ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 横浜FCvs清水エスパルス

2024-05-20 16:00:54 | サッカー視聴記(J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(11節・長崎戦、1-0)
※前回の清水の記事はこちら(12節・岡山戦、1-0)

<横浜FCスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 宮田がJ3・鳥取へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • ユース所属のGK大亀が2種登録選手となり、今節から登録される。

<清水スタメン>

  • 元松本監督の反町康治氏がゼネラルマネージャーに就任。
  • 11節(仙台戦、3-2)で負傷した蓮川の詳細が発表され、全治8週間との事。
  • 乾が負傷離脱から6試合ぶりに復帰しベンチ入り。

連勝を7にまで伸ばしている首位・清水。
「未だ(J2内では)巨大戦力を要しているのだから当然の事」という反論は有れど、その実力通りに成績を残す事の難しさは、前年のシーズンを通して実感済みでもあり屁でも無い事でしょう。

1点勝負の連続の末に4連勝を果たした岡山戦以降は、揺り戻しが効くかのように3戦で10得点。
いずれも下位クラブが相手とはいえ、その力量差通りに押し切る事の難しさ……とまたループしそうなので止めておきます。
ともかく、この連勝街道が止まるのは何時かという所で、迎えた横浜FCとの上位対決。

素早い寄せが織り成す、狭い局面でのボール争いが続く入りとなり、最初の好機は前半4分という遅さに。
そしてそれは清水で、住吉低い弾道でロングパス→矢島足下で浮かせるフリックで敵陣に運んだのちも、横浜FCのタイトな寄せの前にサイドを変えるの連続。
それでもブラガのカットイン→左への展開を経て山原のクロスに持ち込み、ファーでの宮本の胸での落としをカルリーニョスが拾うというボックス内での攻防に入りましたが、結局はディフェンスの前に撃てず。

流石にリーグ最少失点の横浜FCだけに簡単にはやらせてもらえない……というシーン。
しかしここから、過去3試合とは打って変わって清水の攻撃力の脅威は急速に萎んでいく事となります。

5分の横浜FCの攻撃、最終ラインから左へと展開して前進という、典型的な地上でのビルドアップ。
しかし福森がボランチの位置を取り、ワイドから中野スルーパス→小川キープで溜めてポケットへスルーパス→中野と運んでいく際に、ワイド奥へ走り込んでいく福森。
まずはこの可変を印象に残した横浜FCですが、この攻撃でコーナーキックを得た結果、例によってキッカーを務める福森によりその存在は希薄となり。

その後、清水が中盤で相変わらずユーリを中心とした横浜FCの寄せにによりビルドアップに難儀する間に、横浜FCが攻撃を構築していく流れに突入。
言葉では説明し辛いものの、左サイドではワイドに張りっぱなしの選手を一人作り、かつ前述のシーンみたくそこを流動的にするといった立ち回りでしょうか。
10分に右から攻めた際には、ドリブルで敵陣に運んだカプリーニが切り返しからその左ワイド奥へ一気にロングパス、受けたのは中野。(その後ポケットから中央への戻しを経てユーリがミドルシュート、枠外)
その後も高橋利が裏へのミドルパスを受けたり、小川が張り出して溜めを作ったりと、左サイド奥の流動性が目立ち。
その結果CKを量産→福森の悪魔の左足という、ストロングポイントの発揮に繋がる事となります。

14分の右CK、福森ニアにクロス→高橋利フリックという定型から、ファーに浮いた所をガブリエウがヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
16分にはカプリーニが宮本に反則を受け、中盤近く(右ハーフレーン)からのフリーキックでしたが、放り込みを選択。
エリア内中央へ入れられたボールにユーリが脚から跳び込み、クリアされるもガブリエウがダイレクトでシュート(高橋祐がブロック)と、相変わらず羨ましくなる程の精度を誇るその左足。
しかしその感情に浸る暇も無くさらに右CKで継続すると、今度はショートコーナーを経て戻しからクロスという変化を付けた福森。
誰も触れずにファーでバウンドした所を、大外でまたもガブリエウがヘディングで合わせると、3度目の正直でゴールネットに突き刺さります。
セットプレーによる得点ながら、その機会の量産も見逃せないという攻撃により先制した横浜FC。

キックオフから再開した清水は、直後に横浜FC同様のセットプレー攻勢(FK→CK×2)に持ち込んだもののゴールは奪えず。
流れでの攻撃の拙さが浮き彫りになるのは不可避、という所で早くも動きます。
といっても交代では無く、これまで散々使用して来た3-4-2-1への布陣変更。
原が右センターバック化して、矢島が右へと移りウイングバックにシフト。
北川の1トップでカルリーニョス・ブラガの2シャドーというポジションチェンジが為されました。(23分頃)

これによりミラーマッチとなり、清水の攻撃に狙いが一つ加わり。
それは果敢に寄せてくるユーリの裏を使うという事で、最終ライン→宮本へのパス出しの際に喰い付いて来る事が目立つユーリ。
その狙いは概ね当たり、38分にはその状況から宮本の縦パスを受けたカルリーニョスが溜めを作ったのちスルーパス。
これでブラガが最終ライン裏を取るという好機になるも、中野のカバーにより受けられず終わります。

それでも攻撃機会の増加に繋がらず。
というのも、守備面では横浜FCのロングボール攻勢を食い止める事が出来ず、押し込まれてセットプレーという流れが続いたため。
相変わらず誰かが張っている左ワイドで奥を突く事が多いですが、逆の右でもカプリーニの仕掛けが目立つので、清水ディフェンスはどちらかを重視する訳にもいかず。
それにより、これまではアーリークロスしかしないという(自分の)イメージが強かった山根も、右奥まで進入してクロスを上げる(34分、中野がファーで折り返すも繋がらず)など一変させるに至ります。
一方で清水のロングパスによる攻撃は実にならず、セカンドボールも拾えないという格差も表れ。
地上での繋ぎには光明が見えたものの、相変わらず横浜FCの寄せ自体は健在なのでその狙いを遂行する機会自体が少なく。

かくして、スコアが動いたのちの清水の攻撃機会15度に対し、横浜FCは17度と上回られ。
反撃したい清水の気勢が削がれたという形で、前半が終了します。

ともに交代は行われなかったハーフタイムを経て、始まった後半。
清水はキックオフでいきなり仕掛け、左へ展開ののち山原がスルーパス、これを上がっていた北川がエリア内で受けた事でCKに繋がります。
続く2分には、自身のゴールキックからも短く繋いで左サイドから前進、中村亮の裏へのミドルパスに山原が走り込み。
遮断されたものの、拾い直した山原がそのまま遠目からシュート。(GK市川キャッチ)

何とか地上から攻めきりたいという思惑が出たかと思えば、4分には矢島が右→中央へとロングパス、このセカンドボールを北川が拾っての攻撃。
北川→カルリーニョスのスルーパスはカットされるも、こぼれを拾った宮本がミドルシュートを放ち、ブロックに遭うも右CKに。
そしてキッカー矢島ファーにクロス→中村亮折り返しという流れを経て、クリアされたボールを中村亮が反応してシュート。
しかしこのシュートはガブリエウが頭部でブロックと決死の守備(実際その後暫く倒れ込んだガブリエウ)に阻まれ、多種多様な手法による攻勢も実りません。
尚も続いたCKから、カルリーニョスのヘディングシュートが放たれましたがGK市川がファインセーブ、その後の高橋祐→北川への折り返しも不発とまたも寸での所で防がれ。

この時間帯は、横浜FCサイドはユーリの喰い付きが自重気味になり。
最終ライン→宮本にパスが出ても、前に出ず構える事が目立ちます。
この姿勢が押され気味な展開を招いたとも言えますが、8分にはカウンター気味にユーリが持ち運び、エリア内へとラストパス。
そしてカプリーニがシュート(住吉がブロック)と、一発の脅威を見せる事で対抗姿勢。

立ち上がりの攻勢でいけると踏んだか、9分と早めに乾の投入に踏みきった清水・秋葉忠宏監督。
カルリーニョスと交代してシャドーに入り、同時に矢島→北爪へ交代と2枚替えで勝負を掛けに来ます。

以降、原が最前線まで上がり攻撃参加するなど、3バック時に見られる清水攻勢の証が示され。
乾は14分にGK市川にまでプレッシャーを掛け、フィードを蹴らせた所を回収に成功するなど、この流れは何時までも続くかと思われました。

しかし、乾投入によるもう一つの側面が不利に働いてしまい。
持ち味である、降りてビルドアップの出口として働かんとする乾ですが、それにより再度ユーリが前に出て規制を掛けにいく姿勢を誘発させ。
中心の乾に対し激しいデュエルを仕掛けるというのは、前年から全クラブの共通的事項となっている感があり、ユーリもそれに倣って乾にスペースを与えない立ち回りを徹底。
前半と違いこの喰い付きを有効利用する余裕も無く、再び勢いが削がれる結果となり。

かくして15分以降、攻撃機会を独占するに至った横浜FC。
17分ガブリエウが前に出て敵陣でボールカット、そのままエリア内へラストパスを送ると、右ポケットで受けたカプリーニがカットインシュート。(GK権田キャッチ)
20分には中盤で清水の攻撃を止め、こぼれ球を拾った福森が一気にエリア内へとロングパス、収めたカプリーニが右ポケット奥からクロス。
これがゴールへ向かう軌道となり上部に逸れるという際どいものとなるなど、同点としたい清水のベクトルの逆を突いた末に、カプリーニという鋭い矛を存分に活かす攻め。

ペースを失ってしまった清水は、巻き返さんと20分にブラガ→松崎へと交代。
それでもスペースを与えてくれない横浜FCの前に、生きる機会は少なく。
23分に横浜FCのクリアボールを北川が跳ね返し、それを拾った北爪が右奥へ持ち運ぶ(その後クロスもブロックされる)というような、巧い具合にトランジション際を突ければ良かったでしょうが……。

一方の横浜FCベンチ、最初の動きは28分(小川・高橋利→伊藤・櫻川)と、清水の動きを見てからというアドバンテージを存分に活かすような立ち回り。
そんな相手に対し焦りを増幅させる清水、29分の横浜FCのCKでの競り合いで、ガブリエウと北川が交錯した末にヒートアップ。
前半から激しいデュエルを強いられてきた試合だけにある意味当然ながら、余計な要素は加えたくない状況であり。

30分に清水が最後の交代、原・宮本→西澤・タンキへと2枚替え。
ボランチ片方を退かせてどうなるかと思われた布陣は、乾がボランチになり、北川・タンキが2トップという4-4-2へと戻す選択が取られました。
以降、投入されたタンキをサイド奥へ走らせての攻めが目立ちましたが、クロス精度の無い(この日見た限り)タンキがクロスを入れるという状況に持ち込んでも怖さは無く。

攻撃力を発揮出来ないという展開に苛立ちも募ったでしょうか。
34分に松崎が右奥へ持ち運んでカットインと、持ち味を発揮するもディフェンスに遭いこぼれ。
拾った西澤がユーリと縺れ、清水の反則が取られたという所でアウェイ側ゴール裏は判定に対するブーイング一色となり。
その際に足を攣らせて倒れた福森、交代に則しての遅延行為を取られたか(詳細は不明なので推測、なお放送内では井上への警告との事だが公式記録では福森)警告を受けるという一幕がありましたが、それでも気丈に時間を使いながら退く福森に対してもブーイングを浴びせ。
そしてこれに併せ、横浜FCは残りの3枚のカードを一気に使う采配を敢行しました。(福森・井上・中野→岩武・和田・中村拓)

交代により、ガブリエウが左CBへ・山根が左WBへ移るポジションチェンジが行われましたが、後は逃げきるのみという横浜FC。
清水にとって救いは、横浜FCが未だに前線でプレッシャーを掛ける姿勢をある程度保っている事で、それを突きたい状況に。
42分に自陣で反則を受けると素早くリスタートし、乾が一気に最終ライン裏へロングパスを送り、タンキが走り込んだもののガブリエウのカバーで防がれ。

ユーリ・ガブリエウの守備力は最後まで健在といった横浜FCですが、最終盤の45分にとうとう、松崎の右奥への仕掛けに対しガブリエウが倒してしまい反則。
これでガブリエウが警告を受けるとともに、奥からのFKという好機を得た清水。
それでもここからのクロス攻勢ではやらせず、後はアディショナルタイムを凌ぐだけとなります。

しかしカウンターで前線へ運んだ事で、横浜FCが敵陣でサッカーを展開するというものになった最後の局面。
左CKへと持ち込んでの時間稼ぎで、何とか脱出せんとした清水のミドルパスをガブリエウが跳ね返して尚も継続させ。

そしてAT+6分でした。
伊藤が溜めを作り、和田とのパス交換を経てドリブルに入った末にスルーパスを右ワイドの中村拓に通し。
そして奥で溜めたのちに上げられたクロス、櫻川が合わせたボールが真下に落ちると、詰めた伊藤がゴールネットを揺らす事に成功。
起点とフィニッシュ両方を務めた伊藤により、勝利を確定させる追加点が齎されました。

その後清水は、キックオフからの攻撃を何とか北川のシュートに繋げたものの、ゴールを奪う事が出来ず。(岩武がブロック)
2-0で試合終了の時を迎え、横浜FCが見事に清水の連勝ストップを果たしました。

敗れた清水、ここに来て前年終盤のような症状の負け方が気掛かりな所であり。
組織力で上回られ、球際の攻防・ビルドアップが機能しないという、前年最終戦の水戸戦を思い起こすような内容。(あの試合は引き分けという結果でしたが)
弱点をさらけ出した事により、今後下位クラブからの取りこぼしも懸念されるでしょうが、払拭し首位を保つ事が出来るか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2024年J1リーグ第1... | トップ | DAZN観戦 2024年J3リーグ第1... »

コメントを投稿