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DAZN観戦 2023年J3リーグ第11節 カマタマーレ讃岐vs奈良クラブ

2023-05-29 16:00:30 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 当初は逆のコートでスタート予定も、コイントスでコートチェンジし結局ホームチームが(メインスタンドから見て)左側でスタート。

天皇杯1回戦が挟まったため、2週間ぶりの開催となったJ3リーグ。奈良は早速HondaFCの洗礼を浴びたようで
完全DAZN民である自分にとっては待ち遠しかったものの、来季からはそのDAZN中継も切り離されてしまう事が決定済み。
チェアマン・野々村芳和氏は「視聴手段は確保する」と約束したものの、秋春制への強行的な移行を唱える辺り弱者切り捨ての雰囲気が高まりつつある近年のJリーグ故、予断は許さない状況といえますが果たしてどうなってしまうか。

ネガティブな話はこれぐらいにして、今季からそのJリーグへと参入を果たした奈良。
FC大阪とともに関西勢が加わったのみならず、関西大都市圏の外であるクラブから初の参入という事で、歴史的快挙と言えるでしょう。
しかしその道のりは波乱を極め、新規参入を目指してJFLリーグを戦っている最中、度重なる入場者数の水増しが発覚。
そのためJリーグ百年構想クラブから失格処分を下される事態となり(のちに解除)、「闇雲に昇格を目指しても、待っているのは破滅」という思いに至ったでしょうか。

それでも前年の参入決定にあたっては、入場者数が最後の壁となり。
JFLでカズ人気驚異的な集客力を誇っていた鈴鹿ポイントゲッターズとの試合に何とか救われた格好で、駆け込みでクリア。
そしてJFL優勝を決め、とうとうJリーグの舞台に足を踏み入れる事となりました。

サッカー的には、スペイン出身のフリアン監督の下組織的なサッカーを繰り広げるという、欧州スタイルを積極的に取り入れているであろうクラブ。
早々に選手のキャリアを諦め15歳の時点で指導者への道を歩み始めるという、変わり種であるフリアン氏の執念が、今ハッキリとした形で表れる……とまでは言い過ぎか。
ともかくまだ序盤ながらも、1年目から上位争いを繰り広げている奈良。

そんな新星の存在で、Jリーグ経験は詰みあがっているものの相対的に下部への振るい落としに遭いつつある讃岐がこの日の相手。
先輩の意地を見せたい讃岐は、立ち上がりのトランジション勝負の時間帯で好機を作り。
前半2分右サイドで森勇がボール奪取してすかさず前線へスルーパス、受けて起点を作った赤星から中央へ展開。
そして長谷川縦パス→福井ポストプレイでエリア内を抉った末、川崎がダイレクトシュートを放ちましたがGKアルナウがセーブ。

いきなり決定機となりましたが、5分には逆に奈良がトランジションの連続を経て好機を作り。(左から嫁阪がクロスを入れるも撃てず)
続く6分にはネットを揺らされ(堀内のミドルパスを浅川がエリア内で受けてシュート)てしまいますが、オフサイドで何とか命拾いします。
直後のフリーキックでのロングフィードから(赤星のフリックで)またも決定機を迎える讃岐、森勇のグラウンダーのクロスから、福井がトラップで裏へ抜け出してシュート。
しかしまたもGKアルナウがセーブ、跳ね返りに詰めた赤星のシュートもアルナウが前に出てブロックと、最後の壁を破れず。
開始からともにゴールに極限まで近づく試合展開と、トランジションに頼るサッカーでは落ち着きを得られないのは確か。

その後試合を落ち着かせようとしたのは奈良の方で、GKを含めてのショートパスでのビルドアップにより、ポゼッションを増すお決まりの流れとなり。
しかしそれが本格化する前に、讃岐のプレッシングに引っ掛かります。
14分自陣右サイドでのスローインからの繋ぎで、寺村のダイレクトパスがあろう事か中央で奪われる事態に。
拾った福井が溜めを作ったのち長谷川→森勇と経由して右ポケットを取り、森勇から放たれたシュートがニアサイドを破ってゴールに突き刺さります。
これだけショートカウンターのお膳立てが揃えば決められない方が問題というような、先制点を挙げた讃岐。

このリードを最大限に活かす事が求められる讃岐。
しかしそれは果たせず、17分逆に自身のビルドアップのミスで失点してしまいます。
左サイドから中央、つまりGKへと戻されると、ワントラップを経てフィードを蹴りにいくGK高橋拓。
しかし猛烈に詰めた酒井のブロックに遭うと、そのままボールはゴールに突き刺さる事となり。
近年は足下の技術も求められるGKという職業、猛烈なプレッシャーを受けたこの場面での正解は切り返しで酒井を剥がす事だったでしょうか。(次点で右に開いたDFへのパス)
早まったか、相手のプレッシャーを過小評価していたか……といった同点劇となりました。

振り出しとなり、奈良のビルドアップを良く見てみる事に。
ポジション取りは普通のアンカースタイルに、インサイドハーフの降りを加えるというオーソドックスな形。
しかしそのパスワークに一ひねりといった感じで、形式的な段階的では無く、一つ飛ばしのパスを多用してプレッシャーに対抗するという意識が強く。
例を挙げると右センターバック→左CB→左サイドバックと渡し、詰まればまた左CB→右CBと戻すのが一般的ですが、この日の奈良は左SBが直接右CBまで届けるパスを送る事が目立ちました。
右CB→左SBへのパスという逆も然りで、またSBに届ける所を、ウイングが降りてきて受けるという具合に変化を付けるパスの受け手。

パスを回す中、周囲を良く見て空いた所を効果的に使う姿勢が伺えたものの、同時にそれは通常より難易度が高まるのも確か。
25分にはまたパスミスから好機を作られ、右サイドで森勇がボールを持つ場面となり。(森勇が相対したDFの股抜きを狙うもロスト)
その後も28分・32分に立て続けに自陣でボールを失って危機を招くなど、未だ発展途上といった所でしょうか。

一方の讃岐は、跳梁する右サイドハーフの森勇ですが、それ故周囲より一歩抜け出していた印象を受け。
これを見たベンチは25分過ぎ辺りから配置を弄り、攻撃時には森を右シャドー・臼井を右ウイングバックとしての3-4-2-1気味に移行する可変を採るようになります。
その際ベンチから「(森)勇人に伝えて」という指示が上がるという具合に、彼の人並外れた?前残りと攻撃能力をバランスを崩さずに何とか有用とするような思考からだったでしょうか。

試合の方は、立ち上がりの慌ただしさから一転し中々フィニッシュ数が膨らまずに推移。
やきもきする状況はボールポゼッションで上回る奈良の方、という展開ですが、終盤に来て流れを手繰り寄せ。
42分に左サイドでの嫁阪のドリブルが契機となり、パスワークを経て左奥を突いたのち、戻しを経て加藤の手前からのクロス。
これが大外奥での浅川の折り返しに繋がり、酒井がこれを足で合わせましたがGK高橋拓の眼前でのセーブに阻まれます。
この後そのボール保持力を活かし、(GK以外)全員敵陣に進入して攻めるシーンも作る奈良。
アディショナルタイムにはそれを逆手に取り、寺村のロングパスで一気にエリア内右を突くと、酒井が走り込んでダイレクトで浮かせたボールがGK高橋拓を越えて中央へ。
そこに後方から中島が走り込む際どい好機となったものの、クリアされて実らず。
奈良はシュートこそ2本止まりでしたが、攻めの形は示した格好となったでしょうか。

前半を1-1で折り返し、交代無く始まった後半戦。

前半は長短のカウンターによる攻撃シーンが目立った讃岐、後半1分には川崎の飛距離の長いスローインから、跳ね返りを拾ってからの好機。(シュートまではいけず)
これにより、ポゼッションを高める奈良に対してアバウトな攻撃の意識が高まったでしょうか。
7分にこぼれ球を回収したのち最終ラインからの攻めで左サイドを突き、福井のクロスをファーサイドで森勇が合わせるものの撃ちきれず。
繋ぎたい意識はあったでしょうが、後半奈良の動きが良くなった事で果たせなかった印象を受け。

前半に比べてIHが降りる頻度が増え、その分SBが前へ出るといった奈良の攻撃。
8分にはその寺村のドリブルで赤星の反則を誘い、右サイドからのFK。
キッカー可児ファーにクロス→嫁阪折り返しを経て、トラップした加藤のボレーシュートが放たれるも枠を捉えられず。

その後も高めに上がるSBを利用し、主に左サイドで推進していく奈良。
それによりCKも多く獲得と、押し込む流れを得た事で何処かで一本……という展開となります。

一方凌ぎを強いられる讃岐。
攻撃ではロングボールを前線へ送るも繋がらず、守備では押し込まれた事で時折5バックと化すシーンも見られるなど、厳しい状況に。
ベンチも最初に動いたものの、それは20分というやや遅めのタイミングと、必死に天秤にかけていた節があり。
2トップを揃って代え、赤星・福井→鳥飼・岩岸へと交代しました。

しかしその後最初に決定機を迎えたのは奈良。
24分に鈴木がドリブルで前進と、「スペースがある時はCBは持ち運ぶ」というビルドアップのセオリーを見せたのちに左へと縦パス。
受けた嫁阪は一旦奪われるも、自力で奪い返してクロスに辿り着き、これをニアサイドで受けた浅川はワントラップからのバイシクルシュートに持っていきます。
これを前に出て防ぎにいったGK高橋拓、至近距離で顔面でセーブという形となり、防いだものの倒れ込んでしまう高橋拓。
その絵図は2分近く続き、何とか立ち上がりプレーを続ける気合を見せましたが、その後も押し込まれる讃岐という絵図までは変えられません。

奈良のCKが2本続いた(2本目から鈴木がヘディングシュートもGK高橋拓がキャッチ)のち、一向に上向かない讃岐はポジションチェンジを敢行。
SB同士を入れ替え、臼井が左・奥田が左という配置になります。
一方奈良ベンチの采配は、28分に嫁阪→西田へと交代し、浅川が左WG・西田が右WGに。
さらに35分に2枚替え、可児・中島→山本・片岡と、IHをそっくり交代。

32分にまたも奈良のパスミスでショートカウンターになりかけた(エリア内で鳥飼が拾うも撃てず)所で、讃岐は対抗心を取り戻し。
奈良のビルドアップに対し、ボランチ以前の6人が敵陣で構える体勢を取って迎え撃ちます。
言わば「8対6」というビルドアップvsプレッシングのスタイルで、GKまで含める奈良に対し数的不利は否めないものの、その後は容易に運ばせず。
そして37分の讃岐の攻撃、右サイドで森勇がカットインと見せかけてスルーパスを出し、走り込んだ岩岸が奥からクロス。
これをニアサイドで鳥飼がヘディングシュートに持っていくと、対角線を突いたものの左ゴールポストを直撃と、際どいシーンが生まれます。

再び互角の様相となりつつある中、讃岐は38に川崎→武下へと交代。
奈良は40分に寺村・酒井→都並・森俊介へ交代(浅川がCFへ回る)と、共に最後のカードを切って最終局面に。
交代で入った武下は、ラフに左奥へと送られたボールに対し同じく交代で入った都並を追い越して拾う(42分)など、スピードを活かしそのカードの優位性を見せ付けんとします。

それでも判定の面で森勇・長谷川が警告を受ける等、やや苛立ちを目立たせていた讃岐。
アディショナルタイムにはその所為か再び奈良ペースへと移り、迎えた奈良のポゼッションによる攻撃。
ここも鈴木の持ち上がりからスタートし、既にそれを止める体力の無い讃岐を尻目に敵陣に入り込む奈良。
左→右への展開を経て、ワイドで持った西田が臼井の股抜きカットインを試みると、果たせずにエリア内へこぼれたボールがドラマを生み出します。
つまりは拾いにいった片岡が武下と交錯して倒れると、非常に際どいながらも主審は反則の笛を鳴らし、PKという結果が齎され。

まさに土壇場で得た勝ち越しのチャンスで、絶対に決めなければならないキック。
キッカーは4月月間MVPに輝いた、ゴールゲッターの浅川。
周囲の選手双方がペナルティアークを取り囲むように位置取り、満を持して放たれたゴール左へのシュート。
しかしGK高橋拓は読みきってセーブ、これを躊躇わずヘディングで詰めにいった浅川。
逆方向を襲ったボールに必死に飛び付いた高橋拓、バウンドを経てゴールに入らんとする直前で、片手で掻き出しに成功します。
まさに紙一重での凌ぎにチームメイトの祝福を受けるGK高橋拓、その一方でゴールラインを割ったかどうかで異議を唱える奈良サイド。

そのどさくさに紛れて、クリアでゴールラインを割ったにも拘らずゴールキックで再開と、齎された熱気が判定をも有耶無耶にしてしまい。
奈良にとっては不可解ぶりが二重三重にも重ねられた格好となり、尚も攻め続けましたが勝ち越し点は奪えずとなり。
1-1で引き分けとなり、奈良は手中にしていたはずの勝ち点3を失った格好で終わってしまいました。

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