ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第25節 徳島ヴォルティスvs愛媛FC

2020-10-12 08:02:56 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(22節・松本戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(23節・岡山戦)

再度5連戦が幕を開け、その初戦に組まれた四国ダービー。

立ち上がり、最初に攻撃を仕掛けたのは徳島で、前半2分杉森がドリブルシュート。(GK岡本キャッチ)
挨拶代わりと言わんばかりにファーストシュートを放つと、次なる攻撃はカウンター。
5分、愛媛のフリーキックからのクリアボールを繋ぎ、小西が右サイドをドリブルしてからエリア内へスルーパス。
垣田が走り込むもGK岡本が抑えて何とか凌ぐ愛媛。

愛媛の攻撃はというと、ポゼッションサッカーを基調とし、その中で長いパスも交えてチャンスを作るスタイル。
しかしこの日は徳島の前に、パスワークでの攻撃はあまり冴えず、せいぜいサイドからクロスが上がるぐらい。
追い風を利用したロングボールでの打開も今一つで、まるでシュートを撃てない展開となってしまいます。

反対に徳島は、立ち上がりに持ち味とは一線を成す攻撃を見せた後は、いつものパスワークからの攻撃を悠々と見せ付けていきます。
12分には小西の右→左へのサイドチェンジからジエゴ→西谷と渡り、西谷がカットインを仕掛けてエリア手前左からシュート。(GK岡本キャッチ)
23分には渡井が杉森とワンツーで前進した後エリア内へスルーパス、垣田が走り込んで合わせますがゴール左へ外れ、という具合にシュート数を重ねていきます。

過去との決別。
現在首位の徳島は、目下8戦無敗(5勝3分)と順位を裏付ける勝敗を刻んでいます。
しかしスコア上では楽勝のものは一つも無く、2点差以上での勝利は一度だけ(17節・群馬戦)。
ロースコアによる負けないサッカーという、攻撃的なサッカーとは懸け離れたスコアを描いています。

前回の四国ダービーは2節で、そこで徳島は3-0とリードしながら、後半に一挙4点を奪われての大逆転負けを喫したのは記憶に新しい所。
しかし既に「派手にドンパチとやる」当時の状況から決別し、確実に勝ち点を稼いでいくスタイルを確立しつつあります。
基調であるポゼッションサッカーも、パスワークは最後方でキープを重視したものから、突如ギアを変えてのスピード溢れる攻撃を仕掛けるシーンも多々。
「勝つための自身のスタイル」を洗練させるその姿は、並のクラブでは太刀打ちできないものがあります。

飲水タイムを経ても全体の大まかな流れにあまり変化は無く。
シュートを放てずにいた愛媛、29分にFKから、こぼれ球を小暮が遠目から放ち(枠外)やっと初シュート。
しかし依然として展開は変わらず、それどころか30分過ぎからは徳島のプレスにも嵌りがちとなり、チャンスすら作れない状況へと陥ります。

この時間帯をモノにしたい徳島は38分。
自陣左コーナー付近という深い位置からパスワークで前進し、内田の右サイドのドリブルも交え、渡井が奥まで進入してグラウンダーでクロス。
垣田がニアサイドで合わせるもこぼれ球となり、エリア内左でジエゴが拾うとシュート気味に再度クロス。
これにも垣田がファーサイドで合わせ、今度はシュートとなってゴールに突き刺さり。
しっかりと自分達の時間でスコアを動かす事に成功しました。

その直後に愛媛は立て続けにシュートを2本浴びせるも(川村シュート→ブロックされたのち忽那シュートも枠外)、流れを変える事は出来ず。
41分には徳島が長いパスワークを経て、岩尾縦パス→垣田ポストプレイから好機、西谷が岩尾とのパス交換でエリア内に進入してシュート。(ゴール右へ外れる)
反対に愛媛は、アディショナルタイムでようやくパスワークが冴え始めるも、コーナーキックを得たのみでフィニッシュに持ち込めず。
パスワークからの攻撃という点でも差を見せ付けた徳島、リードを保って前半を終えます。

ハーフタイムでの選手交代は無く後半を迎えましたが、苦境を打開したい愛媛に動きが。
この日は4-4-2でスタートし、長沼を左サイドハーフに据えて、ビルドアップの際は最終ラインを3枚にする(山﨑・森谷・茂木)スタイルで挑んでいた前半。
しかし後半が始まると、基本フォーメーションである3-4-2-1へとシフト。
相手の徳島は非常に読みにくいフォーメーション(この日は4-2-3-1に見えた)で、中々嵌める事が出来ず流れを引き戻せなかったという判断でしょうか。

立ち上がりこそ何度かパスワークでアタッキングサードまで進むも、やはりシュートまではいけない愛媛。
そうこうしている内に後半7分徳島に決定機、右サイドで攻撃を作ったのち、渡井のエリア内右へのスルーパスに西谷が走り込んでクロス。
杉森がドンピシャでヘディングシュートを放ち、ゴールバーを直撃したのち愛媛・茂木に当たってゴールへ向かうもGK岡本が間一髪で掻き出し。
こぼれ球をジエゴがヘディングで詰めるもブロックされ、辛うじて追加点にはならず。

自身の得意な形でも有利にならない愛媛、川井健太監督も動きを見せ4枚替えの準備を採ります。
しかし交代を目前に控えた12分、徳島のCK。
キッカー岩尾はニアサイド・ゴール近めへとクロスを入れると、ストーン役の愛媛・藤本のクリアが擦らす形となってしまい、そのままゴールイン。
手痛いオウンゴールとなってしまい、徳島のリードが広がります。
結局4選手が投入(藤本・忽那・吉田・木暮→有田・山瀬・横谷・丹羽に交代)されたのはその直後となってしまいました。

木暮が退いた右ウイングバックには長沼がシフトし、空いた左WBに丹羽が入る形となった愛媛。
しかし普段はFWが主の丹羽がサイドを務めるという、イレギュラーな形が仇となった感があり。
その後も徳島ペースの流れは、止まるどころかますます強まります。

15分ここも右サイドで渡井がスルーパス、今度は垣田が走り込んでグラウンダーでクロス。
これがこぼれた所に西谷が走り込みシュートを放ち、GK岡本が足でセーブする際どいシーンを作ります。
17分に垣田・内田→押谷・福岡と2枚替えを敢行した後も尚攻め続ける徳島。
24分には左CKから、福岡のヘディングシュートがゴールバー直撃とこれまた惜しい場面。
この間にも押谷(23分)・西谷(24分)・ジエゴ(25分)がシュートを放つなど、完全に押し気味の展開を描いたのち後半の飲水タイムへ。

攻めなければならないのにまるで糸口が無い状態の愛媛、この飲水タイム後には再び4-4-2へ戻します。
しかし小暮はもう居ないので、茂木が右SBにシフトしたうえで空いたセンターバックに川村、という苦しい布陣。
その後も徳島の右サイド攻撃に何度も悩まされペースは変わらない中、何とかボールをエリア付近へと運ぶシーンを作っていく愛媛。
それでもシュートまで持っていけません。

徳島が西谷・渡井→清武・島屋へ交代する(37分)等、レギュラーを次々に退かせた所でやっと攻勢に出れるようになる愛媛。
しかし今度は徳島GK・上福元の気迫の守備が立ちはだかります。
押し込んでセットプレーを数多得るようになった愛媛でしたが、サイドからのFKやCKでクロスが上がっても、上福元の積極的な飛び出しの前に決定打を放てず。

42分には左サイドで崩し、前野からクロスが上がり丹羽が跳んで合わずも、その後方でこぼれ球を有田がシュート。
しかし至近距離でGK上福元がセーブ、これが顔面でだったらしくしばらく倒れ込む上福元。
直後のCKでも、クロスをパンチングしたGK上福元が痛み、倒れ込むシーンを作ってしまいますがプレーを続行します。
前回のダービーでも似たようなシチュエーションを演じ、しかもそこから逆転を許す結果となってしまっただけに、最後までグラウンドに立ち続け勝利するという意地を感じさせる一幕でした。

そしてATに突入し、ここからは守備を固める徳島と、それを何とかこじ開けようとする愛媛という展開。
しかし愛媛にとって時既に遅く、何度もクロス・ロビングをエリア内に送るものの、何も起きる事は無く。
試合終了の笛が鳴り、2-0で徳島が首位の貫禄を見せ付ける勝利となりました。

力の差を埋めるべく、幾度も布陣変更を敢行して流れを変えようとした愛媛ですが、それらをいなしたというよりは実力で押し切ったかのような内容を演じた徳島。
後半戦に突入し、徳島や福岡を中心とした昇格争いが正念場となる中、愛媛にとっては追い付けないぐらい遠い位置で戦っているかの如き一戦だった気がします。

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DAZN観戦 2020年J3リーグ第20節 FC今治vsFC岐阜

2020-10-09 18:18:12 | サッカー視聴記(2020年以前)

普段はJ2メインなこのブログですが、今週水曜はJ1・J2共に休み(鳥栖vsガンバを除く)。
そんな訳でJ3の試合を観るという気まぐれを起こしてみました。

今季のJ3は、秋田が良くも悪くも引っ張っている印象。
これまで無敗と圧倒的な成績で首位を快走しているかと思えば、経営面では観客数水増し問題が浮上、謝罪を余儀なくされました。
そして先日J2ライセンス交付が条件付きで決定するに至り、昇格に向けての機運が高まっている状況です。

もう一方の自動昇格争いが白熱し、その中へ突入している状況なのが岐阜。
前年J2から降格したクラブで、知っている選手も多いため興味を持って試合を観る事が出来ましたが、この日はアウェイで今治と対戦。

今季の岐阜は1年での昇格を期して戦いに挑むに辺り、ゼムノヴィッチ・ズドラウゴ氏を監督に招聘。
2001~2002年に清水の監督を務めた事で有名で、天皇杯(第81回大会)で見事優勝を齎しました。
しかし2年目のリーグ戦で振るわず、その後続く清水混迷の入口を作ってしまい退任。
指導歴も晩年も迎え、再び日本で監督を務め(VONDS市原)、そして今季岐阜で仕事を果たす事となりました。

しかし同じ清水監督でいえば、オズワルド・アルディレス氏の晩年も振るわないもの(町田監督を務めるもJFL降格を招く)で、言葉は悪いが時代遅れのサッカーになっていやしないか。
そんな危惧が現実のものになったのでしょうか、9月21日にゼムノヴィッチ氏は休養、そのまま契約解除という運びとなってしまいました。(成績自体は下位に低迷という訳でも無いので、他の要因の可能性も)

後任はヘッドコーチだった仲田健二氏で、初の監督業が昇格を託されるという重い役割となりました。
しかし選手時代はもっと苦しい状況を経験している仲田氏(J2初期の甲府の中心選手)、そんな苦難は屁でも無いと言わんばかりに、就任後3連勝。
巧くチームを上昇機運に乗せ、この日を迎えています。

初の今治のホーム・ありがとうサービス.夢スタジアムでの試合を体験する岐阜。
その小さい箱の環境で、さらに全方位(バックスタンドは無いけど)アウェイに晒された影響でしょうか、前半は今治が押し気味の試合展開を描きます。
それでも立ち上がり(前半2分)に決定機を得た岐阜、左サイドバックの柳澤が、エリア手前の斜めからシュートを炸裂させます。
これをGK修行がセーブするも粟飯原が詰めてシュート、決まったかと思われたものの、ライン上で今治・チョンハンチョルがクリアして先制ならず。

最初のビッグチャンスをモノに出来なかった岐阜、その代償は大きく。
その後押され気味となり6分の今治のコーナーキック。
クロスのこぼれ球に越智が走り込み、シュート体勢に入った所を岐阜・川西のスライディングを受け、倒れると笛が鳴って反則・PKとなります。
澤上が務めたこのPKですが、ゴール右へのシュートはGK松本がナイスセーブ。
難を逃れた岐阜でしたが、試合内容は変わらず今治の攻勢は続きます。
そして10分、今度もセットプレー(左サイド深めからのフリーキック)で、キッカー上原のファーサイドへのクロスがワンバウンド。
これを原田がボレーシュート、しっかりとミートされたボールがグラウンダーでゴールを捉え、攻勢を先制点に結び付けました。

前半の岐阜は、フォーメーション的にバランスが悪いと感じました。
4-1-4-1という並びで、1トップには川西・1ボランチに竹田。
ボランチが1人で、誰かが降りてこない限りビルドアップでどん詰まりとなり、右サイドへロングボール→右サイドハーフ・町田ブライトの推進力を活かすのが主な攻撃となりました。

そんな岐阜を尻目に攻勢を掛ける今治ですが、こちらは4-4-2の形で、ビルドアップもボックス型とオーソドックス。
しかしSBはそれほど上がらず、ビルドアップの出口としての役割が主。
そして前にボールが進み上がる段階になっても、片方のSB(ボールサイドでは無い方)は最終ラインに残ったままという、J2以上の試合ではあまり見られない光景が。
リスクを冒さない立ち振る舞いが目立ちました。

ブライトの能力を活かす手口を採った岐阜、22分にそのブライトの右からのクロスで、川西が擦らすヘディングシュートを放つもゴール左に外れ。
慎重なサイドアタックを掛ける今治は、25分に右SH・山田のドリブルを突破口に、右SB・原田がエリア右角からシュートするもGK松本のセーブに阻まれます。
両者良い流れが生まれつつ飲水タイムへ。

しかし明けた30分、再び今治が岐阜エリア内を急襲します。
左SB・上原(キッカー担当)のライナーの縦パスをトラップした山田、その勢いのままエリア内へ抜け出してシュート。
GKとほぼ一対一で放たれたシュートはゴール上部を捉え、早い時間に追加点。
2-0となり盛り上がる今治、一方の岐阜はキックオフ前に円陣を組み直して活を入れます。

以降の岐阜はフォーメーションをやや弄ったか、左インサイドハーフ・中島が、ボランチの位置に降りて来てビルドアップの出口を担当。
4-2-3-1のような形となり、竹田が最終ラインに入る「丁の字型」でボールを運ぼうと試みます。
しかしその効果はあまり現れず、34分~40分まで今治の一方的な時間帯に。
反撃の糸口を掴めないままアディショナルタイムとなり、最後は今治が山田スルーパス→澤上エリア内でシュート(GK松本キャッチ)とチャンスを作るなど、流れも今治のまま前半を終えます。

秋田だけで無く、今治も条件付きでのJ2ライセンス交付と相成った今季。
1年での昇格という機運が今治で高まっているのはそのためですが、成績的には2位グループの一歩下ぐらいの立場。
説明不要の岡田武史氏がオーナーとなった事で、徐々に大きくなっていくクラブの流れを体験させてくれる、という点で非常に重要なクラブだと思っています。
現状のスタジアムは小規模ながら、新スタジアム建設案もほぼ決まり、以降の昇格への足掛かりも順調。
四国勢のJクラブは讃岐(J3最下位)が低迷、愛媛も停滞感が漂うなど伸び悩んでおり、彼らを大外から抜き去る存在となれるでしょうか。

後半開始の前に、岐阜は石川・粟飯原→大西・橋本へと2枚替え。
ハッキリとしたボランチの大西を入れる事で安定感を得ようとしたでしょうか。(中島は川西と2トップを組む)
そして勝利への架け橋として、ベテランの橋本(本職は左SB)を左SHに起用。

しかしいきなり、GK修行のロングフィードをクリアミスし、エリア内で林にシュートを浴びてしまう(GK松本セーブ)岐阜。
不安な入りを見せてしまいましたが、交代の橋本を軸にリズムを掴みます。
後半4分、左サイドで大西のスルーパスに反応した橋本がクロス、クリアされて右CKを獲得。
そのCK、キッカー中島のニアサイドへのクロスをイヨハ理ヘンリーが擦らすと、GK修行の直前でコースが変わり(ブライトが触った?)修行は何とか弾きます。
しかしそこに橋本が詰めてゴールし、期待通りに反撃の1点を挙げた橋本。

流れを失いかねない失点でしたが、今治も守勢に回る事無く振る舞います。
6分、楠美縦パス→林ポストプレイ→桑島エリア手前からシュートという流れる攻撃を見せたものの、またもGK松本がセーブ。
その後もしっかりとしたビルドアップを下地に、ペースを掴まんとします。
その振る舞いには好感が持て、恐らくカウンター狙いに入っていたら、岐阜の怒涛の攻撃の前にあっさり呑み込まれていたでしょう。
実際17分には岐阜の攻撃、川西のヘディングシュートもGK修行がセーブして防ぎ、その後は飲水タイムまで攻撃権を独占し岐阜の攻撃機会を減らします。

しかしその効果もここまでで、飲水タイム直後にまたも岐阜・橋本にチャンスが。
25分、クリアボールを拾った橋本がエリア内に進入、シュートしますがここもGK修行のセーブに救われます。
以降は岐阜の攻勢を凌ぐ展開を強いられます。
押せ押せの中、岐阜はついにジョーカーの高崎を投入。(中島と交代、同時に藤谷→北谷に交代・29分)

今治は30分に桑島がシュート(ゴール左へ外れ)、34分に玉城(澤上と交代で出場・16分)のシュート気味のクロスを桑島がヒールでコースを変えるシュート(GK松本セーブ)と攻め上がり。
ベンチも交代の準備を始め、近藤と片井が準備をするものの、ピッチ脇でのリュイス・プラナグマ・ラモス監督の指示を受ける時間が長い。
その間に岐阜のCKとなり、キッカー川西の中央へのクロスに高崎が跳ぶも越え、後ろで甲斐が繋いだボールをブライトがシュート。
倒れながらも放ったブライトのシュートがネットに突き刺さり、執念で同点に追い付いた岐阜。

遅まきながら近藤・片井が投入され(山田・桑島と交代)ましたが、ここからは戦術云々より精神力が試される時間帯。
再びリードを奪わんと岐阜を押し込み、セットプレーを多く得る攻撃。
原田のロングスローも交えながら、3点目を狙いに行きます。

しかし最後はその隙を突いた岐阜が微笑みます。(43分)
左サイドから橋本のクロスが上がるも右へ流れ、拾ったブライトから今度は右手前からクロスが上がると、ニアサイドで甲斐が頭でフリック。
ファーサイドに上がったボールを川西がノーマークでトラップ、そしてシュート。
GK修行の壁を破り、とうとう逆転を果たした岐阜。

その後今治は越智→飯泉へと交代(44分)、飯泉の頭を狙うパワープレイに望みを託すも、巧く時間を使う岐阜の前にロングボールを送る機会も少なく。
岐阜が勝利に辿り着き、4連勝で一気に2位争いの先頭を捉える位置へ浮上を果たしました。

白熱する2位争いに拍車をかけるかの如く、前述の秋田・今治以外にも、藤枝・相模原・盛岡と今季J2ライセンスを得たクラブが多数。
何処がJ2への切符を手にするか、非常に面白くなってきました。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第24節 アビスパ福岡vsギラヴァンツ北九州

2020-10-08 17:14:58 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(順延9節・大宮戦)
※前回の北九州の記事はこちら(20節・山形戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(1節)

福岡ダービーの2戦目は、胸すく上位対決となって行われました。

目下8連勝中と、勢いは止まる所を知らない福岡。
とにかく強固な守備陣が相手の攻撃を跳ね返し続け、この間の失点は僅かに3。
前節(栃木戦)は「全とっかえ」のターンオーバーを敢行し、その中でも勝利を手繰り寄せるなど良い事づくめの中、大きな意味を持つこの試合を迎えました。

反対に福岡の一つ上の順位(2位)に居るものの、勢いは衰退気味の北九州。
チャレンジャー精神を良い意味で発揮し続けてきた立場でしたが、あわよくば昇格も現実的となり、守りに入る事も視野に入れなければならなくなった。

必然的な要素故仕方無いものですが、長丁場のJ2リーグではその僅かなズレが大きく成績に影響してしまう。
21節を境に未勝利、首位の座も明け渡す事となってしまいました。
ポイントゲッターのディサロ燦シルヴァーノも故障発生と、悪い事が重なる厳しい状況。
さらにこの日は全試合出場していた高橋大悟(1試合のみ途中出場)も累積警告で出場停止。
中盤の片翼を失い、どうバランスを保つかも試される一戦となりました。

前回対戦は開幕節で当たっており、両クラブとも「あの時とは違う」という並々ならぬ思いがあったでしょう。
それが交錯したかのように、アバウトな蹴り込みによりボールが右往左往するという試合の入りになりました。
ただしそれは、しっかりとパスを繋ぐ北九州にとっては計算し難い展開。

その通りに前半5分、そのアバウトなボールで最初にチャンスを得た福岡。
石津のラフなロングパスを、フアンマ・デルガドと競争になった北九州・村松がファーストタッチをミス、その隙に付け込んでフアンマが拾う絶好機に。
そしてエリア内に進入してゴール右へシュート、しっかりとゴールに結び付けて先制に成功。
連勝中も2ゴールに留まっていたフアンマ、この大事な試合でファーストシュートで得点を挙げました。

いきなり追いかける展開となってしまった北九州。
その後も中々「自分達のサッカー」というレールに持ち込めず苦労しますが、10分頃からようやく落ち着きを取り戻し反撃体制に。
いつものように2センターバック+ボランチ1人という最終ラインでビルドアップの下地を作り、ショートパス主体に縦パス・ロングパスを絡める多彩な攻撃を繰り広げる事となります。
12分、村松の左へのロングパスを受けた福森が椿を走らせるスルーパスを出し、椿がクロス。
ブロックされるもコーナーキックとなり、ショートコーナーから新垣のクロスが上がると、町野がヘディングで合わせ(枠外)北九州もファーストシュート。

福岡もカウンター主体の姿勢を崩さずファイティングポーズを取り、17分にはCKからフアンマがヘディングシュート。(枠外)
「ポゼッションの北九州vsカウンターの福岡」という図式が綺麗に成り立ちます。

守備の固い福岡に対し、北九州も「変化の必要性」に駆られていたでしょうか。
20分頃に、右サイドバックの藤原が中央へ絞っての攻撃を2度展開。
元来、加藤・國分の代役としてボランチでの出場が主の藤原、この日はSBへと転身していました。
そんな特性を活かそうとしての事でしょうか。
空いた右サイドには右サイドハーフの新垣が開いて変化を見せましたが、この場面では有効打とはならず。
逆に、違う事をやり出した報いなのか福岡のカウンターに晒されます。
21分に増山のバイシクルシュート(GK永井キャッチ)、22分に石津のシュート(ブロック)とゴールを脅かされるなど、福岡の攻撃が目立った格好で飲水タイムへ。

しかし明けた直後の28分。
村松の縦パスから椿が左へ出し、福森がクロスを上げる展開に持っていくと、ニアサイドに入るボールを町野が擦らすヘディングシュート。
惜しくもゴール右へと外れたものの、ここから北九州が攻勢を掛けます。

32分には敵陣で國分が拾い、パスワークを経て左サイドから國分にボールが戻ると、國分のミドルシュートが福岡ゴールを強襲するも右ゴールポストを直撃。
39分には直接フリーキック、中央の良い位置から加藤が直接シュートを放つもGK村上がセーブ。
惜しいシーンを演出するも、同点ゴールは生まれず。

逆に福岡は非常に粘り強い守備をこの日も展開。
現状最も安定感あるコンビであろう前・松本のドイスボランチを軸に、サイドの選手も北九州のサイドアタックに喰らい付き、容易にボールを運ばせません。
特に攻撃力に定評のある左SHの石津までもが球際に強さを見せる守備を披露し、これが長谷部茂利監督によるディフェンス強化の成果か、と唸らされました。
前年同じく「ハードワーク」を信条としながら、脆弱ぶりを隠せず残留争いに巻き込まれたチームの面影は何処にもありませんでした。

結局前半は1-0のまま終え、後半に突入。
その後半も、攻める北九州と守る福岡のぶつかり合いとなります。
そんな中、後半4分に福岡が得た左サイドからのFK。
福岡の長身選手が中央に位置する中、キッカーのエミル・サロモンソンはグラウンダーでのクロスを選択します。
しかし誰も反応せず、GK永井に直接渡り攻撃終了。
物議をかもすキックとなりましたが、この謎めいた行動がこの後生きたのか。

同点にしたい北九州、その後もシュートを放っていきます。
6分、岡村の右へのロングパスから、新垣の縦パスを受けた町野が巧いトラップでエリア内右へ。
そして彼のマイナスのクロスを椿が合わせる決定機も、シュートはGK村上がセーブ。
続く7分も、左サイドで椿が持ち上がったのち、パスを受けた池元がエリア内左からシュート。
しかしこれもGK村上がセーブと、正GKセランテスの穴を埋めるのに十二分の活躍を見せ、北九州はゴールを奪えません。

白熱の展開が続く中、17分にはそのGK村上回りでアクシデント、しかしそれは北九州サイドに降りかかります。
町野の縦パスを受けた藤原(ここでも中央に絞っていたか)、そのままエリア内へスルーパスを送り、トラップした椿がエリア内へ進入。
これをGK村上が飛び出してブロックすると、両者激突し倒れ込む事態となってしまいます。
村上は無事起き上がったものの、椿は続行不能となり担架で運ばれ、佐藤亮との交代を余儀なくされます。(新垣が左SHへ回り、佐藤亮が右SHへ)

この日の佐藤亮は非常にサイドに張る傾向が強く、以降藤原が中央へ絞るという変化を常時強いられるようになった北九州。
これでバランスが崩れたのか、福岡の攻勢が始まります。
とはいってもカウンターから得たセットプレーが攻撃の主でしたが。

25分の左からのCK、キッカーのサロモンソンはファーサイド浅い位置へとクロスを上げると、折り返しからフアンマがバイシクルを狙いましたが空振り。
その後エリア手前で直接FKを得た福岡。
サロモンソンは直接シュートを放ち、ゴール左隅を狙うもGK永井がセーブしてCKへ。
前述のサイドからのFK含め、様々な手口を見せた福岡のセットプレー。
そして次のCK、サロモンソンの中央へのクロスをフアンマがヘディングシュート。
綺麗にゴール右へと突き刺さり、大きな追加点を挙げた福岡。
セットプレーの最大火力である、フアンマの高さへの警戒を薄くする事に成功しての結末だったでしょうか。(この場面も、ニアサイドでドウグラス・グローリが跳び込んでマークを惹き付けていた)

北九州は反撃を試みるも、流石に精神的ショックが大きかったのか以降は思うようにパスが繋がらず。
34分に3枚替えを敢行(加藤・岡村・新垣→川上・河野・野口)した後も同じで、流れを変えようにも、レギュラーメンバーがごっそり退いたとあっては上手く行きません。

逆に福岡の攻撃が目立った終盤。
中盤でのインターセプトから敵陣深くまで攻め込み、反撃の糸口を与えず。
40分前後からは再びセットプレー攻勢で、時計の針を進めたうえで、最後はフアンマのヘディングシュート(ゴール上へ外れる・42分)で締め。
北九州サイドの精神力を削っていきます。

そして2点リードのままアディショナルタイムへ突入。
北九州も開き直ったか、ここからようやく相手を押し込むモードとなります。
川上や國分がミドルシュートを放ち最後の意地を見せましたが、いずれもGK村上にキャッチされ通じず。
そのままタイムアップを迎え、福岡が2-0で勝利。
お互いの成長が傍らから感じられた試合でしたが、スコアは前回(1-0)よりも開いて福岡がダブル達成と相成りました。

これで福岡は9連勝で、前半戦で先んじて9連勝を達成した北九州と、この試合を以て順位が入れ替わる皮肉な結果ともなりました。
北九州が攻撃力が目立っての達成だったのに対し、福岡は守備力が発揮されての達成と対称的。
よって崩すのはとても難しく、昇格圏に入った成績とともに、果たして止められるチームは現れるでしょうか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第24節 モンテディオ山形vs松本山雅FC

2020-10-07 16:35:22 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山形の記事はこちら(20節・北九州戦)
※前回の松本の記事はこちら(22節・徳島戦)

前節・金沢戦(0-1)でジャエルが負傷交代するなど、就任早々からイレギュラーへの対応を余儀なくされている松本・柴田峡監督。
第三の移籍期間に突入し、フロントも大分で燻っていた佐藤和弘を獲得するなど、低迷打破になりふり構わない姿勢を示しています。

22節・徳島戦(1-1)の途中から、藤田を一列前に上げての攻撃に手応えを得たのか、フォーメーションを3-3-2-2へとマイナーチェンジ。
この日は藤田・前(前節から復帰)を2シャドーとして起用し、セルジーニョ・阪野の2トップ。

前半1分、ロングパス攻勢でチャンスを作らんとする松本。(藤田ロングパス→阪野収めてパスワーク→常田ロングパス→阪野収めにいって山形・野田と競り合い、反則)
3分にはGK村山のパントキックから、敵陣で落下点に入った阪野が野田に倒されて反則。
得た直接フリーキックで、距離があったもののセルジーニョが直接狙い、シュートはゴール左下を襲ったもののGK佐藤昭大がセーブ。

FWにロングボールを当てていく攻勢で、(反町康治監督時代への)原点回帰の趣が見られたものの、その後はショートパスやスルーパスを多めにしての組み立てで好機を作っていきます。
12分、スローインからダイレクトパスの連続、米原のスルーパスに前が走り込み、前のグラウンダーのクロスを藤田がシュート。(ブロック)

しかし以降は、柴田監督が「完成度の高いチーム」と評する山形の攻撃の前に苦戦。
ショートパス主体の攻撃を阻む事もままならず、サイド奥(主に左)への進入を許してしまう場面の連続となります。

それでも山形のフィニッシュは、13分の中村駿のミドルシュートぐらいが目立ったシーン。
左サイドでは良い組み立てが出来ても、逆の右サイドでの攻撃が今一つで、9試合ぶりのスタメンとなった右サイドバック・三鬼の突破力が冴えず。
対面となった松本・高橋諒のチェックに四苦八苦する場面が目立ち、それが全体としてシュートを放てない流れに繋がっていました。

飲水タイムを前後して松本が再び攻勢、23分にはセルジーニョが左サイドをドリブル、エリア付近で高橋諒とパス交換(高橋諒はヒールパス)したのちシュート。(枠外)
31分はコーナーキックから、クロスの跳ね返しを藤田が直接ミドルシュート(ブロックされGK佐藤昭がキャッチ)と攻め立てますが、得点は奪えず。

ここから松本の流れは途切れ、再び山形の攻撃が牙を向く展開に。
31分に渡邊がエリア内左からシュートを放った(ブロックされサイドネット)のを皮切りに、今度は良い組み立てをフィニッシュに繋いでいくシーンを量産します。

この時間帯で目立ったのが、機能不全だった右サイドを活かす工夫。
松本・高橋諒を剥がせない三鬼をカバーするべく、様々な手段を絡めていきます。
35分、ここも三鬼が高橋諒のアタックでこぼされた直後で、熊本が拾い最終ラインからの組み立て。
野田は浮き球で三鬼へパスを送ると、三鬼はヘディングで高橋諒をかわし、そのまま右サイドでパスワークに加わります。
そして渡邊からクロスが上がると南がヘッドで落とし、松本の戻しに中村駿が走り込んでシュート。(ブロック)
勢いを得た山形、以降も攻勢を続けます。
38分には左サイドから松本がクロス、ヴィニシウス・アラウージョが収め、中村充孝の戻しから再び中村駿がシュート。(枠外)
41分には左サイドへヴィニシウスが開き、彼の戻しを受けた松本からクロスが上がると、ファーサイドで渡邊がヘディングシュート。(GK守田セーブ)

43分には再び右サイド、今度は三鬼が中央に絞って(渡邊がサイドに張る)パスを受け、縦パスを送って攻撃を作る事に成功。(サイドチェンジの後左から南がクロスも繋がらず)
様々な攻撃を絡めて押し込むも、松本も寸前でやらせずという展開。

アディショナルタイムには、松本のCKから山形がカウンター。
右サイドで中村充が松本・セルジーニョから奪い、パスワークで前進を重ねて中央で受けた渡邊がエリア内に進入。
松本ディフェンスのアタックをリフティングっぽくかわし、シュートを放ちましたがここもGK守田が間一髪セーブしてゴールならず。
山形に得点の匂いが漂うも、0-0のまま前半を終えます。

22節・磐田戦で薄氷の勝利(オウンゴールにより1-0)を挙げ、暗雲を振り払う事に成功したか前節(群馬戦)は4-1の大勝。
石丸清隆監督が落とし込んだ、4-4-2による攻撃サッカーの躍動を予感させる山形の現状。
ただし守備面に目を向けると、GKに負傷者が相次ぐ(櫛引、ミンソンジュン)炎上状態となり、フリーとなっていた藤嶋(川崎と契約解除)を緊急的に獲得する措置が採られました。

この日まで全試合出場者は3人で、ボランチの中村駿とセンターバックの熊本は、この試合も含め全試合スタメンとフル回転。
後の一人は山岸で、攻撃の要・フィニッシャーとして欠かせない選手でしたが、この日はベンチ外に。
前節2得点を挙げ上昇機運に乗っており、またこの日が5連戦の最後と(束の間の)休息が待っている日程なのに何故……という采配となりました。

そして1トップにヴィニシウスを起用したものの、キッカーも兼ねているヴィニシウス、CKの際には「1トップがターゲット役ではない」という珍妙な事態となっていました。
明らかに山岸不在によりイレギュラーな対応を強いられている状態で、緊急的な措置はGKだけでは無かったという事象でしたが、それが後日確信に変わる事となります。

後半立ち上がり、双方攻め込む場面を作るもシュートは生まれず。
松本がゴールキックからヘディングを繋ぎ、高橋諒が左サイドをドリブルで持ち上がる事でCKを得たのが後半4分。
その左CKで、セルジーニョの低いクロスをニアサイドで米原がフリック。
これが上空に浮いたボールとなり、橋内の前方への落としを大野が合わせゴールに突き刺します。
鈴木がオフサイドポジションに居たため、大野の抜け出しを山形ディフェンスが見落としていた形となって松本が先制。

押し込みながらも先制を許してしまった山形、前半同様にパスワークで攻め上がります。
しかし焦りもあったのか、7分には松本のカウンターを誘発してしまう場面も。(高橋諒が自陣から一気にドリブルでエリア手前まで進むも、阪野へのラストパスをカット)

嫌な流れが襲いつつあった中、8分。
左サイドで松本のパスカットから、南のスルーパスを受けたヴィニシウスがグラウンダーでクロス。
ニアサイドで南が触れると中村充へと収まり、そのままシュートをGK村山の股を通してゴールに突き刺した中村充。
早い時間帯で同点に追い付きます。

しかし安堵の時間はあまりに短かった。
10分、敵陣で藤田が頭でパスカットして松本がショートカウンター、拾ったセルジーニョのパスがペナルティアークに走り込む前へ。
前のシュートがゴール右へと突き刺さり、再度リードを奪った松本。
これが移籍後初ゴールとなった前、本来は守備的な選手ながら、この日は攻撃的なポジションで見事に結果に結び付けました。

これで山形サイドは意気消沈したか、その後も松本ペースが続く展開に。
ようやくの反撃機会は17分、左サイドで形を作ったのち松本が奥へスルーパス、受けた南がグラウンダーでクロス。
ニアで中村充が潰れ、エリア手前へ流れたボールを中村駿がシュートしますが、GK守田のセーブに阻まれます。
この直後、三鬼・渡邊→山田・末吉へと2枚替え。

右サイドを手当てし、末吉の突破力を生かそうという姿勢を取ったと思われますが、その思いは直後のセットプレー攻勢で肩透かしに。
20分に左サイドで直接FKを得てから、FK2本・CK2本と続く、両チームともに我慢を強いられる攻防に。
最後のCKで、クリアボールを南がシュートするもブロックされ結局モノに出来ず、飲水タイムを迎えます。

それと前後して、山形の意図を汲んだ松本は交代カードを切って対策。
19分に米原・藤田→山本真希・中美へ、25分に高橋諒→山本龍平へと交代し、中央~左サイドの運動量を補填します。

これで山形はボールを握って攻勢をかけるも、シュートまでいけない展開に。
再び交代カードに手を掛け、ヴィニシウス・岡崎→大槻・小松へと交代(28分)して突破口を図らんとします。
しかしその直後(30分)、ミスから危機を招きます。
GK佐藤昭のパスを阪野にカットされ、エリア内でボールを持たれる大ピンチに。
阪野のシュートこそ佐藤昭が防いだものの、直後阪野が横パスを出した先にセルジーニョが待ち構えておりジ・エンド。
熊本のブロックも及ばず(股を抜かれる)、手痛い追加点を与えてしまいました。

以降ようやく右サイドで末吉の突破力を活かした攻撃に取り掛かるも、時既に遅く。
33分末吉が松本・山本龍から反則を受けて得たFKで、キッカー中村駿のニアサイドへのクロスに熊本が合わせるもこぼれ、そのボールを熊本がシュートするもゴール左へ外れ。
34分には末吉のクロスがブロックされるも、大槻が繋いで山田から再度クロスが上がり、ニアサイドで大槻がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
可能性があったのはここまでで、以降も攻め上がりクロスの山を築いた山形でしたが、成果は45分の大槻のヘディングシュート(ゴール左へ外れる)ぐらい。

反対に松本は、カウンター狙いにシフトし守りを固めつつ、43分にセルジーニョと阪野をアルヴァロ・ロドリゲスと服部に交代。
3-4-2-1へとフォーメーションを弄り、前をシャドー→ボランチへとシフトして5-4-1の守備ブロックを築く体勢へ。
そうして山形に何も起こさせず、無事に柴田監督の初勝利に辿り着きました。

試合から2日後、山形を揺るがすニュースが公に。
この日欠場した山岸の、福岡への完全移籍が決定という一報が流れ、伏線回収となってしまいました。

思えば前年も、J2下位に沈む岐阜から完全移籍で山形に加わったという経歴の山岸。
溢れ出る上昇志向を抑えられずの選択は責める事が出来ず。
果たして今季こそ昇格を味わう事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第24節 ジュビロ磐田vs京都サンガFC

2020-10-06 17:14:12 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の磐田の記事はこちら(20節・栃木戦)
※前回の京都の記事はこちら(19節・琉球戦)

以前、磐田のライバル(?)クラブである清水の事を「外様監督に厳しい」と評した事がありましたが、磐田も近隣である以上似通った性質だったのかもしれません。
10月2日付で、フェルナンド・フベロ氏の監督退任(解任かと思っていたが退任に落ち着いたらしい)を発表した磐田、後任には黄金時代の監督でもあった鈴木政一氏が就く事となりました。
このニュースだけで複雑な気分になりましたが、その直後にガンバ・遠藤の獲得話が公になる(のちに正式決定)という事象が起こった事で、ピッチ上とは無関係な要素が原因での監督交代という印象を強くしたと思われます。
平たく言えば、遠藤の移籍元であるガンバについてこんな記事がありましたが、監督との二者択一を迫っていたのは磐田では無いのかと。

それはさておき、既に還暦を過ぎた年齢の鈴木氏、磐田の火中の栗を拾うべく3度目の監督就任。
黄金期の「N-BOX」システムが燦然と輝き、Jリーグの覇権を握ったのも今や遠い昔(2002年)でありますが、あの頃の磐田を監督という要素で見ると非常にややこしい歴史。
初優勝(1997年)の際も、外国人監督がシーズン途中で退任し、桑原隆氏が代行を務める中での栄冠でした。
そしてその桑原氏は代行のまま務め上げたのち、この功績を評価されて以降鈴木氏と同様に複数回監督を務めたものの、(代行期含め)3度目の監督期はシーズン途中で解任(2004年)と一年持たず。
その後任が鈴木氏(2度目)であり、内輪で人材を回す傾向がこの頃から非常に強かった。
(そのサイクルに巻き込まれたが、巧く抜け出したのが現金沢監督・柳下正明氏だと個人的に思っている)

そして一度目のJ2降格の際(2014年)も、ペリクレス・シャムスカ氏がシーズン途中に解任→OBの名波浩氏が就任という「外様監督(外国人監督?)に厳しい」性質が発揮されており、歴史は繰り返すのか。

前置きが長くなりましたが、16年ぶりの鈴木氏の初陣となったこの試合。
システムはかつての黄金時代を彷彿とさせる3-4-1-2で、当時なら「3-5-2」で一括りにされていたもの。
相手の京都の布陣は3-3-2-2と、これも3-5-2に一括りにされそうなもの。
両者の違いはボランチの人数であり、解り易いように後者(京都の方)は「1アンカー」「3-1-4-2」と記される事が一般的です。

前者は明確に「トップ下」が存在しているのが大きな特徴でしょうか。
しかも鈴木氏が黄金期を率いた頃は、「トップ下=司令塔」という認識が根付いていた時代。
時は流れ、司令塔の役割はボランチが務める事が一般的になり、パスワークは最終ラインから行われるのが当たり前となったサッカー界。

そんな訳で、立ち上がり磐田のパスワークは非常に堅く、ビルドアップの際も少ない動きに終始。
しかし、相手方の監督交代という事で京都も出方を窺う姿勢であったか、ヨルディ・バイスのロングパスに偏った組み立てで流れを掴む事無く推移します。

そんな中、前半6分に試合が動きます。
最終ラインから右サイドに展開し前進したのち、小川航基が縦パスを収め、反転してエリア手前からシュート。
これが京都・森脇に当たった事もあり、GK若原の虚を突きネットを揺らし、先制に成功した磐田。
それでもパス数が少なく前進出来た(今野→山本義道→松本→上原縦パスで小川航へ)辺り、「堅い試合」の印象を強くしたシーンでしたが。

京都はこの5連戦を、以前とは違い小規模なターンオーバーに終始したためか非常に動きが重く。
序盤戦のような「ピーター・ウタカとバイス頼みのサッカー」の影が再び舞い降りたかのようでした。

そんなチーム内に放り込まれたのが、先日レンタル移籍で「出戻り」となった仙頭。
前年は主に3トップのウイングだっただけに、何処で起用されるのか注目でしたが、ウタカとの2トップでスタート。
しかしチームが硬直化し、次第に降りてシャドーのように振る舞い、何とか攻撃を引き出そうそしていました。
彼の目立ったシーンは27分、コーナーキックからの二次攻撃で、後方から右サイドに展開したウタカにボールが回りクロス。
クリアされた後に中野克哉からパスを受けた仙頭、エリア内左へと切り込みを見せ、磐田・上原に倒されボールロストするも反則は無し。
その推進力は変わらず、という所を見せてくれました。

一方、先制したもののその後は京都同様今一つな流れの磐田。
この日は左ウイングバックで出場した大森でしたが、業を煮やしたのか次第にフベロ監督時代のような、中央から逆サイドへと張り出してボールを受ける動きを見せます。
29分には右サイドで、山田のスルーパスを受けてクロスを上げたりもした大森。
両チームとも「流れの悪さを何とか跳ね返そう」という選手の動きが目立ったものの、ともに攻撃機会少なく前半を終える事となりました。

仙頭の動きにヒントを得たのか、京都ベンチはハーフタイムに選手交代。
中野克→野田へと代え、野田をFWに置く事で仙頭を明確にシャドーにする策を打ちました。
その効果か後半先にチャンスを得た京都(後半2分)、ウタカが野田とのパス交換でエリア内右へと進入。
クロスが入るもクリアされ、こぼれ球を仙頭がボレーシュートにいくも、ミートせず不発。

しかし直後の3分に磐田の攻撃、中野誠也の中央でのドリブルから、パスを受けた山田がエリア内左へと進入してシュート。
ブロックされたボールを小川航が詰めてシュートしますが、GK若原が何とかセーブ。
決定機を逃してしまった磐田。
10分にもCKから、キッカー山本康裕のクロスを山本義が合わせに行き、こぼれ球を小川航がシュートするもGK若原に防がれます。

12分には中野誠が裏へと抜け出して受け、GKと一対一になりかけたものの、エリア手前で放ったシュートはGK若原に正面で防がれます。
エース(小川航)の決定機逸が波及したような絵図となりつつありました。
(その直後にも小川航にシュートチャンスが訪れるも、GK若原のセーブで防がれる)

そして15分、そんな流れをバックに京都が同点に。
決めたのはウタカで、バイスの縦パスを受けてそのまま反転、磐田・今野のアタックを物ともせずシュート。
華麗にゴール右へと決め、10節・山形戦で見せたような「個人技で相手を嘲笑う」かのようなウタカの活躍が炸裂しました。

これで試合は京都ペースへと傾き、仙頭もエリア内で幾度となくチャンスを作るなど躍動。
手詰まりになりつつあった磐田、21分に小川航を諦めてルキアンを投入します。(同時に大森→小川大貴へと交代)

ルキアンは投入された直後(22分)、松本のクロスをファーサイドでヘディングシュートを放つ(GK若原キャッチ)など、流れを引き戻さんと奮闘します。
その通りに以降はイーブンな展開になるも、お互い決定打に欠く事となり終盤戦に突入。

33分、上原の縦パスを受けた山田がエリア内に進入してチャンスを迎えた磐田。
山田はコントロールされたグラウンダーのシュートを放ちますが、ボールは左ゴールポストを掠めて外れ勝ち越しならず。
この日は「背番号10のトップ下」として出場・奮闘していた山田、それだけにここで決めていれば……という場面となりました。

磐田がチャンスを作るのは主に中盤からの縦パス・スルーパスで、最終ラインからのビルドアップで相手を剥がしたり(京都のプレスが消極的だったという要素はありますが)、センターバックが積極的に攻撃に絡む事は殆ど見られず。
「N-BOX」がそのまま現世に舞い降りたかのような、中盤が命綱の攻撃だったと今にして思います。

そして次第に京都が押し込んでいく展開となり、磐田は44分に今野→大井へと交代(同時に松本→針谷へと交代)して凌ごうとします。
アディショナルタイムに突入し、引き分けという結末も過る中、最後に笑ったのはあの男でした。

左サイド奥での野田のクロスをウタカがエリア内で収めて落とし、エリア手前からバイスがミドルシュートにいくも空振り。
しかし野田が拾ってエリア内左へ進入、クロスを上げるもこれがゴールに向かい、バーを直撃。
磐田サイドがホッとしたのも束の間、飯田が走り込んでシュート、しかしこれもゴールバーを直撃してしまいます。
それでも京都の攻撃は続き、黒木から再度クロスが上がると、ウタカがヘディングシュート。
これもゴールバーに当たりますが、ゴール内に落下して三度目の正直。
苦しい展開を締めたのはやはりエースのウタカで、勝ち越し点を挙げた京都。

以降の磐田は見るも無残で、(目安の5分まで残り3分以上あったにも拘わらず)一度も好機を作れないまま試合終了の笛を聞く破目に。
最終ラインでボールを回し続けたものの、守りを固める京都の前に、乏しいビルドアップの引き出しが露呈した格好となりました。
何とか前線へのパスコースを探そうという試みは徒労に終わり、奮闘空しく鈴木監督の船出は厳しいものに。
ここに遠藤が加わる事で変わるかどうかですが、それは神のみぞ知る、というべきでしょうか。

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