※前回の栃木の記事はこちら(13節・水戸戦、1-1)
※前回の京都の記事はこちら(12節・琉球戦、0-0)
15節での直接対決に勝利し、新潟から首位の座を奪った京都。
しかし前節(甲府戦)はスコアレスドローで、一日天下となってしまいましたが。一日では無い
混沌としてきた事で下との差も詰まり、新潟・琉球の2強という様相は終わりを告げ、ここからが昇格争いの本番なのでしょう。
一方の栃木、そんな上位の状況とは無縁な位置に落ち着きつつあり。
降格圏からは一歩上なものの、下を気にせざるを得ないような立ち位置となっています。
前年と比べての「中央の強度の低下」を解消するべく、早速補強を敢行。
育成型レンタルで福岡から三國ケネディエブスを加入させ、早速15節・松本戦から起用。
狙いは的中し、以降無失点でここまで来ています。
ピーター・ウタカが今季2度目のベンチ外という事で、彼抜きで得点を挙げる事が勝利への必須条件である京都。
しかも相手は栃木で、今季は同タイプの秋田に敗戦している(5節・0-1)など、不利な要素を抱えての試合となり。
キックオフ直後に、京都・松田と栃木・山本がボールと無関係な所で身体をぶつけ合うシーンでスタート(反則無し)と、早くも様相が色付けられたようでありました。
そんな中、ウタカ不在のセンターフォワードの位置には、あろう事か最もサイズが劣る存在の中川。
京都の前線は盛んにポジションチェンジが繰り返されるので違和感はそれほどでも無いですが、流石に栃木のセンターバック相手では分が悪く。
結局前半14分頃から、代わって武富がCFに回る事となりました。
ミスマッチを起こしていた京都を尻目に、栃木は自身の土俵に持ち込む事に成功。
2分に敵陣深めでパスカットしたジュニーニョが、すぐさま京都・川﨑の出した足に掛かってしまい反則となったシーンがその象徴だった気がします。
その後も6分に京都・武富が、栃木・佐藤をアフターチャージで倒してしまい反則、警告を受けるという具合に立ち遅れていた感があり。
ロングボールを矢野目掛けて放り込むというシンプルな攻撃ながら、主導権を握っていきます。
そしてセットプレーも多数得た栃木でしたが、京都にもCBにはヨルディ・バイスという壁が健在しており。
コーナーキックの際は、他者がマンマークな中、バイスはフリーマン的に構える守備で万全の体制。
おかげでCKを得てもフィニッシュシーンを作る事無く、時間を浪費していく栃木。
栃木の攻撃を防ぎつつ、中川・武富のポジションを変えた後でも、攻撃では中々ペースを掴めずにいた京都。
本領を発揮したのは飲水タイム(26分)後であり、まずは相手を押し込みつつ、数多獲得したスローインで流れを得ようとします。
バイスのオーバーラップを絡めたり、飯田がロングスローを放り込んだりと、相変わらず変化を付けにいくスローインは健在。
そして35分、中央で荒木がエリア内右へスルーパスを通し、武富がシュートを放った(枠外)のがフィニッシュ攻勢の幕開けとなります。
37分には左ハーフレーンから中川のミドルシュート(GK川田セーブ)、39分には左サイドから荻原の浮き球パスを武富が受けてシュート(ブロック)、直後には左サイドから荒木がカットインからシュート(GK川田セーブ)。
45分はCKからの二次攻撃で、右からの飯田のクロスをニアで荻原→中央で武富と2連続でのフリックを経て、ファーで松田がシュートと面白いシーンを作りましたがブロックに遭いモノに出来ず。
序盤は苦戦した栃木のディフェンスにも慣れを示し始め、ボックス近辺でのショートパスを中心に好機を量産。
蜂の巣状態といった感じで前半の終盤を彩りましたが、得点は挙げられず。
アディショナルタイムに突入した所で、京都のスローインを矢野が直接カットしてそのまま栃木がカウンター。
ドリブルでエリア内を伺う位置まで進み、フェイントの連続で撃つ隙を伺ったものの、結局シュートは放てず。
ミスから危機を招くというシーンになり、良い流れで進めながらも予断は許さない状況を京都サイドに再認識させたでしょうか。
結局0-0のまま前半は終了。
12節から5戦連続で無失点と守備面での奮闘が光る京都の成績ですが、「引きこもり上等」というチームでは無く、積極的なプレッシングが売り。
同時に得点力に陰りが見え始め、勝利はいずれもウノゼロ(1-0)でのもので、3得点のみで3勝。
1点逃げ切りが目指す形とは言い難いチームにも拘らず、そうなっているのが今後の不安材料でしょうか。
まあ「理想と食い違う中でも勝っている」と置き換える事も出来ますが。
この日不在であったウタカは14節にもベンチ外で、その要因の一つと捉える趣もあり。
しかしウタカ自身は9節を最後に無得点なので、彼が居ても問題が変わらなかった確率は低くなく、根本的なものでは無いでしょう。
前線からのプレスが攻守ともに肝のチームであり、この日のように攻撃権を支配し、得点を狙いにいくのが持ち味。
そのため交代カードを切っていくのも早い傾向があり、積極的に入れ替えて前線の運動量を確保するのが狙いなのは明白。
そしてこの日も、ハーフタイムから早速交代が敢行されました。
左ウイングの荒木に代え、三沢を投入してMFに。
そして松田が左WGに回るという策を採った曺貴裁(チョウキジェ)監督。
後半、お互いロングボールを蹴り合う入りを経て、先に攻撃権を取ったのは京都。
特に最初の好機(後半3分)は、武田のロングパスを左サイドで受けた荻原が、中川へスルーパスを送りつつ中へ入り。
そして中川のグラウンダーのクロスをニアサイドで受けたものの、シュートは撃てずというもので、崩す所まではいくも得点は奪えずという流れは継続。
一方の栃木、相変わらず攻撃では矢野目掛けたロングパスが第一。
そして収めたのち、もう一人のFWであるジュニーニョを走らせるという、アバウトながらもハイラインの京都相手には有効な攻撃。
8分にはCKから、こぼれ球を拾ったジュニーニョがミドルシュート。(枠外)
京都はボールポゼッションに関してはそれほど重視はしないながら、栃木のようなチーム相手には必然的にボールを繋いでの攻撃をせざるを得ず。
攻め上がる京都と、カウンターの栃木という図式が完成し、後半の時間が進んでいきます。
15分の京都、左サイドで三沢・荻原・松田が繋いだのち三沢が右へサイドチェンジ、これが一旦カットされるも飯田が奪い返して継続。
そして武田がミドルシュートを放ち、ブロックされるもクリアボールをバイスが拾い、左サイドから荻原がクロス気味にシュート。(ブロック)
パス数を多くしつつ、クリアされても攻撃を継続させる分厚い攻撃を敢行し、後は栃木の堅守を破れるかどうかという持久戦の雰囲気も漂いつつありました。(16分に中川→中野克哉に交代)
栃木は11分にジュニーニョが足を痛めて倒れ込み、一度はプレー続行したものの、19分に京都・バイスに倒されて再度傷んだ所で交代。(有馬が代わって出場)
25分に飲水タイムが挟まれ、明けてすぐの27分、栃木・三國がキックミスで中野克が拾いそのまま右サイドをドリブル。
そしてエリア手前でカットインからシュートを放ちましたが、GK川田がキャッチ。
栃木にとって致命的にならずに済んだというシーンであり、シンプルな戦いを貫くにも、全員の強い意志でエラーを起こさない事が求められるのを再認識させます。
直後に栃木は山本→畑に交代。
それでも0-0のまま試合は進み、迎えた32分。
右サイドから川﨑中央へ縦パス→松田ポストプレイ→武田ダイレクトパス→三沢でエリア内を急襲、一旦クリアされるも飯田が再度繋ぎ、エリア内右から中野克がクロス。
中央で跳んだ武田を越え、武富がフリーで収める大チャンスになりましたが、放たれたシュートはGK川田がファインセーブ。
完全に崩したシーンでしたが、モノに出来なかった京都。
34分にはその武富に代えて、今季初出場となる上月を投入。(同時に荻原→白井へと交代)
押され気味ながらも、一糸を繋ぐ姿勢なのは変わらない栃木。
36分にこぼれ球を有馬が前へ送り、矢野が頭で受けるとボールは右サイドのスペースへとこぼれ、拾った矢野からマイナスのクロス。
これをニアサイドに走り込んだ有馬が受けるもシュート出来ずと、掴みかけるものの実る事は無く。
その後京都は白井の突破力を軸に、左サイドから主に攻撃。
荻原が主力級の働きを見せている左サイドバックのポジションですが、例え代わっても戦力的に落ちないという層の厚さを見せ付けます。
それでも終盤を迎え、守り切るという意識が一層強まっていく栃木に対し、急所を突くパスは鳴りを潜めてしまい。
シュートは42分、CKからの曽根田(松田と交代で出場・38分)のミドルシュート(GK川田キャッチ)ぐらいに終わる事となりました。
AT直前には栃木がスローイン攻勢を掛けるものの、面矢がベンチスタートなためロングスローを入れる事は無く。
三國・柳がエリア内に入って来るものの、それを活かせずに終わり。
そしてATも2分台に入ってようやく面矢を投入(菊地と交代)と、今一つ噛み合っていない感がありました。
最後は京都が、ここも左サイドから攻撃して白井から低いクロスが入るも、ニアで合わせた川﨑は枠を取られられず。
そして(ゴールキックののち)試合終了となり、スコアレスドロー。
京都は6試合連続、栃木は3試合連続で無失点が継続されたものの、やや物足りなさを感じつつの結果となりました。
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