ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会準々決勝 京都サンガFCvsジェフユナイテッド千葉

2024-09-20 16:14:46 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 京都ホームという扱いだが、フクダ電子アリーナで開催とどう見ても千葉ホームな試合なのでそれに準じて表記。(前半のサイドも↓に同じ)

クラブの歴史上、天皇杯に強いというイメージの京都。
優勝は2002年の一度のみですが、エレベータークラブな立ち位置の2000年代な状況でそれは快挙に他ならず。
J2定着の流れに突入した2010年代でも、2011年に準優勝をマークするなど躍進ぶりが目立ち。
近年も、2年前の2022年にベスト4まで残り、今季もそれと同位置に上り詰める事が出来るかどうかという一戦となり。

目下リーグ戦絶好調と昇り調子で迎える事が出来た京都に対し、千葉はリーグ戦・31節(秋田戦、0-1)から中2日であり、スタメン11人総入れ替えという起用を余儀なくされ。
この辺りに、「ズッ友」と揶揄されたクラブ同士の対戦ながら、先んじてJ2の沼から脱出した京都という差異が表れる格好となり。
そして試合展開もその通りのものとなりました。

入りの、ロングボールを活用してのボール争いから、偶発的に最初に好機を作る千葉。
前半2分に全体ボールサイド(左)に寄っていたのを利用し、右サイドでスペースを得た高木が持ち運び。
しかしアーリークロスを選択した結果精度を欠く結果に終わると、以降京都のクオリティ高い攻撃が終始繰り広げられる事となります。

立ち上がりは京都サイドも、手前からのクロスや(福田の)ロングスローなどアバウトな手法を絡める攻めが先行する形に。
しかし千葉ディフェンスはそれに対しても押し込まれ、エリア内で必死の掻き出しを余儀なくされては自陣から脱出できないという流れが早くも形成され。
8分、その千葉がキープできずこぼれたボールを、福田が1タッチで縦パスを送り京都の攻撃開始。
右サイドで溜めを作ったトゥーリオが逆サイドへとロングパス、これが左ポケットを突くボールとなり、走り込んだ三竿のポストプレイを経て米本がミドルシュート。
枠外に終わるも、長短のパスで振り回される流れもこの時に作り上げられ。

そして11分、自陣右サイドでボール奪取した川崎が福田とワンツーを挟んで斜めの縦パスと、勢いを持ってボールを前進させ。
これをスルーしたトゥーリオが、奥での豊川のポストプレイで前を向いた状態で持つと、前進を経てエリア内へスルーパス。
そこに走り込んだ豊川がシュートと、2人のパス交換で完結されたフィニッシュがゴールネットを揺らします。
「ズッ友」との決別宣言、といった先制点を早々に得た京都。

下位カテゴリのクラブが、こうして一度も良い流れを築けずにリードを許してしまえば、巻き返すのは至難の業となり。
13分にも縦パスをトゥーリオフリック→豊川ポストプレイと2人の関係性から好機を作る京都に対し、千葉は持ち運ぶ川﨑にメンデスが反則を犯してしまい。
これで中央やや右寄りからの直接フリーキックになると、キッカー・トゥーリオが放った直接シュートがゴール上部に突き刺さる際どいフィニッシュに。

「ズッ友」ならぬずっと押し込まれる展開を嫌がったか、千葉は17分のゴールキックでGK藤田が素早くリスタート、直接京都エリア内へと低いロングフィードを届け。
そして走り込んだ呉屋が左ポケットからクロスを入れんとしましたが、不意を突かれた格好の京都サイドも戻ってブロックと隙に付け込ませません。
21分に京都のコーナーキックから、クロスをキャッチしたGK藤田がまたも素早くスローした事でカウンターに持ち込み。
ドゥドゥのドリブルが金子に倒された事で反則、これにより千葉も直接FKの好機に。
右ハーフレーンからという位置で、キッカー高木が放った直接シュートはグラウンダーで壁の左を通すものとなりましたが、ゴール左へと外れ実らず。

京都はリードを得た事で保持の色を強め、主に右サイドを細かいパスワークで繋ぎ続け。
それにより、千葉ディフェンスに対し前に出て奪いたい・構えてフィニッシュを防ぎたいという対極の意思の狭間で揺らぎを生み出します。
つまりは一層優位性が高まる事となる試合展開。

飲水タイムが挟まる(23分)と、トゥーリオ・コスタの両ウイングが一層流動性を高め、それにより翻弄される千葉ディフェンス。(第1クォーターは、セットプレーの流れでコスタが右でプレーという局面止まり)
以降も続く京都ペースに、千葉はブレイクを挟んだ事で最後方でのプレス回避に活路を見出さんとしましたが、それはハイプレスに定評がある京都の思うツボであり。
自陣でのパスミスにより、更なる京都の好機を生み出すのみに終わります。
35分、そのパスミスを拾った川﨑から素早く前進し、コスタがエリア内でGKと一対一に。
そして藤田を左にかわしシュートしたコスタですが、何とか伸ばした腕により防いだ藤田。
しかし左CKで継続し、その二次攻撃で右から福田が切り込んでクロスを上げると、ブロックを掠めてニアに入ったボールをトゥーリオがフリック。
ここから中央で豊川が合わせられず→ファーでオリヴェイラ折り返し→トゥーリオ落としと、慌ただしく動いた末に豊川のヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
しかしオフサイドを取られ(恐らくオリヴェイラの折り返しの時点で)、2点目とはならず。

その後も広範囲で動くウイング2人を軸にし、それにより出来たスペースへサイドバックの福田・三竿が跳梁と、千葉のようなJ2クラブにとって垂涎の的といった攻撃を繰り広げる京都。
それに対し見てるだけ……では無く、必死に凌ぐだけとなっていた千葉。
実に26分以来の好機(高木が右サイドを突破しグラウンダーでクロス)が訪れたのがアディショナルタイムと、すっかり専守ぶりを定着させられ。
ここも高木が右サイドを突破したのちカットイン、中央近くまで流れてミドルシュートを放つと、GKクソンユンが何とかCKへ逃れるセーブで防ぎ。
唯一躍動するのが高木のみといった前半の内容で、1点差で凌いだのは暁光という展開だったでしょうか。

1-0のまま前半が終了するも、京都最後の好機で、エリア内へ走り込む豊川に対して蓋をしたメンデスが足を痛めてしまい。
これにより交代を余儀なくされ、同ポジションで松田陸を起用し後半に臨んだ千葉。

後半も、頭から最終ラインから組み立てる姿勢を取り。
開始直後の後半1分に、GK藤田が左への低いフィード(というよりは縦パス)でプレスをいなしたのち前進。
ここも矢口のスルーパス一本という強引な前進しかできずでしたが、走り込む椿の前でクリアされたボールが逆に流れた事でCKに。
これが唯一の千葉のCKと、押し込む事も押し込まれる事の改善も出来ず。

このGK藤田からの組み立てで流れを作れればまだ良かったですが、逆の結果を生み出してしまい。
即ち4分、京都がその藤田のフィードをカットし、保持を選択して最終ラインに戻してからの攻撃。
センターバックのオリヴェイラから縦に速い運びを開始し、縦パスを受けた川崎がエリア内へスルーパスにより、完全に裏を取ったトゥーリオ。
前に出たGK藤田を嘲笑うかのように、ループシュートでゴールを奪います。
力の差が如実に示される、追加点が後半早々に生まれました。

反撃に出たい千葉の気勢を逸らすように、直後の6分にも決定機を作る京都、ロングパスをフリックしたトゥーリオが自ら走り込んで右奥で拾い直し。
戻しを経て川﨑がパス&ゴーで右ポケットへ走り込み、コスタのスルーパスからシュート(GK藤田セーブ)と、やりたい放題の様相も表れ始めます。

こうなっては、千葉はポゼッション云々では無くまずペースを掴む事から始めなければならず。
量産されるCKを含め、再三京都の攻めを受けたのちの10分、久保庭のロングパスの跳ね返りを拾ってからの攻撃。
そのまま椿がドリブルで左サイドを抉る絵図に持ち込み、左ポケットから低く鋭いクロスが入りましたが、GKクソンユンが足を延ばしてこれを遮断。
たまに訪れる良い形でもフィニッシュは生まれず……というよりは決定的に数が足りない好機。

結局12分に京都にカウンターを浴びた(米本が持ち運び、金子の左からのクロスをトゥーリオが収めるも撃てず)事で、にわかに流れた好循環も無に帰す結果に。
そして追い撃ちを掛けるように14分京都ベンチが動き、ポイントゲッターのラファエル・エリアスを投入します。(豊川と交代、同時にコスタ→原へと交代)
7試合で7ゴールというJ1での成績を誇る彼を盾にされる事で、ますます反撃どころでは無くなる千葉。

投入されて早速の16分、エリアスが山越のディフェンスを受けながらも強引に中央を突破した末にエリア内からシュート。
GK藤田が足で何とかセーブし、上空へこぼれた球をバイシクルにいった原がオフサイドを取られる事で何とか防がれ。
千葉がホッとしたのも束の間の17分、トゥーリオが右奥を取ってのキープから、戻したのち(米本の)ポケットへのスルーパスに走り込んでマイナスのクロス。
ニアで合わせたエリアス、このシュートをまたもGK藤田が足でセーブし、跳ね返りに詰めたエリアスは合わせきれずと大忙しの藤田。
早々に力の差を見せ付けたエリアス、20分にも自らのポストプレイからの前進で、トゥーリオのラストパスをエリア内で受ける状況に。
ディフェンスに遭い縺れるも、そのまま倒れながらシュートに持っていく(枠外)という具合に、体勢を崩しても尚止めるのは困難といった千葉ディフェンス。

こうして京都が誇るゴールゲッターに掻き回され続けた末に、飲水タイムが挟まれ(23分)第4クォーターを迎えた千葉。
明ける際に久保庭→岡庭へ交代と、リーグ戦の主力の投入(といっても半レギュラーですが)で何とか反転の切欠を掴まんとします。

しかしそれもままならず、29分に京都のFKとなった所で、京都ベンチは米本→平戸へと交代。
そしてこのFKを投入された平戸が蹴り(右ワイドからクロス)、エリアスがヘディングシュートを放つもGK藤田がセーブと、依然として同じ流れを保ち。

その後千葉が反撃に転じ、何度かポケットを突く状況にまで持ち込むも、流れを変えるフィニッシュは放てず。
その最中に矢口・ドゥドゥ→新明・林へ2枚替え(34分、岡庭が左SBへ回る)と、いかにドゥドゥを以てしても……といった展開を強いられた格好に。(単にドゥドゥに風間のようなセカンドトップの役割を求めた結果ともいう)

何とか1点を……といったその千葉の姿勢も、崩された時は脆かった。
40分、中盤で中盤3人のパスワークから川﨑が突如として左奥へロングパスを送ると、走り込んで折り返したのは三竿。
これを左ポケットで受けた平戸がシュートを放つと、角度が小さい所ながらもゴール上へと決めきり。
これで3点目と、勝負を決定付けるに至ります。
なお、防ぎに戻った高木が足を攣らせてしまった事で、千葉はキックオフ前に彼に代えて田中を投入。(準備自体は失点前に行っていたが)

放送席(NHKBS)ではJ2屈指の得点力と持ち上げられていた千葉ですが、その実態は1試合に8得点・7得点といった、悪く言えば馬鹿試合により水増しされたものであり。
やはり最近好調の上位カテゴリの相手とぶつかれば、上回るのは至難の業であり。
そして追い詰められ方も、自身がやった大量得点という試合では無く、力の差を見せ付けられながら徐々に……といったこの試合の方が傍らから観ていてダメージは大きそうに思えました。
(但し完全ターンオーバーですが)

3点差もあり、一層保持の姿勢を強める京都により、結局その後も殆ど攻撃機会を掴めない千葉。
京都は試合を支配しつつ交代カードを使う、盤石の流れを貫きます。
43分に三竿・トゥーリオ→佐藤・福岡へと2枚替え、アンカーに入った福岡により川﨑が右WGに回り。

アディショナルタイム突入後も、敵陣で冴え渡る京都のパスワーク。
サイドを移しながら繋いでいき、最後は福岡のミドルシュートで締める(GK藤田)という具合に、フィニッシュで終える事でカウンターも許さず。

そして3-0のまま試合終了と、まさに横綱相撲で勝ち進みを果たした京都。
この優位性は今後失われかねないものの、目下絶好調なチーム状態故にこのまま制覇まで昇り詰めたい所でしょう。

サッカーランキング にほんブログ村 サッカーブログへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2024年J2リーグ第3... | トップ | DAZN観戦 2024年J2リーグ第3... »

コメントを投稿