋のチャージを受けて負傷してしまうというアクシデントが。
担架で運ばれたものの、既に交代枠を使い切っていたヴェルディ(最後の交代は43分・端戸→クレビーニョ)、その後気丈にピッチへ戻る森田。
そんなATは、ヴェルディが上手くスローインの漸進戦術で時間を使い、山口の攻撃をクロス一本のみに封じる事に成功して無事タイムアップ。

これで3連勝となり、6試合12得点と「一試合2得点」も維持出来たヴェルディ。
しかし次節はリーグ屈指の堅守である福岡との一戦で、そのペースが崩されるか否かが勝負の分かれ目となりそうです。


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