※前回の甲府の記事はこちら(27節・清水戦、0-3)
※前回の鹿児島の記事はこちら(23節・山口戦、0-1)
<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン
- アダイウトンは(27節での退場による)2試合出場停止中の2試合目。
- 天皇杯ラウンド16(鹿島戦、1-2)での退場による前節(栃木戦、2-1)出場停止のマクーラは引き続きベンチ外。
- 今津がJ1・鳥栖へ完全移籍となり、前節をもって登録抹消。
- 負傷離脱していた三平が天皇杯ラウンド16で復帰し、今節スタメンに復帰。
- 特別指定の一瀬が前節初出場を果たし、今節も引き続きベンチ入り。
<鹿児島スタメン>
- 前節(清水戦、0-1)は4-2-3-1で、今節は藤本を起用した事で2トップの4-4-2へ便宜上シフト。
- 稲葉がJ1・町田からレンタルで加入し、25節(藤枝戦、2-3)から登録され即スタメン出場。
- 永井がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、25節から登録され27節(仙台戦、0-1)で途中出場、今節初のスタメンに。
- 有田稜が山形からレンタルで加入し、25節から登録され即途中出場、26節(秋田戦、0-2)からスタメンに定着。
- 沼田がJ1・町田からレンタルで加入し、25節から登録され即スタメン出場。
- 河野が岡山からレンタルで加入し、25節から登録されて26節でスタメン出場。
- 小島がJ3・FC大阪へレンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
- 西堂がJ3・岐阜へレンタル先変更の形で移籍となり(レンタル元は千葉)、26節をもって登録抹消。
- 河辺がJ3・岩手へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
- 米澤の負傷が発表され、6/23に発生して全治約3ヶ月との事。
- 22節(千葉戦、1-2)で負傷した福田の詳細が発表され、全治約3ヶ月との事。
- 川島(関西大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり24節(群馬戦、1-1)から登録される。
俗に言う「監督交代ブースト」が途切れ、自力での持ち上がりが残留のために不可欠となった鹿児島。
しかし21節での勝利(大分戦、3-0)以降は、接戦には持ち込めているもののそれだけという感じであり。
昇格クラブ故の力の差は歴然、と言いたくなるものの、中断期間で大量補強を敢行しても尚結果が出ていないのが辛い状況です。
この日は移籍後初スタメンの永井・監督交代後初スタメンの星を筆頭に、大きく動いた布陣となって望み。
甲府キックオフで幕開けとなったこの試合。
初手で荒木のロングパスが流れた所を拾い、右サイド奥に持ち込んでスローイン。
いきなり敵陣深めを取った甲府でしたが、ここから最終ラインへと戻して作り直しを選択と、保持を重視してリスクを掛けない立ち回りを見せます。
それに対する鹿児島は、前半3分甲府が長らくポゼッションを続けた末に左サイドから前進し荒木のクロス。
ファーに上がったボールに合わせる選手は誰も居ない状況ながら、ラインアウトを選択してコーナーキックと、セーフティに立ち回り。
こちらもリスクを掛けずと、従来同様に接戦に持ち込んでどうにかするという思惑を貫く姿勢。
しかしそんな鹿児島にアクシデントが襲い、7分に甲府最終ラインにプレッシャーを掛けた永井が足を痛める事態が発生。
相当辛そうで、1分程掛けて起き上がりピッチ外→復帰を果たすも、その直後に再度倒れ込んでしまい続行不能に陥ります。
初スタメンとなったものの、殆ど良い所を見せれぬまま交代の憂き目に遭い。(沼田を投入、11分)
相手の予想外の動きにも動ぜず、以降もボール保持を重視する甲府。
システム的には、天皇杯で得点を挙げた三沢が久々のリーグ戦でスタメン出場となり。
それ故に天皇杯で見せた、彼が右ワイドに開いて受ける事によるサイドアタックを中心とするかと思われましたが、この日はうって変わって中央に張り気味の三沢。
そして飯田が上がって来るというスタンダードな攻撃方法となっていました。
左の荒木も駆使しつつ両サイドのバランスを取り、ボール保持に勤しむスタイルに。
その甲府に対し振られずに良く守る鹿児島ですが、同時にキックオフから全く攻撃機会を得れずと、守備に全振りしているかのような状態に。
焦りが生まれるリスクを抱えるのは当然で、17分に最終ラインでのパスワークでプレッシングをいなし、荒木のミドルパスが三平に渡るという疑似カウンター的にビルドアップを果たす甲府。
これに広瀬が中途半端に喰い付いてしまった結果、左ワイドでの木村のドリブルに後追いを強いられた末に反則で止める事となり。
早く攻めたいというジレンマが顔を出してのこのフリーキックから、キッカー荒木のクロスを三平が合わせるも枠には飛ばず。
直後の18分、ゴールキックのロングフィード→ターゲットの有田稜を越えるというやや偶発的な流れからコーナーキックに持ち込んで、初の攻撃機会となった鹿児島。
しかしこの場面で、クロスを合わせにいった有田稜とクリアしたヘナトが頭部同士激突。(有田稜の反則)
有田稜のダメージの方が大きく、またもアクシデントの危機を招きかねないシーンに繋がるのみに終わります。(両者とも無事でピッチ外→復帰)
こうしたブツ切りで、リズムを得る機会すら生まれない鹿児島。
すると23分の甲府の攻撃、GK渋谷の鳥海を狙ったロングフィードから、セカンドボールを確保して繋ぎに入り。
ボランチの左への展開を経て荒木のクロスがファーに上がると、またもセーフティにクリアを選択した鹿児島ディフェンス。
ここもファーに走り込む甲府選手は不在ながら、外山は外に出すべくヘッドしたものの、これが枠内に跳んでしまう事態となり。
綺麗なヘディングシュートという絵図のオウンゴールで、甲府にリードが転がり込みました。
リスクの掛けなさが仇になるという、前半戦とは真逆の立ち回りによりリードを許す事となった鹿児島。
27分に甲府は再び、セットプレー(右CK)から三平のヘディングシュートが生まれるもGK泉森がキャッチ。
このままの立ち回りを続ければ敗戦は必至な状況で、主体的な攻撃に舵を切る事に。
河野が前節から一列上がった右サイドの布陣を利用し、彼を追い抜くようにその内側で星が上がるというシステムが基本となり。
絵図的には、あくまで右サイドバックとして振る舞う河野というイメージの可変を軸に、ボール保持の流れを作り上げます。
しかしフィニッシュには繋げられずと結果が出ないまま、相変わらず甲府のボール保持の方が目立つ展開に。
ビハインドのため鹿児島もプレッシングの意思を強めるものの、復帰後高パフォーマンスを保つヘナトの存在感(39分には飯田のバックパスから、ワントラップで有田稜のプレッシャーを剥がす)もあり、思うように攻勢に持ち込めません。
そんな中で40分、甲府陣内で激しいデュエルにより奪い合いが発生し、飯田に対し反則気味にボール奪取した藤本。
しかしすかさず鳥海のプレスバックを受け、こちらも反則スレスレでボールを奪うと甲府が攻撃権を確保(そのままドリブルで持ち込みエリア内へラストパス→荒木シュートもブロック)と、フィジカルを生かす面でも優位ぶりを見せ付けるに至り。
最終盤となり、依然として甲府は45分にポゼッションから、ヘナト→三沢の縦パスで前進体勢に入った末に木村がペナルティアークからシュート(GK泉森キャッチ)とその優位性を保ち。
そのままアディショナルタイムに突入すると、またも保持に入った甲府ですが、GK渋谷へ戻した所に有田稜がプレッシャーを掛けてそのフィードをブロック。
拾い直しを経てエリア内で溜めた末にヒールパスを送ると、走り込んだ藤本がシュートを放つ決定機に繋がります。
しかし右ゴールポストを直撃、詰めにいった有田稜もミート出来ずと、最後の運に恵まれずに同点ならず。
これで流れが巡って来たか、アクシデントで長くなったATも最終盤、右サイドからの前進を経て河野のアーリークロスが逆サイドへ流れ。
拾った外山がポケットへ切り込み、そのままシュート気味に送ったクロスがファーサイドを襲います。
しかしまたも右ポストを叩き、跳ね返りを藤本がシュートしたものの、反応が遅れたかボール下を叩いてふかしてしまい再度決定機逸の形に。
そのまま前半終了を迎えました。
そして(ハーフタイムでの交代は無く)始まった後半戦。
前半終盤の運気を何とかモノにしたい鹿児島は、そのファーストチャンス。
後方での繋ぎを経て広瀬縦パス→藤本スルーで有田稜に渡ると、そのまま右ポケット奥へ切り込んでマイナスのクロス。
合わせにいったのはまたも藤本と三度の決定機になりましたが、手前で佐藤を掠めた結果これもジャストミート出来ず逃してしまいます。
結局この流れで決められなかったのが響く格好に。
以降も鹿児島は、自陣を固める甲府に対しボールを握るものの、サイドからクロスに繋げるのが精一杯という攻撃。
星の可変などリスクも辞せずというスタイルも交えた結果、カウンターの危機も高まります。
5分には右から河野が、クロスでは無くエリア手前へ横パス風の縦パスを選択するも、中原の手前でカットされて甲府がカウンター。
鳥海が左から対角線に向かうドリブルで持ち運び、遅らされたものの受け直した鳥海は再度ドリブルを選択して右ポケットへ。
対する鹿児島は藤本が戻った末のディフェンスで何とか防ぐ(交錯して鳥海の反則に)という具合に、激しい上下動を強いられ。
そしてボール保持の面でも崩しには至らず、結局後方からのロングボールで沼田を走らせる事でしか好機に持ち込めない流れとなり。
12分にはGK泉森からのロングフィードで、直接エリア内左に送られたボールに沼田が走り込んでシュート(枠外)という、アバウトな攻めに。
これを境に、再度甲府へと攻撃権が移り変わり。
しかもその中身が、鹿児島の縦パス・ロングパスを悉くカットしてからの好機と、鹿児島の希望を打ち砕くには十二分な振る舞いでした。
14分に最後方のロングパスをカットした佐藤から、木村が鳥海とのワンツーで中央を突破した末にエリア内からダイレクトでシュート。(GK泉森キャッチ)
15分にスルーパスをカットした飯田から自陣で攻撃開始、鳥海がドリブルで持ち込んだ所を、反則で止めた広瀬が警告を受け。
手詰まり感が膨らむ鹿児島は、18分にベンチが動き中原・藤本→藤村・鈴木へと2枚替えを敢行。
中断期間後レギュラー陥落となっていた藤村に、局面を変える働きを託す形となります。
以降藤村は、サイドに開いてのパスワークを積極的に行い、そこから時には自身で持ち運んでエリア内を突かんとするも大きな成果は挙げられず。
24分に右スローインからの繋ぎで、細かなパスワークを経て右ポケットへ進入した藤村、グラウンダーのクロスを入れるも有田稜はシュートに繋げられずと甲府の堅さの前に屈する事となり。
逆にロングパス・ミドルパスを混ぜながら、ボールポゼッションを守備的に、つまり時間経過と相手の攻撃機会の減少に使い始める甲府。
26分に三平→ウタカへ交代し、前線のキープ力を高める事でそれを補強しに掛かり。
28分にはウタカのボールキープで戸根の反則を誘うと、中盤というFKの位置で放り込みの体勢から、キッカー佐藤はウタカに縦パスと裏を掻き。
戻しを経て再度保持に入るという具合に、相手の火力不足をとことん突く立ち回り。
そして隙あらば追加点を、という振る舞いで、30分にはCKからの二次攻撃でも長らくポゼッション。
飯田が右ポケット奥へ切り込んでクロスを上げると、流れた所再度上げられたクロスを(ウタカのフリック気味の合わせを経て)その飯田が合わせて締めるも、右ゴールポスト外側に当たって惜しくも決められず。
1点差ながら、厳しいのは一目瞭然な鹿児島。
34分に最後の交代、星・沼田→野嶽・有田光へと2枚替えを敢行します。
同時に甲府も、鳥海→宮崎へと交代。
直後の35分に右スローインから、有田光⇔有田稜のパス交換を繰り返して右ポケットを突く好機になるも、有田稜が荒木に蓋をされて結局撃てず。
甲府も39分に交代枠を使いきり、飯田・木村→関口・中山へと2枚替え。
鹿児島がポゼッションを展開する事で、自陣に引き籠りを余儀なくされながらも、中央を固める事でフィニッシュに持ち込ませない対応が光ります。
41分、鹿児島は敵陣で山口がボール奪取した事でショートカウンターとなり、有田稜が中央からミドルシュートを放ち。
毛色の違う流れから生まれたフィニッシュでしたが、林田がブロックして甲府のカウンターになるという具合に結果は非情なものに。(その後宮崎のドリブルが防がれる)
結局ボール保持の時間を増やすも、決定機を作れないままATへ突入。
クロスを上げれば跳ね返され、狭い局面を突破しようとするもフィニッシュに繋げられないという悪循環は最後まで打開できず。
外山が左からアーリークロスを入れ、有田稜のフリックでエリア内へ浮き上がるも、これもオフサイドにより実らず。
その後後方でミスが生まれ、サイドチェンジを野嶽がトラップミスした所を突かれ甲府がショートカウンター。
宮崎が左からカットインシュートを放つも、大きく枠を外して命拾いとなり。
甲府も当初からボール保持の意識を貫いていたためか、フィニッシュワークの面では見映えしない試合となりましたが、残り10試合という状況故に内容云々は言っていられず。
結局1-0のまま試合が終わり、逃げきって勝ち点3を上げた甲府。
中断明けで4勝目となった一方で鹿児島は未勝利続きと、明暗分かれた状況をさらに強める一戦となりました。
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