ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第26節 ヴァンフォーレ甲府vsジェフユナイテッド千葉

2021-08-23 16:12:14 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(24節・磐田戦、2-2)
※前回の千葉の記事はこちら(23節・金沢戦、2-1)
※夏の移籍情報についてはこちら

前節は下位の相模原に敗戦、手痛い試合となってしまった甲府。
悪天候という条件もあったでしょうが、ゲームコントロールがままならずと、昇格を目指すにあたって課題が露呈する事となり。

一方の千葉、甲府同様に中断明けは1敗1分という星取り。
上位相手が続く苦しい日程の中、前節は新潟に引き分けと善戦を見せ、僅かな上昇機運を持ちつつ同じく上位の甲府に挑みます。
補強面では札幌からレンタル中だった岩崎を放出(鳥栖へレンタル先変更)し、またもや札幌からレンタルで選手を獲得と、何処と無く「無いものねだり」感が伺える動き。
選ばれたのはタイから帰還して間もない檀崎で、修行の成果をJ2で発揮、とはいくでしょうか。
尚岩崎の他、使いどころが無くなった大槻と溝渕を躊躇無くレンタルに出し。

試合が始まると、攻撃権を支配したのは千葉。
今季から取り組んでいるボールポゼッションを高めての攻撃に手応えが出ているのか、同じタイプである甲府相手にもポゼッションで上回り。
前半4分には右サイドへの展開から、新井一耀のエリア内へのロビングを櫻川ソロモンがポストプレイ。
ディフェンスに入られクリアされるも、拾った田口がミドルシュート(GK河田キャッチ)と、早速シュートに繋がります。
最後方でのショートパス攻勢に、櫻川目掛けたロングボールを交えたバランスも中々良く。

立ち上がりは押し込まれ続けた甲府は、10分過ぎから反撃開始。
13分、小柳の裏へのロングパスに走り込んだ長谷川から前線で攻撃、野津田のエリア内への短いスルーパスに走り込んだのは泉澤。
得点源である泉澤のエリア内左からのシュートが放たれるも、GK新井章太のセーブに防がれます。
そこからコーナーキックを2本続けて甲府ペースへと試合を傾かせ、18分に再度好機。
再び最終ラインから、今度は小柳が前進から直接エリア内右へとスルーパスを送り、走り込んで受けたウィリアン・リラが切り返しからシュート。
しかしこちらも再度GK新井章がセーブと決められず。

その後は甲府が攻撃権を支配と、上位に居るクラブの実力を発揮する展開に。
この日は大ベテラン・山本が3バックの中央を務め、同時に甲府の特徴である「最終ラインの前に、中央センターバックが前に出てのビルドアップ」の中心的存在となり。
フィードに定評ある山本に対し注意が集まるのは当然で、その分他選手のスルーパスが通り易い状況が生まれていたのでしょうか。
それとも山本の古巣である千葉(遠い過去となりつつありますが)が、通常より過剰なケアをしていた故の事か。

そして迎えた24分。
山本から左サイドへ展開し、受けた荒木のスルーパスが左奥の泉澤に渡り。
戻されたのち山田がエリア手前でカットインからエリア内へパス、須貝が受けた所に、千葉・チャンミンギュの足が掛かり倒れて反則の笛が。
エリア内なので当然PKとなり、とうとうスルーパス攻勢を決定機に繋げた甲府。
キッカーはリラが務め、ゴール左へと強いシュートを蹴り込み、反応したGK新井章に触れられたもののゴールに。
先制点を挙げたと同時に、飲水タイムが挟まれます。

これで優位に試合を進めるかと思われた甲府ですが、ブレイク明けは攻撃権が定まらない入りののち、千葉ペースの展開に。
32分以降、前半の甲府の攻撃機会はゼロという結果が叩き出される(自分の集計です)ぐらい、千葉がボールを握って押し込み続けます。

最終ラインでのビルドアップの際は、ボランチの片割れ(大部分を熊谷アンドリューが務める)が降ろし、その上で両サイドのCB(右=新井一・左=鈴木大輔)が大きく開く形。
所謂「ミシャ式」と呼ばれる形で、そのうえで1トップにターゲット(櫻川)が控え、完全にインスパイアしてのものだと思われます。
中断前は絶対的な存在であったサウダーニャを控えにして、あえてこの形へとシフトしている辺り、攻撃の形を模索中であった尹晶煥(ユンジョンファン)監督が辿り着いた先といえるでしょうか。

それでもサイド攻撃を分厚くするという以外の効果はあまり無く、左右からクロスを入れるという攻撃に留まる千葉。
セカンドボールを支配して攻勢を掛けますが、得点の気配が漂わないまま終盤へ。
44分には福満のロングパスがエリア内中央の櫻川へ通り、シュートを放ちますがGK河田のセーブに阻まれ同点ならず。
そのままアディショナルタイムまで攻撃権を支配するも、見木の遠目からのシュート(枠外)と、フィニッシュで終えるのが精一杯となり。
ビハインドを背負ったまま、後半を迎えます。

共に選手交代は行われず、それ故か試合展開も同じ流れで、入りから千葉の攻勢が続きます。
後半6分、田口が右から斜めの縦パスを中央へ差し込み、見木のポストプレイから左へ展開。
末吉のドリブルで抉っての戻しから、田口がミドルシュートを放つも枠外に。
今季は開幕から出遅れ、尹監督の心変わり?についていけるかどうか不安であった田口も、しっかり順応を見せて攻撃に絡みます。

直後の7分、最終ラインからチャンミンギュの右サイド裏へのロングパスが福満に渡り、エリア内右奥へと進入する福満。
そこからカットインしてシュートを放つも、GK河田に至近距離でセーブされてモノに出来ず。
10分には敵陣左サイドから、ショートパスの連続で右へと展開し、受けた福満がカットインで再びエリア内を突き。
そして甲府・新井涼平の足に掛かって倒れますが、反則狙いが露骨と判断されシミュレーションの反則を採られ、警告を受ける破目に。
前半の不調期とは打って変わって良い形は作りますが、1点が遠いという暗雲も漂い始めます。

一方、第2クォーターと同様に攻められっぱなしの甲府。
18分にパスを長く繋いだ末、新井涼のミドルシュート(枠外)という攻撃で一息つくと、19分に最初の交代カードを切り。
リラ→宮崎へと交代すると、以降千葉からペースを剥がし攻守交替に成功します。
泉澤をはじめ須貝・長谷川・宮崎と、スピード豊かな選手を活かした裏狙いが再度冴え始め。

21分に甲府・山田と千葉・熊谷がスライディングで交錯、熊谷の向けた足により山田が負傷。
交代の準備が採られると共に、飲水タイムに突入。(明ける際に山田→野澤に交代)
完全に足が入ったにも拘らず反則無しという判定(ドロップボールで再開)に甲府サイドは紛糾。
これにより勢いが削がれるかと思われましたが、再開後間も無くプレイ中に突然主審の笛が鳴ると、異議が唱えられたとして千葉・田口に対し警告が出され。
不可解なタイミング(一旦プレイが止まってからで良かったのでは……)での判定に今度は千葉サイドが紛糾し、何とも珍妙な雰囲気となってしまいました。

ともあれ、26分に千葉ベンチも動き。
矢田・末吉→サウダーニャ・安田へと交代と、どうしても得点が欲しい状況の中、ベンチに留め置いていたサウダーニャを投入します。
最前線には変わらず櫻川で、シャドーに入った(と思われる)サウダーニャ。

その後は甲府が追加点を狙いにいく立ち回り。
30分には右CKから、キッカー長谷川はクロスと見せかけてグラウンダーでエリア外中央へ戻し、そこから左サイドへ展開したのちパスを繋ぎ。
そして野津田がエリア内左へ入り込んでクロスを入れると、中央で新井涼がヘディングシュートを放ちますがゴール上へと外れ。
33分には右サイドでの速攻が止められたのち、拾った長谷川から左へ展開、左サイド奥で泉澤が持つ得意の形に。
そしてカットインで中央へ向かい、切り返してニアサイドを狙ったシュートを撃つも、GK新井章が足でセーブ。
36分には再度右CKを得て、クロスがクリアされるも荒木が拾い、エリア内左へのスルーパスを泉澤がフリーで受ける決定機。
躊躇わずにシュートを放った泉澤でしたが、またもGK新井章がセーブし得点ならず。
前半から3本目となる、エリア内左での泉澤のシュートとGK新井章のぶつかり合いでしたが、得点を許さなかった新井章。

この間も攻撃は仕掛けていた千葉ですが、甲府の決定機の連続(+CKの量産)に冷や汗ものの展開を強いられ。
反撃体制を整えるべく、38分に船山の投入に踏み切ります。(見木と交代)
船山は最前線に入ったようで、サウダーニャがトップ下で動き回りつつ、櫻川と船山の2つのターゲットを作って終盤の攻防へ。

こうなると高さを補填したい甲府ですが、メンデスの出場停止がここに来て響いたようで。
41分に野津田→浦上へと交代し守備固めに入りますが、手駒が足りなく大ベテランの山本を代える事が出来ず。
千葉に再度押し込まれる事となり、43分にはゴールキックの際の遅延行為でGK河田が警告を貰うなど、ほうほうの体での逃げ切りを強いられます。

そして45分の千葉、熊谷から右サイドへ展開ののち、右ハーフレーンで受けたサウダーニャが中へ斜めの縦パス。
櫻川がフリックし、受けた船山がエリア内へ進入、クリアされるも熊谷が後方からミドルシュート。
GK河田にセーブされるもここからCK攻勢となり、その最中にATへと突入。
迎えた2本目の左CK、キッカー船山がファーサイドへクロスを上げると、合わせたのはチャンミンギュ。
甲府ディフェンスは山本・宮崎が競りにいくも及ばず、放たれたヘディングシュートがゴールネットを揺らし、執念で同点に。
尚1本目には船山中央へクロス→田口跳び込むという流れ(クリアされ再度CKに)で、これで中央への警戒心が強くなったのが遅れに結び付いたでしょうか。

ともかくメンデス不在を最後の最後に痛感する形となり、追い付かれた甲府。
直後に何とかCKに持ち込むも、ここでもメンデスが居ないためパワープレイの威力は大幅ダウン。
凌いだ千葉が最後の攻勢に入り、福満のロングパスを右サイドでサウダーニャが受け、そのままエリア内右を抉ったのちグラウンダーでクロス。
中央で櫻川が走り込んで受けましたが、放たれたシュートはミートせずゴール左へ逸れ。
ここはダイレクトで撃ちたかった場面でしたが、今季初のフル出場となった櫻川の疲労感も伺え仕方無いでしょうか。
結局1-1のまま試合終了を迎え、ともに未勝利のままとなった中断明け。

意図的かどうかは外野からは不明ですが、憚らずもミシャ式へと辿り着いた尹氏率いる千葉。
それでも得点力の底上げになるかどうかは、J1に居る広島の現状(今季途中でミシャ式へと回帰)を見ると甚だ疑問ですが、とりあえずは今後を見守りたい所です。

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TV観戦 天皇杯 JFA第101回全日本サッカー選手権大会4回戦 ヴェルスパ大分vsジュビロ磐田

2021-08-19 16:02:12 | サッカー視聴記(2021年その他)

<V大分スタメン> 4-4-2
GK 渡辺
RSB 本多 CB 村田 CB 浦島 LSB 西埜植
RSH 薮内 DH 吉田 DH 篠原 LSH 利根
FW 中野 FW 中村真人
<磐田スタメン> 3-4-1-2
GK 杉本
RCB 鈴木海音 CCB 今野 LCB 中川
RWB 藤川 DH 清田 DH 鹿沼 LWB 三木
IH 大森
FW 小川航基 FW ファビアン・ゴンザレス

アマチュア勢で唯一の勝ち残りとなったのが、前年JFLを制覇したヴェルスパ大分。(以下V大分)
にも拘らずJリーグ加入とならなかったのはライセンスが無いからで、HondaFCと同等の立場ですが、Hondaとは違い将来のJリーグ入りを目標としておりその途上との事。
ライセンス取得も目指さなければなりませんが、スタジアムの条件を揃えるのが困難なため既に今季の断念を発表するなど、その道はまだ険しそうです。
一つ前の3回戦では憚らずもアマチュア同士の対戦となり、広島に大勝したのが印象的なおこしやす京都ACを下し、この4回戦へと進出。

対する磐田、3回戦ではHondaと対戦する「静岡ダービー」を制し。
そしてこの日のV大分と、JFLの常連クラブとの連戦となりました。
とはいっても、リーグ戦(J2)で繰り広げる昇格争いの方が大事なのは言うまでも無いようで、完全ターンオーバーを敢行したスタメン。
前節(25節・ヴェルディ戦、2-1)のメンバーからは、途中出場した鹿沼・大森・ゴンザレスのみがスタメンに選ばれました。

V大分ペースで展開する立ち上がりの中で前半4分に磐田の攻撃、右サイドで繋いだのち大森がエリア内にロビングを入れ、後方から走り込んだ清田が落とすもフィニッシュには繋がらず。
レギュラー格に比較的近い位置である大森が攻撃の橋頭堡となりそうな予感がしたものの、その後もV大分の攻勢は止む事無く続きます。

6分には左サイドから、斜めのパス→ポストプレイの連続で中央へ展開し、吉田の縦パスを受けた利根がエリア内左へ進入。
そして切り返しからシュートを放ち、ゴール上を襲ったもののバーを叩いてしまい跳ね返り。
9分には浦島のロングパスをエリア内右で本多が受け、そのままシュートするも枠外に。
13分にはコーナーキック、左からキッカー中野のクロスを、中央で村田が合わせヘディングシュートを放つも磐田・鹿沼のブロックで防がれ。
フィニッシュを連発するも、スコアを動かす事は出来ません。

一方の磐田、その後反撃を試みるも、どうにも2トップが機能不全。
最終ラインでの繋ぎから、ゴンザレスへのロングボールを主体にするも好機は生まれず。
地上でのパスワークでも、ポストプレイ役を務めるゴンザレスのパス出しが乱れるシーンが多発するなど、メンバーを入れ替えた故の連係面の不安を露呈。
その相方の小川航も小川航で、15分には清田から斜めの縦パスが入りますが、スルーを選択した結果奥のゴンザレスが反応出来ずというシーンに。
連係に期待出来ない状態にも拘らず、難しいプレーを選択して流れを失う事となり。

磐田がようやく好機を得たのは22分で、左サイドでの繋ぎが遮断されるも鹿沼→清田→大森入れ替わりと繋がり、エリア内左から大森がシュートするもGK渡辺がセーブ。
23分にも、鹿沼のボール奪取から大森がエリア内左奥へ切り込んでクロス、クリアボールをゴンザレスがバイシクルシュート。(枠外)
フィニッシュシーンを重ねつつ、飲水タイムに。(24分)

双方良い時間が生まれ、ここからせめぎ合いとなりそうでしたが、第2クォーターはほぼV大分の独壇場に。
最終ラインから繋ぐビルドアップや、ハイプレスによるボール奪取を展開し、攻撃権を完全に支配していきます。
磐田サイドを押し込んで攻撃を展開するも、守備を固める磐田の前に、立ち上がりのような決定機は生まれず。
41分に薮内が中央からシュート(ブロックに当たりGK杉本キャッチ)、44分には利根がエリア内左からシュート(ブロック)と、フィニッシュを生む事は生みましたが、手前のブロックに阻まれて終わり。
攻め込む時間が多かったV大分でしたが、結局得点は出来ず前半を終えました。

後半立ち上がりも、流れのままに攻め込まんとするV大分。
中野のポストプレイ(磐田・ゴンザレスのプレーぶりもあり、対照的に巧く見えた)を交えて好機を作るも、ハーフタイムを挟んだ事で磐田が息を吹き返します。
後半3分に清田が敵陣でパスカットに成功し、そのままミドルシュート。
枠を外して終わりますが、リーグ戦で未出場だった清田の奮闘ぶりが契機となったか、以降怒涛の攻撃を開始。

4分鈴木海の右へのミドルパスを大森が受け、中央方面へ流れつつ溜めたのちエリア内へスルーパス、走り込んだゴンザレスがシュートするもGK渡辺が前に出てブロック。
8分には敵陣で藤川がパスカットからクロス、こぼれ球になるも左サイドで三木が拾って中央へ送り、受けた小川航がペナルティアークからシュート。(GK渡辺キャッチ)

対するV大分も7分に、自陣深め右サイドから繋いで前進、中盤で中野のドリブルを経由し左サイドの利根の下へ。
利根はカットインからのシュートを選択しますが、グラウンダーのボールは惜しくもゴール左へと外れてしまい。
10分にも敵陣深めで篠原のボール奪取から、エリア内で藪内シュート(ブロック)→こぼれ球を繋いでエリア内に出たボールに西埜植走り込み(GK杉本ブロック)と際どいシーンを作り、プロクラブの圧力にも屈しない姿勢を見せます。
磐田はこれを受けてか、ウイングバックの2人をポジションチェンジし、藤川が左・三木が右へと移り。
直後に左に移動した藤川がドリブルで魅せる場面を作りますが、V大分の推進力は止められず。

果敢にゴールを狙いにいったのが利根で、14分には左ハーフレーンを持ち上がり、エリア内に進入してシュート。(ブロック)
17分には篠原のパスカットから薮内→中野と繋がり、エリア内右からの中野のクロスを、ファーサイドでボレーシュート。(枠外)
放送席で何度も「ガソリンスタンドに勤務しながらのプレー」という謳い文句が語られていた利根、成り上がりの精神をプロ相手に発揮していたかのようでした。
再度V大分へと主導権が移り、攻撃権を支配したのち、24分に後半の飲水タイムへ。

ブレイク明けに先に動いたのはV大分の方で、吉田→高橋宏季へと交代。(25分)
この日は大分トリニータの本拠地・昭和電工ドームでの試合でしたが、天候の関係で屋根が閉められての開催となり。
おかげで高湿度の中でのプレーで、それによる体力消耗を考慮しての動きだったでしょうか。
しかし1人交代するだけではカバー出来ず、以降パスミスが目立ち始め、攻撃機会が減少していったV大分。

対する磐田、この日余り良い所が見られなかった三木に代え、ユース所属の藤原を投入します。(27分)
その藤原がボランチに入り、清田が空いた右WBへ。
そして28分、大森がV大分・村田に反則を受け、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置での直接フリーキック。
これを蹴ったのは藤原で、直接シュートが壁に当たるも、跳ね返りを拾ってすかさずロビング。
ファーサイドで今野が胸で収めてボレーシュート、先制かと思われた今野の動作でしたが、中途半端な威力のボールがGKのほぼ正面に飛んでしまいGK渡辺がキャッチ。
しかし勝負所でキッカーを任された藤原、先程の清田然り、若者の奮戦を原動力に押し返しを図る磐田。
その後も藤原はボランチの位置でパスを散らしつつ、チャンスの場面ではゴール前で受けにいくなど多方面で活躍を見せ。

そして41分に決定機。
攻め込むも相手守備に跳ね返されたのち、クリアボールを拾った鹿沼がそのまま中央をドリブル。
そして大森とのパス交換でエリア内に入り、ディフェンスに遭ってこぼれたボール走り込んだのは清田。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず終わり、値千金のゴールとはなりませんでした。

疲労によるダメージも色濃く表れ、42分には磐田・鈴木海が足を攣らせて続行不可能に。
鈴木雄斗が同ポジションに投入されます。
一方のV大分も、度々足を伸ばす仕草をしていた利根が45分に退く事に。(藤本と交代)
既に中野→前田へと交代カードを切っており(34分)、3回の機会を使い切る事となりました。

アディショナルタイムに突入し、最後の力を振り絞って攻勢を掛けるV大分。
何度もクロスを入れ、プロでも実績ある前田を軸にフィニッシュを務めさせんという攻撃を繰り広げるも、シュートは放てず。
結局スコアレスから動かぬまま、後半終了を告げる笛が鳴り延長戦に突入となりました。

その開始前に、磐田は小川航→松本へと交代。
FWを一人削る事で3-4-2-1へとシフトし、松本が本職の左WBに入った事で以下のような布陣に。
<延長の磐田> 3-4-2-1
GK 杉本
RCB 鈴木雄斗 CCB 今野 LCB 中川
RWB 清田 DH 藤原 DH 鹿沼 LWB 松本
IH 大森 IH 藤川
FW ゴンザレス

入りは磐田が攻撃機会を掴み、ゴンザレスのロングボールの収めから、CKを得る所まで攻撃。
対するV大分も反撃しますが、以前のようなソリッドな攻撃は影を潜めてしまい、疲労の影響が隠せないようでした。
パス数の少ない攻撃に終始し、また自陣でもバックパスの連係ミスで相手にCKを与えるなど精彩を欠き。
そして延長前半7分に本多までも足を攣らせて続行不能となり、延長で追加された交代機会を使わざるを得なくなりました。(西村と交代、同時に薮内→山﨑へと交代)

直後に中村真が、右サイドからGKの位置を見たロングシュートを狙うシーン(9分)もありましたが、結果的にこれが最後っ屁のようになってしまったか。
直ぐに磐田へと主導権が移り10分、右サイドから清田→鹿沼ヒールパス→ゴンザレス斜めの縦パスと繋がり、中央の松本が受けてシュート。
これは枠外に終わりますが、続く11分でした。
最終ラインから右サイドへと渡り、パスワークを経て藤川が中央へ向かって持ち上がったのち左へ展開。
受けた松本がカットインからエリア内へパスを送ると、ファーサイドで受けた藤原からグラウンダーでクロス。
このGKとディフェンスの間を突いたボールを、ゴンザレスが合わせた結果、待望の先制ゴールを奪った磐田。
投入されてから再三攻撃に顔を出した藤原と、一試合通しては疑問が残る働きながら勝負所で仕留めたゴンザレスが融合しての得点でした。

善戦しながらも、とうとうビハインドを背負ってしまったV大分。
その後も磐田に後塵を拝す展開を強いられますが、ATに好機が。
右サイドから西村が斜めに縦パスを送り、これを中村真がフリックでエリア内へ送った所に前田が抜け出し。
GK杉本の前進を受けつつもループシュートを放ちますが、枠を大きく外してしまい同点ならず。

そして延長前半が終わり後半へ突入。
当然1点が欲しいV大分、ボールを握って崩さんとしますが、疲労困憊な中ではやはり苦しくフィニッシュまでは遠い状況。
対する磐田、カウンター気味に好機を作り、エリア内へと迫ってプレッシャーを掛ける攻撃。
延長後半6分にはV大分が攻撃を遮断するも、拾いにいった篠原が村田と激突してしまいボールロスト、拾った大森から縦パスを受けた藤川がシュート。(ブロック)

それでも万が一にも事故らせるわけにはいかない磐田。
8分にはGK渡辺のキックを妨害しようとしたゴンザレスが、9分には高橋祐をアフターで倒してしまった藤原が警告を受ける等、なりふり構わないといった守備体制を見せます。

磐田サイドも必死といった展開の中、とうとうV大分にチャンスが訪れたのが11分。
右サイドから高橋祐のロビングが上がると、中央ペナルティアークでの中村真の落としを、エリア内左で前田がボレーシュート。
渾身のフィニッシュだったものの、GK杉本のセーブに阻まれて万事休す。

その後迎えたAT、両チームともに裏狙いのパスを送るオープンな展開となりましたが、結局そのままタイムアップを迎え。
磐田が逃げ切りに成功し、準々決勝にコマを進めると共に、主力選手の大部分を休ませるミッションも果たす事が出来ました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節 愛媛FCvsギラヴァンツ北九州

2021-08-18 16:42:49 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(23節・ヴェルディ戦、2-2)
※前回の北九州の記事はこちら(18節・琉球戦、0-3)
※夏の移籍情報についてはこちら

日本を襲った豪雨で中止が相次いだ今節。
愛媛の本拠地・ニンジニアスタジアムでは無事開催されたものの、連想させられるのが、今季あった水たまりだらけのピッチでの磐田戦。(12節・0-0)
しかし今回は全くの無縁となりました。

前節は群馬と、そして今節は北九州との対戦と、残留争いのライバルとの直接対決が続く愛媛。
ここで勝ち点3を得られれば……というのは相手の北九州も同様であり。

3バック・アンカーを併用した3-3-2-2(3-1-4-2)のシステムを、中断直前の23節から継続している愛媛。
田中裕人がアンカーを務め、その脇に前線の選手が降りて来る事で、チャンスへの道筋は以前より円滑になったようで。
その他田中裕自身がサイドに張り出してパスワークに加わったり、FWの石井が降りて来て受けたりと、パスコースを多くしての組み立てを見せていました。

そんな攻撃を中心に、立ち上がりは相手を圧倒。
北九州のチャンスらしいチャンスは、愛媛・栗山のパスミスでコーナーキックを得た時ぐらい(前半6分)で、後はずっと愛媛のターンで推移していきます。
上記の組み立てを根底にしつつ、ロングボール・縦パスから藤本のポストプレイを絡めて好機を演出。

ようやく北九州が重い腰を上げたのは15分以降で、持ち味である最終ライン3枚への変形からのビルドアップを見せ始め。(降りるのは西村でほぼ固定)
ポジショナルサッカーらしく、5レーンに選手を置いてから斜めの縦パスを多用しての攻撃で組み立てていきます。
18分には村松からの縦パスを右ハーフレーンで受けた新垣が左奥へロングパス、クリアされるも佐藤亮が左サイドで収め、上がってきて受けた福森がカットインからシュート。(ブロック)
前節琉球相手にフィニッシュ数で上回ったように、クオリティ高い攻撃を展開していくと思われた北九州ですが、福森のフィニッシュ以降は再度愛媛のターンに。

縦パス→ポストプレイのセットプレーや、近藤のドリブルを駆使して北九州ゴールに迫っていく愛媛。
21分に左CKを得ると、キッカー内田のクロスを大谷がヘディングシュート、ゴール前でブロックされるもこぼれ球を田中裕が詰めに行き。
放った位置的に(ゴールライン寸前)誰もがゴールと思ったであろう田中裕のシュートでしたが、ボールは浮いてしまいバーに当たりモノに出来ません。

しかし流れを端さなかった愛媛は22分。
自陣左サイドからの内田のロングパスが一気に北九州ディフェンスの裏を取り、抜け出して受けた藤本が追いすがる北九州・村松を振り切ってエリア内へ。
GKと一対一で、最初に放ったシュートこそGK田中悠也にセーブされますが、跳ね返りを拾い再度シュートした藤本。
今度はゴールへと転がり、先制点は愛媛に入りました。

先制された北九州、23分に挟まれた飲水タイムの後、まずは左サイドの椿を軸とした攻撃を仕掛け。
ドリブル突破やカットインで個人技を発揮する椿ですが、フィニッシュには辿り着けず。
落ち着きを見せたのち、両サイドをくまなく使いパスを繋いでいく攻撃へとシフト。
そして30分に佐藤亮が、36分には針谷がミドルシュートを狙っていきます。(前者は枠外・後者はブロックに阻まれる)

迎えた37分、ブレイク前の18分のように右ハーフレーンから岡村が対角線のロングパスを送り、相手クリアを拾ってから左サイドでの攻撃。
ここでも魅せたのは福森で、ドリブルから椿へパスを出したのち、エリア内へのスルーパスを受けてマイナスのクロス。
ニアで西村が足を振るもミートせずフリックのようになり、中央で新垣が合わせシュート。
豪快にゴール左上へ突き刺し、前半のうちに追い付く事に成功した北九州。

その後は愛媛ペースで推移していき、前半も最終盤。
45分の愛媛の攻撃、最終ラインから左サイドで組み立て、茂木のミドルパスを近藤がエリア内へ落とし。
受けたのは藤本で、中央へ流れたのちシュート。(ブロック)
アディショナルタイムは北九州の攻撃、こちらも左サイドで高橋の浮き球のスルーパスを受けた椿がカットインからクロス、流れたボールをエリア内右で六平が拾い再度クロス。
グラウンダーのボールを中央で受けた新垣がシュート、ブロックされるも尚も繋ぎ、福森がエリア内左からカットインして中央でシュート。(ゴール右へ外れる)
互いにシュートを撃ち合い、前半を終える事となりました。

前年の躍動から一転して、現在は残留を目指した戦いを強いられているのが北九州。
周囲のライバル(?)クラブが続々と監督交代に踏み切る中、経験豊かな小林伸二監督に全権を委ねるのは変わらず。
動かない美学を貫くといえば格好良いですが、それは裏目に出る可能性も決して低くありません。

主力選手の大量流出が第一の原因とフロントも理解しているのか、夏のマーケットでは椿・福森と、移籍した選手をレンタルで再度獲得する方策。
そうしてリーグが再開されたものの、前節・琉球戦は前述の通り良い内容でしたが、それだけに痛すぎる逆転負け(1-2)となり。
守勢に回った時の脆さは中々改善出来ず、勝ち点を積み上げられません。
それでも小林監督が度々攻撃面を課題としているかのようなコメントを残しているという具合に、得点力でそれをフォローする算段を貫いている節があります。
サッカーの内容面でも美学を追及する事を第一としているようで、果たして北九州のそんな姿勢は報われるかどうか。

後半を迎えるに辺り、愛媛サイドは小暮→高木へと交代。
この早めの動きに呼応するように、後半立ち上がりは再び愛媛ペースの展開を描きます。
早々の後半1分に、投入された高木が右サイドの突破からグラウンダーでクロスを入れ、中央ニア寄りで近藤がスルー。
そして奥で石井が合わせシュートを放つも、GK田中悠のセーブに阻まれます。
これを皮切りに、直後のCKではクリアされたボールを近藤がミドルシュート。(枠外)
4分には相手スローインを跳ね返し、そのまま石井ポストプレイ→藤本ドリブル→エリア内右奥からマイナスのクロスという流れで好機。
石井が合わせにいくも流れ、後方から走り込んだ内田がシュート。(枠外)
フィニッシュを量産していく愛媛でしたが、攻撃権を支配していた故の落とし穴が待ち受けていました。

8分、ドリブルに入る川村のタッチが大きくなった所を西村が奪って北九州の攻撃となり、佐藤亮とのパス交換からエリア内へスルーパスを送る西村。
そしてエリア内左から高橋がシュートを放ち、見事ゴールゲット。
油断が表れたかのような愛媛のボールロストを突き、北九州が逆転に成功します。

それでも愛媛は気落ちする事無く、攻撃を仕掛けていきます。
あくまで下位同士の対決故、実力は拮抗していると信じての前向き思考でしょうか。
北九州を押し込み、セットプレーから何度もゴール前にクロスを入れるも、GK田中悠に抑えられて後一歩得点には届かず。
14分には2枚替えを敢行し、内田・近藤→忽那・唐山に交代。
石井がFW→シャドー、高木が右ウイングバック→左WBへと回ります。

迎えた17分、最後方からの組み立てで、左サイドでポストプレイに入った高木が北九州・六平に倒されますが尚もパスを繋ぎ。(後に六平に警告)
サイドチェンジを経て忽那が右奥へと進入、中央へ戻したボールを川村が強烈なミドルシュートに持っていきましたが、ゴールバーを直撃してしまい同点ならず。
直後にも大谷の縦パスを受けた川村、エリア内へ進入してシュートを放ち(GK田中悠キャッチ)、果敢にゴールを狙う姿勢を見せるも結果は得られません。

この日FWでのスタートながら、降りる動きが目立った石井。
シャドーに移ったのちも、アンカー田中裕の脇に降りてボールを受け、ビルドアップを円滑にする役割を担います。

一方劣勢に陥った北九州、前述の通り守り切るというチームでは無いため、このままでは前節の二の舞になってしまう可能性は高く。
21分に佐藤亮→富山へと交代、頂点を代えて追加点を狙いにいったでしょうか。

しかし状況は好転せず、25分の飲水タイム後も中々攻撃を組み立てられません。
こうなると失点する流れは止められず。
30分、川村の縦パスを唐山がポストプレイの体勢でエリア内右へと送り、受けた藤本がクロスを入れるもクリアされCKに。
そしてこの左CKで、キッカー忽那のクロスを中央で藤本が足で合わせ、ゴールネットを揺らし。
押し込み続けたのち、最後はセットプレーで仕留めた愛媛が同点に追い付きます。

一気に逆転を狙う愛媛、尚も決定機の連続。
32分には忽那のミドルパスを受けた藤本が左ハーフレーンを前進、エリア内左からシュートを放つもGK田中悠がセーブ。
33分には右サイド奥で茂木が北九州・高橋に反則を受け、最奥からのFK。
キッカー忽那のクロスから高木がヘディングシュート、しかしまたもゴールバーを直撃してしまいます。
GK田中悠とゴールの枠が奮闘する試合展開で、愛媛にとっては不運というしか無く。
尚も36分、忽那のエリア内左へのロングパスに走り込んだ唐山からグラウンダーのクロス。
クリアが小さくなった所を、走り込んだ川村がフリーでシュートを放ちますが、枠を捉えられず。(先程豪快なシュートでモノに出来なかったので、大事に蹴りにいくのに切り替えたが今度はミート出来ず裏目に)

攻められっぱなしの北九州(34分に新垣→前川に交代)、福森が足を痛めた(攣った?)事で再度選手交代を強いられます。(生駒と交代、同時に椿→野口に交代・41分)
するとベンチはフォーメーション変更の断を下し、3-4-2-1へとシフト。
生駒・村松・岡村の3バックとなります。
劣勢を5バックでスペースを埋める事により挽回するという判り易い采配を見せた小林氏。

しかし最初は中々嵌らず、42分の愛媛の攻撃、石井エリア内へスルーパス→藤本ポストプレイ→高木左サイドからシュートという流れでゴールを脅かし。
尚もボールを繋ぐ最中、石井が北九州・前川に倒され反則。
中央やや右・絶好の位置からの直接FKとなり、キッカー忽那は直接シュートを放ちますが壁に防がれ。

当初はバタバタしたものの、ATに入ってからは狙いを発揮し、以降攻撃権を支配する北九州。
後半に入ってから初めて自分達のターンになった、という展開で、富山のボレーシュート・西村のダイビングヘッドなどで愛媛ゴールを脅かしていきます。(前者はブロック・後者はGK岡本セーブ)
しかし勝ち越し点を奪えず終わると、最後は愛媛の攻撃。
クリアボールを拾った石井から縦に速い攻撃、中央に向かいドリブルする忽那からエリア内へスルーパス、唐山がシュートを放ちましたがオフサイドの判定に。
そして試合終了の笛が鳴り、2-2で引き分け。

相手に勝ち点3を渡さないというミッションには成功したものの、前節に続いてライバル相手に引き分けとなった愛媛。
以降も松本・栃木と下位相手が続く日程で、上位相手に未勝利である今季の星取りな以上、ここで勝たなければ……という状況。
痛み分けという言葉が綺麗に当て嵌まる「6ポイントマッチ」の連続から、脱出出来なければ後がありません。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第25節 FC琉球vs水戸ホーリーホック

2021-08-17 18:13:53 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(22節・相模原戦、0-1)
※前回の水戸の記事はこちら(18節・相模原戦、2-0)
※夏の移籍情報についてはこちら

記録的大雨の影響で、4カードもの試合が中止となった25節。
日本本土とは離れた沖縄の地では無事に開催されたものの、ここではリモートマッチという措置が延々と続けられており。
某知事のウィルス対策において批判が集まりつつある状況で、前年のユニフォームの胸ロゴの件といい、何かと自治体の影響を受けがちな琉球というクラブ。

それはさて置き、折り返しの時点で首位と勝ち点差4の3位と、今季は昇格に向けて絶好のチャンスが訪れている琉球。
中断明けの前節(北九州戦)、早速補強した武田・金井をメンバーに組み込み(武田は途中出場)、逆転勝利を果たして良い滑り出しを見せました。
フリーキックで得点という結果をいきなり残した武田を組み込んだ(中川と入れ替え)以外は、前節と変わらずのスタメンでこの日も臨みました。

水戸のキックオフで始まった前半、いきなりロングパスが通って好機となるも、新里のキック(ミドルシュート?)が味方の森に当たるハプニングでフイに。
しかしその後も水戸が押しまくる展開となります。
前半2分に相手クリアを拾った中山仁斗がシュート(GK猪瀬セーブ)、3分には右サイドで村田のパスカットを拾った中山仁がシュート(GK猪瀬セーブ)と、立て続けにトランジション直後のシュートでゴールを襲いました。

相手の攻撃力に脅かされる立ち上がりとなった琉球は、左サイドバック・上原慎也をターゲットにしたロングボールによる攻撃で落ち着きを取り戻しに掛かります。
高目に位置取る上原慎が裏抜けをする場面も目立ったものの、長くは続かず再度水戸のターン。
9分に右コーナーキックを得ると、キッカー伊藤の中央へのクロスから中山仁がヘディングシュートを放ちますがまたもGK猪瀬がセーブ。
この後もCKを量産して押し込む水戸、15分までに得たCKは5本。
右からは伊藤・左からは中里が務めたキッカーでしたが、前半の終わり際からは左右逆の担当となります。

後ろ2枚で運ぶ事が困難と判断したのか、以降琉球はボランチが降りて3枚での組み立てが主に。
17分には左肩上がりで組み立てたのち、中央への展開から風間宏矢のミドルシュート(枠外)まで繋げたものの、その後も水戸の攻勢は止まず。
23分には敵陣深めで中山仁がボール奪取した水戸、拾った伊藤がエリア内左へと切り込みシュートを放つ決定機となりますが、GK猪瀬が足でセーブして防ぎます。

飲水タイムが挟まれ(25分)、修正が図られたのか明けた後は琉球がペースを掴みます。
昇格したての頃は攻撃重視のチームでしたが、上位に君臨するクラブらしく、守備力や試合中の修正力でも持ち味を発揮しているようで。(修正力についてはこの試合が顕著か)
琉球のボールポゼッションが上がっていく一方で、水戸は最終ラインからの組み立てが上手くいかず、前線へのパスもズレるという悪循環に陥ります。

それでも琉球は中々フィニッシュに持ち込めず、また清武や風間宏矢ミドルシュートを放ちにいっても、ミートせず不発となるシーンが多々。
そんなジリ貧状態を突かれ、終盤の44分にはまたも水戸の好機。
右サイドから藤尾の低いクロスが跳ね返されるも、こぼれ球を繋いだのち新里のミドルシュートが炸裂しますが、これもGK猪瀬のセーブに阻まれ。
猪瀬が度々ファインセーブを見せましたが、それに応える事が出来なかったという前半の琉球。
結局スコアレスで折り返しとなります。

後半が始まると、前半同様にキックオフからの攻撃が好機に繋がり。
前半あまり目立たなかった金井が右サイドでのパスワークを経て上がり、クロスを入れる攻撃を見せた琉球。(シュートには繋がらず)
対する水戸は、センターバックの鈴木が一気に縦パスを通しにいく振る舞いを見せるも、好機は生まれず。

双方ぶつかり合った結果琉球優勢となり、金井が右サイド奥からクロスを上げてCKを得たり、敵陣で李栄直(リヨンジ)が前に出てのカットから好機を作ったりと押し込んでいきます。
一方劣勢となった水戸は早めにベンチが動き、後半9分に中山仁・森→奥田・松崎へと2枚替え。
前線で違いを作りに掛かります。

今夏の移籍市場で、最も動きが盛んとなった水戸。
正確に言えば「動かざるを得なくなった」というのが正しいでしょうか。
J1クラブからの引き抜きは止む事無く、住吉ジェラニレショーン・柳澤・平野の3人が個人昇格。
チームの練り直しを強いられる状況で、既に育成型レンタルで獲得していた藤尾・伊藤を主力に組み込むと共に、フリーとなっていた中里を獲るなどしてのやり繰り。

中断明け、早速ボランチとして平野の穴埋めを務める事となった中里。
今季は既に開幕前に緊急的に獲得しながらも、メンバーに定着できずに去る事となった温井の存在がありますが、チーム強化を果たす一駒となれるか。
この日の中里は中盤でパスを散らしつつ、自身もサイドアタックに加わるなど引き出しを見せる動きが目立ち。
平野とはまた違った特徴で、チームの潜在的な強さを呼び起こす事が出来るでしょうか。

さて、先に動いた水戸は直後にフィニッシュに持っていく(伊藤が左からカットインしてシュート・ブロック)も、琉球ペースの展開は変わらず。
前半のお返しとばかりに、12分から15分までに4本CKを得るという量産体制。
フィニッシュの面でも、11分に富所のスルーパスを受けた清武がエリア内からシュート。(ブロック)
13分にはCKから、ファーサイドで阿部の落としから武田がシュート(ブロック)と攻め立てます。

しかし、「水戸にはまだこの男が居る」とばかりに、本領を発揮したのは松崎。
投入後の10分に、右サイドを駆け上がってエリア内右からマイナスのクロスを入れる(ブロック)シーンを見せましたが、その突破力が勝負の決め手となりました。

15分、最終ラインから中里を経由して左サイドへ渡り、パスワークに中里が加わったのち中央へ展開。
新里から右ハーフレーンの松崎に渡ると、ドリブルでエリア内に進入してクロス。
これは左へ流れるも藤尾が拾って攻撃継続、戻されたのち中央で再度受けた松崎、またもドリブルでエリア内を急襲。
スピードで琉球・知念を振り切り、切り返しからシュート。
ブロック2人を掻い潜って豪快にゴール右へと突き刺さり、琉球守備網を突き破るという表現がピッタリのゴールを挙げた松崎。

一方の琉球、失点前に用意していた交代を敢行。
清武→清水へと交代し、4-4-2の布陣へとシフトして反撃を試みます。(風間宏矢が左サイドハーフ・武田が右SH)

しかしビハインドとなった心理状況故か中々ペースが掴めず、22分に飲水タイムが挟まれたのちも一進一退。
そんな状況の中、願っても無い好機が訪れたのが26分。
水戸・鈴木のトラップミスを阿部が掻っ攫い、そのままエリア内右へと進入し、奥からカットイン。
GK牡川をかわさんとするも、伸ばした牡川の腕がそれ以上の進軍を阻み、シュートに辿り着けず終わってしまいます。
それでもこのプレーの影響で、鈴木は足を攣らせて続行不可能となるなど、被害を隠せなくなってきた水戸。
代わって細川が投入され、同時に琉球も風間宏希→上里に交代します。

この間隙を突きたい琉球でしたが、直後にGK牡川のフィードを受けた松崎がまたも縦に鋭く突破。
たまらず富所が倒してしまい、右サイド奥でフリーキックを得た水戸。
ここでキッカー大崎がグラウンダーでクロスと変化を付け、細川が合わせる(枠外)とフィニッシュに繋げた水戸。
その後32分に中里も足を攣らせてしまう事態が発生しますが、以降も琉球に流れを渡さずに攻め上がり、34分には伊藤のラストパスを受けた奥田がエリア内からシュート。(GK猪瀬キャッチ)

38分に双方選手交代(水戸=中里・藤尾→木村・黒石、琉球=武田→中川)を敢行した後も、その流れは変わらず。
40分には村田(交代後はFWにシフト、黒石が右SBに)のロングボールの収めから、伊藤のスルーパスを受けた黒石がエリア内からシュート。(ブロック)
43分には左サイドから受けた伊藤が前進してエリア内を突き、後は撃つだけという状況で琉球・知念に倒されるも、笛は吹かれず。

すっかり反撃の糸口を掴めなくなった琉球、アディショナルタイム直前から、後方からのロングボール攻勢で打開しようとするも果たせず。
AT突入後も琉球陣内でのプレーを長く行う水戸、ボールキープを交える事で相手の焦りも顕著となり。
反則を受けてFKを得る事で時間も使いつつ、村田のエリア内からのシュートをGK猪瀬がセーブするという、どちらがビハインドなのかと言いたくなる状況も生み出します。

結局最後まで琉球は自陣深くから脱出できず、試合終了の笛が吹かれ。
水戸が上位相手に価値ある勝利を挙げた一方で、琉球は終盤の失速ぶりが顕著だったこの日。
ホームでの支援が得にくい状況のなか、首位戦線に踏みとどまる事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第24節 清水エスパルスvsガンバ大阪

2021-08-16 16:17:15 | サッカー視聴記(2021年J1)

<清水スタメン> 4-4-2
GK 権田
RSB 原 CB ヴァウド CB 井林 LSB 片山
RSH 西澤 DH 松岡 DH 河井 LSH 後藤
FW チアゴ・サンタナ FW 鈴木唯人
<G大阪スタメン> 3-4-2-1
GK 東口
RCB 三浦 CCB 昌子 LCB キムヨングォン
RWB 柳澤 DH 山本 DH 倉田 LWB 藤春
IH 矢島 IH 宇佐美
FW レアンドロ・ペレイラ

開幕前の大型補強を経ても、一向にJ1での立ち位置が上向かない清水。
夏の移籍期間でもさらに補強を重ね。
松岡(鳥栖)・井林(広島)・藤本(神戸・レンタル)と、他のJ1クラブから日本人選手を搔き集めると共に、ホナウドにベンジャミン・コロリと助っ人枠も増大させて巻き返しを図りにいきました。

個人的には、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の申し子というべき井林の加入が注目でしょうか。
ヴェルディで指揮を執っていた時は、守備戦術の浸透に無くてはならない存在とされていた井林。
しかし移籍先の広島ではベンチを温めるだけに留まっており、「監督の欠かせない手駒」「J1レベルかどうかは疑問」という、プラスとマイナスが交錯しているような人材。
ロティーナ監督の信頼は変わらぬようで、中断明けから早速センターバックのスタメンに抜擢されました。

立ち上がり、ガンバのボールポゼッションが長くなる試合展開。
それを清水が守りを固めて迎え撃つという図式で、井林の加入で強化された(と思われる)守備陣の出来が試される事となりました。

前半3分に山本のミドルシュート、4分に矢島のエリア内右からのシュートとガンバがフィニッシュを見せますが、いずれもブロックで防ぐ清水。
粘り強さは見せるも、そこから反撃を仕掛ける道筋が整わず、ガンバの波状攻撃を浴びてしまう事に。
7分、最終ラインから山本→宇佐美→矢島スルーパスでエリア内右を突き、走り込んだ柳澤がクロス。
ファーサイドでペレイラがヘディングシュートを放つもゴールポストを直撃、跳ね返りを藤春がシュート(ブロック)と決定機。

清水が攻撃機会を得れない時間は10分過ぎまで続きますが、そこからようやく反撃開始。
ガンバの繋ぎのミスもあり、主導権を交代させて好機を作っていきます。
15分にヴァウドの右からの斜めの縦パスを中央でサンタナがポストプレイ、鈴木唯のリターンを受けたサンタナがそのままミドルシュート。
GK東口のセーブで右コーナーキックとなり、キッカー西澤の中央へのクロスをヴァウドが合わせヘディングシュート、しかしゴールポストを直撃。(その後サンタナが拾ってシュートも左サイドネット)
双方ポストを叩く惜しいフィニッシュが生まれた序盤戦。

一転劣勢になったガンバは、清水のビルドアップに対してハイプレスで対抗。
頂点のペレイラが果敢にプレッシングを掛ける姿が目立ちます。
前年までの広島で、口酸っぱく指導されて改善が見られた守備面は、移籍を挟んでも消える事は無かったようで。

24分に飲水タイムが挟まれたのちは、清水もパスを繋いでボールを支配する時間が増えていきます。
30分にはパスワークののち、河井のミドルパスを受けた片山から左サイドで攻撃。
クロスが上がるもクリアされ、中央で拾ったのち後藤がガンバ・三浦に倒されて反則、良い位置で直接フリーキックの好機を得ます。
しかしここはキッカー西澤の直接シュートは壁を直撃、再度の西澤のシュートもブロックされて先制ならず。

その後清水のCK攻勢を経て、再度ガンバに主導権が移るもフィニッシュには辿り着けず。
すると41分に清水がカウンターで好機を得て(シュートまではいけず)、以降はまたも主導権が清水に移り。
44分にはCKからの二次攻撃で右サイドへの展開から片山が手前からクロス、中央で合わせにいった井林が一旦ディフェンスに入られるも、こぼれ球をボレーシュート。(GK東口キャッチ)
アディショナルタイムに入って最初のチャンス、クリアボールをサンタナが収めたのち中央⇔左サイドで繋ぎつつ前進し、左から後藤がクロス。
ファーでサンタナがトラップし、ディフェンスに遭って混戦となり、こぼれを鈴木唯がシュートしますがゴール上へと外れ。
清水優勢という印象を残しつつ、前半をスコアレスで折り返します。

五輪期間での中断中も、活動停止の影響を受けて連戦をこなす事となったガンバ。
3節(7月27日・大分戦)からの3連勝で、降格への危険水域からは這い上がりを見せましたが、それでも状況は決して芳しくなく。

守備重視・相手に合わせたサッカーで急場を凌いでいるようですが、この日の倉田ボランチのように、ミスマッチ感も見られ。
それでも落とし込みを深める暇は与えられず、被害を受けても倒れる事無く走り抜けなければならないのが辛い所でしょう。
個々の能力は悪くない陣容ながらも、出場試合数10以上の選手が18人と、多くの選手を起用しつつの運営を強いられている状況。
そんな苦境打開のため、救世主というべき存在が欲しくなる所。

後半の入り、ともにロングボールを蹴り合うシーンを経て、フィニッシュに辿り着いたのは清水。
後半5分、片山のロングパスをサンタナが入れ替わって収め、エリア内左からシュート。
ブロックされて左CKとなり、キッカー西澤のクロスが跳ね返された所を、中央で拾った後藤がミドルシュートを放つもゴール上へと際どく外れ。

立ち上がりの好機を逃した清水、その後ガンバのポゼッションによる攻勢を経て、再度チャンスが訪れます。
54分河井の右→左へのサイドチェンジを片山がダイレクトで前方へパス、後藤のエリア内への切り込みを経て、リターンを受けた片山がシュート。
ブロックされて再びの左CK(通算7本目)、そろそろモノにしたい所で、西澤はニアサイドへのクロスを選択して井林がフリック。
中央に流れた所をサンタナが頭から跳び込み、見事合わせてゴールネットを揺らし、IAIスタジアムのゴールのファンファーレが鳴り響きます。
しかしボールに合わせたのはサンタナの手という事でハンドの判定でノーゴール、右腕を突き出して触れていた以上言い訳は効かず、サンタナに警告が突き出されて終了となりました。

これを機に主導権はガンバへと移り変わり。
12分には右サイドからの前進で、ペレイラへのパスがカットされるも矢島が繋ぎ、エリア内右からペレイラがシュート。
清水・ヴァウドのブロックを掠めてゴールを襲いますが、左ゴールポストを叩いて惜しくもゴールならず。
その後も前半同様に、ポゼッションを高めてパスを繋いで攻め込むガンバ。
一定のボールポゼッションを得たいのは清水も同様と思われますが、ガンバがハーフスペース利用・斜めの縦パスを多用するのに対し、清水はサイドチェンジとロングパスを多く使うといったこの日の図式。
どちらが良いかは不明ですが、この試合においてはガンバの方に軍配が上がっていたという印象でした。

劣勢となった清水が先に動き、17分に後藤・河合→中山・宮本へと2枚替え。(西澤が左SHへシフト)
20分に自陣でのスローインから好機を作り、左サイドでの西澤のドリブルから、開いて受けたサンタナからグラウンダーでクロス。
これに中山がエリア内へと走り込む絶好機でしたが、GK東口が前に出て来たため合わせられず。
23分には自陣で鈴木唯のパスカットからドリブル、左へ展開されて西澤のクロスが上がり、ファーサイドで中山が収めてシュート。(ブロック)
ガンバの攻勢の最中、それに冷水を浴びせるように清水が自陣からの速い攻めで決定機を生む展開になって来ました。

25分に後半の飲水タイムとなり、それに合わせてガンバも選手交代。
藤春・矢島→黒川・小野へと2枚替えを敢行し、第4クォーターへと移り変わりますが、打って変わって入りは清水ペースに。
30分にサンタナがエリア内右からシュート(サイドネット)とゴールを脅かされ、直後に再度2枚替え。
倉田・柳澤→奥野・山見へと交代し、小野がシャドー→右ウイングバックへとシフトします。(同時に清水も鈴木唯→滝へと交代)
山見は今季特別指定でチームに加わっており、これが初出場との事。
勝負所で(外野にとって)未知の選手を投入してきたガンバですが、これが大当たりとなりました。

33分左サイドから斜めの縦パス攻勢、キムヨングォン→山本→山見と渡って中央でシュートレンジに入り、果敢にミドルシュートを放つ山見。(GK権田セーブ)
早速良いシーンを作った山見でしたが、折りしもこの後主審(福島孝一郎氏)の機材トラブルで中断時間が生まれ、流れ的に危惧が。

しかしガンバはペースを維持する事に成功し、迎えた37分。
小野のロングパスを右サイドで山見が足でトラップ、これで清水ディフェンスの裏を取って前進。
そして切り返しで清水・片山をかわし、カットインでエリア内右へと進入してシュート。
斜め45度ぐらいからの巻くシュートが鮮やかに左サイドネットを捉え、先制ゴールを齎した山見。
抜擢した松波正信監督もベンチを飛び出しての歓喜に沸くガンバ、救世主は意外な所に潜んでいたようでした。

ビハインドとなった清水は、ジョーカーとすべく40分に指宿を投入。(西澤と交代、滝が左SHへシフト)
ポゼッションを強いられる立場の中、パスを繋いでクロスに持っていく攻撃。
41分には右サイドで中山がクロス、ブロックされたこぼれを原が再度クロスを入れ、指宿が合わせるも強すぎたボールをコントロール出来ず枠外に。
ATに入って最初の攻撃、右サイドから仕掛けると見せかけて松岡がミドルパスを通し、受けた滝がシュートするもブロックされたのちGK東口がキャッチ。
これでほぼ打ち止めとなってしまい、以降はガンバが時計の針を進めていく立ち回りで逃げ切り体制へ。

結局そのまま0-1でガンバが勝利に辿り着き、連敗を2で止める事に成功。
これでリーグ戦では次節までようやく1週間の空きを得(間に天皇杯4回戦がありますが)、束の間の休息は再浮上を果たす燃料となるでしょうか。

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