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DAZN観戦 2024年J1リーグ第28節 東京ヴェルディvs鹿島アントラーズ

2024-08-28 16:09:10 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは、染野・林・松村の3名が鹿島からのレンタル選手なため出場不可。(染野は累積警告での出場停止が重なり、巧く消化した感があり)

16年ぶりのJ1での戦いで、どのクラブと相対しても「懐かしの……」という気分にさせてくれるヴェルディ。
この日は降格経験無しの鹿島という、羨望せざるを得ない相手をホームに迎えての一戦となりました。

前年末の昇格決定後の、城福浩監督の「決してエレベータークラブになってはいけない」というサポーターに向けてのコメントを実現するためには、こうしたクラブと互角以上に渡り合わなければならない。
その相手から主力選手(染野・林に加え、今夏に松村も)を借り受けているという立場からしても、現状はお世辞にも対等とはいえないものであり。
彼らが不在の戦いで、チーム力を見せ付けて勝ち点を取る事が出来るかどうか。

試合開始からお互いロングボール主体という恒例の入り。
この立ち回りでは、染野不在でターゲットが木村のみとなっている状態のヴェルディはやや見劣りがするものに。
それ故、彼に代わって起用された山見が地上で違いを見せ付ける事となり。
前半5分、宮原のパスカットでこぼれたボールを中盤で確保すると、森田のパスをワントラップで濃野を剥がしつつドリブルに入る山見。
そしてそのまま左サイドを進み、カットインを匂わせながら奥まで切り込んでクロス(ファーの山田楓には合わず)と、早速その推進力を発揮します。

一方の鹿島は、最後方でボール保持に勤しみながら、(降りて来る鈴木を囮としつつ)ヴェルディのコンパクトな布陣の裏を突くロングボールを供給するのが主となり。
選手のクオリティで劣るヴェルディは、どうしても後ろに人数を残しておきたい(それ故のシーズン途中での3バックへの変更だろう)ため果敢なハイプレスは掛けられず、それをある程度許さざるを得ない守備姿勢。
ユニットで守るという方策も、前半戦はハイプレス主体だったためその術は見劣りする要素であり、必然的に5バックを保たんとする最終ライン。

7分に関川ロングパス→師岡収めを経て、濃野が放ったミドルシュートがゴール左へ外れと、一定の有効打を齎すその鹿島の立ち回り。
しかし全体的には、4日前に天皇杯ラウンド16(甲府戦、2-1)を挟んだためかスローペースの域を出ず。
ポゼッションで巧くペース配分しているうちは良かったものの、次第にヴェルディが主体的な攻撃を繰り広げるようになり乱れが生じる事となります。

23分、森田の縦パスから山田楓を経由して左ワイドで受けた山見、そのまま裏へスルーパスとペースを落とさずに攻撃。
ここは走り込んで受けた木村が関川のカバーを受けて遮断されるも、続く24分には綱島が持ち運んで仲間を剥がしたのち、遅攻を選択し翁長がゆっくりと持ち上がり。
そして左手前からクロス→流れたのち右からクロスと、ボックス内にボールを送り続けるもフィニッシュには繋がらず。

このタイミングで飲水タイムが挟まれ。
徐々にペースを握るヴェルディですが、その攻勢は脆弱な守備強度をカバーする側面もあったでしょうか、第2クォーターでは鹿島のパスワークに振られた末の反則チャージが目立つようになり。
度重なるチャージに、30分に縦パスを受けた鈴木が綱島に反則を受けた所で、激しい怒りを見せるという具合に苛立ちを隠せずとなる鹿島。

乱戦の雰囲気が膨らむなか、それを突くようにヴェルディは31分、最後方の千田のロングパスを木村が収めて好機。
左ワイドの山見に託したのち左ポケットへ入り込むと、その山見のカットインからのパスを、トラップで前へと置いてシュート。
しかしGK早川のセーブに阻まれ、1トップに訪れた決定機は活かせません。

鹿島は34分に、再び縦パスを受ける体勢の濃野が翁長に倒される形での反則、右サイドからのフリーキックに。
クロスの跳ね返りから二次攻撃に繋げる所、またも柴崎の縦パスを三竿が入れ替わらんとした所で翁長に反則を受け。
連続でのFKになると、今度は左ハーフレーン・エリアからも近めと接近した位置で、キッカー名古のクロスをニアに入り込んだ師岡がヘッドで合わせ。
フリック気味に放たれたこのヘディングシュートを、GKマテウスがセーブと際どく凌いだヴェルディ。
反則も辞さずで相手の攻撃を止めにいくなか、その副産物(FK)から点を取られる訳にはいかず。

セットプレー守備の時間が長くなったヴェルディ、攻撃機会すら得れない状況となり終盤へ。
43分に鹿島の攻勢の裏を突くように、ロングパスを受けた翁長が左からカットインシュート、ミドルレンジからコントロール重視で狙ったもののGK早川がキャッチ。
直後の鹿島の攻撃は右サイドでポゼッションに入り、戻しでプレスを引き込んだ所に植田縦パス→濃野フリックでその裏を突き。
受けた名古がパス&ゴーで、濃野のスルーパスに走り込まんとした所谷口に倒されてまたも反則、そして谷口に警告が付き出され。
とうとう被害が出てしまったヴェルディですが、この右ワイドからのFKで鹿島はサインプレーを選択し、キッカー名古はグラウンダーで中央へ横パス。
そして鈴木がダイレクトシュートを放つも、反応良く寄せた齋藤がブロックと対処しきります。

既にアディショナルタイムへ突入していた前半、山見のパスカットから最後の攻撃とばかりに矢印を反転させるヴェルディ。
右ワイドでボールキープする山田楓に対し、安西が倒してしまうも齋藤が拾ってアドバンテージと、今度は鹿島サイドが反則で止めに掛かるも果たせずという流れに。
そして齋藤から上げられたクロスをファーサイドで胸トラップした山見、そのままシュートを放ち。
ゴール上部を襲うも、バーを直撃と再度決定機を逃す形になってしまいます。
そして直後のゴールキックで再開、と同時に前半終了の笛が鳴り。

タイトな寄せが目立った前半の攻防ですが、後半も入りからそれは変わらず。
後半1分に山田楓が関川との競り合いで痛むというシーンで幕を開けたとあっては、どうしても反則塗れの流れを払拭する事は出来ません。
3分に名古が縦パスを受けにいく所を谷口に倒されて反則と、2度目の警告を貰いやしないかと冷や汗を掻く場面もあり。
これで得た鹿島のFK(位置は右サイド)、キッカー名古のクロスの跳ね返りを柴崎がボレーシュート(GKマテウスキャッチ)と、しっかりとフィニッシュに繋げ。

優位性を保たんとする鹿島ですが、6分に中盤でのサイドチェンジが繋がらず、ズレた所を翁長がダイレクトでスルーパスを送って逆にヴェルディの好機に。
受けたのは山見で、そのままハーフレーンから左ポケットへ突撃ののち、カットインからシュート(GK早川セーブ)と相変わらずその推進力は脅威であり。
ここからCK→左スローインと挟み、左ポケットを取った木村がカットインでゴールに迫らんとする所植田のチャージで倒され。
しかし反則の笛は鳴らず、三竿がこぼれ球を拾って鹿島のカウンターが齎され、右サイドをドリブルで運んだ師岡がエリア内中央へラストパス。
そして放たれた名古のシュートは、GKマテウスが足でセーブと、鹿島も前半から決定機をモノに出来ない流れに陥っていたでしょうか。

9分には今度は鹿島が敵陣深めでの右スローインからポケットを突くという攻め。
師岡のヒールパスを受けた濃野がカットインと、変化を付けての崩しを図ったものの、こちらも谷口のアタックで倒されて攻撃終了。
そして反則の笛は鳴らずに、逆にヴェルディのカウンターという同様の流れを作ってしまいます。
たまらず木村のドリブルを反則で止めた植田が警告を受け。

決定機逸・反則増という苛立ちを貯めかねない展開なうえ、お互い情熱系の監督がピッチ脇に立つ事により異議も盛んに飛ぶ状況に。
J2時代に累積警告によりベンチ入り停止という経験を持つランコ・ポポヴィッチ監督、その審判団へのクレームの付け方は相変わらずで、懐かしさを覚えるものであり。
しかし舞台はJ1で、歓声の大きさによりその異議も当時よりは目立たず。

その流れに従うかのように、13分に鹿島は裏へ一気にロングパスを送ると、抜け出して受けにいった師岡がクリアにいった谷口に押し潰されるような格好に。
しかし師岡のオフサイド判定が先に採られた事で無効となる、やや不条理な絵図を受けた鹿島サイド。
不穏な空気を打破すべく、直後の14分にベンチが動き仲間→藤井へと交代します。

この采配に伴い、藤井の突破力を活かすべく比重を傾ける鹿島の攻撃。
最終ラインからのビルドアップも、安西がボランチへと位置取りを変える状況が何度も見られます。
「偽SB」的なシステムにより、ワイドの藤井を働き易くする思惑は明らかであり。
16分には柴崎のパスを受けてドリブルに入った藤井、左ポケット奥まで切り込んでのマイナスのクロスと持ち味を発揮。
クリアされるも後方で拾った植田がそのまま遠目からシュート(千田がブロック)と、彼を守備網を切り崩す槍としつつ、他選手が仕留めるという流れにも期待が持て。

一方ヴェルディも、17分に山田楓→見木へと交代。
同じシャドーに入るも、見木が左・山見が右と多少配置換えが絡み。

直後の18分、(GK以外)全員敵陣に進入してポゼッションの体勢に入ったヴェルディ。
藤井の切り込みへと意識を変えた鹿島と反比例し、ボール保持の姿勢を見せに掛かると、綱島が最後方から持ち運びを選択。
慌てて前に出てきた鹿島ディフェンスを2人剥がしてエリア内へラストパスを送ると、位置を変えた山見が右ポケットでそれを受けた末にシュート。
これがGK早川のニアサイドを破るとともに、均衡も打ち破るゴールとなり得ました。
今季初めて鹿島からリードを奪ったヴェルディ。

喜びも束の間、目の色を変えて攻める鹿島と相対しなければならない状況と化し。
20分に三竿のスルーパスに抜け出した藤井を宮原が倒してしまい、反則・警告とともに、左サイド深めからのFKを与えてしまいます。
蹴る前に師岡→田川へと交代し、鈴木・田川の2トップへと布陣を変えた鹿島ベンチ。
このエリアラインからすぐ脇のFKでしたが、キッカー名古のキックはシュートかクロスか中途半端なボールになってしまう勿体無いものとなり。

スコアが動いたとはいえ、大きく変わる事は無い試合の構図。
25分にCKから二次攻撃を仕掛けたヴェルディですが、齋藤がドリブルで名古をかわしたものの、エリア手前で追走する名古に倒されてしまうも反則の笛は鳴らず。
そして鹿島がカウンターと、反則ギリギリの守備→カウンターという流れを繰り返すに至り、藤井がドリブルで右ポケットへ切り込んでシュートにまで繋げ。
ヴェルディは森田のブロックで防ぐも右CKになると、2本続いた末に2本目からの二次攻撃で決定機が齎され。
クリアボールを確保して再度キッカー柴崎の下に渡ると、今度は手前から角度を付けたクロスがファーサイドに上がり。
これを濃野が合わせヘディングシュート、GKマテウスにセーブされるもこぼれ球にすかさず反応し再度シュート。
しかしこれもマテウスにゴールライン際で脚でのセーブで防がれ同点ならず。
どうしても決められない鹿島と、こちらの面も繰り返すに至りました。

そしてヴェルディは、得点を果たしてもなお脅威となる山見が試合を動かしに掛かり。
28分に鹿島のCK(↑の決定機逸直後の)からカウンターに持ち込み、翁長のラフなロビングに追い付いた山見、そのまま持ち運んでカットインで中央へ。
そしてペナルティアークからシュートを放つも、必死に食らい付いた安西がブロックと、鹿島も死に物狂いで守り。

しかし飲水タイムが挟まれると、ヴェルディの自陣でのFKから再開。
GKマテウスは木村を目掛けたロングフィードを送ると、クリアするも小さくなり、出足良く拾った齋藤が左ポケットを突いてのシュート。
ファーサイドを突いたこのシュートをGK早川は何とかセーブしますが、山見の下へ跳ね返ってしまい万事休す。
追撃のシュートがゴールネットを揺らし、追加点を挙げたヴェルディ。
鹿島にとっては流れが悪ければ運にも恵まれずと言わんばかりに、持っている男の下に転がってしまってのゴールとなりました。

これで苦しくなった鹿島。
尚も反則により膨らむFKという不変の流れから、31分に藤井がミドルシュート。(ブロック)
34分にはヴェルディが、谷口がヘディングシュート(GK早川キャッチ)と齎されるフィニッシュ。

お互い好機が交錯するこの流れが続けば鹿島にとって不利ですが、35分にヴェルディは山見に足を攣らせる事態が発生。
仕方ないと言えばそれまでですが、この持っている男が退く事でヴェルディは失速を余儀なくされてしまい。
山見・木村→松橋・山田剛綺へ2枚替えを果たすも、以降攻勢に出る余裕は無くなります。

ひたすら敵陣でボールを繋ぐ状態に持ち込む鹿島により、ヴェルディは専守を強いられ。
スペースも無くなった事で藤井の突破力には頼れずとなるも、逆に右サイドから細かなパスワークで崩しを図る攻撃を貫き。
その末の41分、降りて持った鈴木の縦パスを受けた名古が右からアーリークロスを選択と、守備網が整わないうちにゴール前に上がるボール。
合わせにいった田川の前でGKマテウスがパンチングするも、小さくなった所を拾った藤井が無人のゴールへシュート。
これを綱島がダイブしてブロックするも、これが腕に当たったとしてVARチェックが入る緊張の一幕に。
映像的には綱島の肩辺りに当たっているものの、腕を開いての結果なため非常に判断の分かれる絵図。
OFRで入念に確認した主審・笠原寛貴氏の判定は、PKを告げるものとなり。
しかしそれによる決定機阻止(即ち一発レッド)の断は下されずと、間を取るものとなったでしょうか。

ともかくこれで得たPKを、鈴木がゴール左へと蹴り込み、GKマテウスに触れられるも無事にゴールゲット。
ようやく1点を返すとともに、それにより目安が11分と長くなったATに突入します。
そして鹿島は準備していた交代カードを切り、新戦力のターレス・ブレーネルを投入。(名古と交代)
同時に植田・柴崎→ミロサヴリェヴィッチ・樋口に交代と計3枚替えで、鈴木をCFとして田川が右ウイング・藤井が左WGの3トップとなり、三竿がセンターバックに降りるというまさに総動員体制に。
その後ヴェルディも最後の交代、翁長・齋藤に代えて深澤とチアゴ・アウベスを投入し、チアゴの1トップへとシフト。

コーナー付近に持ち込んで時間稼ぎを図るヴェルディに対し、鹿島は放り込みでも何でも良いから好機に持ち込みたいという展開に。
自陣からのFKでGK早川の放り込みから、ミロサヴリェヴィッチの落としをエリア内で拾った濃野のシュートが放たれますが、今度は綱島がハンドにならないブロックで防ぎ。

その後持ち込んだCKからも、ニアにクロス→三竿フリックでファーに流れたボールを藤井がボレーシュート、これも松橋のブロックで何とか防ぐヴェルディ。
この際ハンドの確認によるVARが挟まれましたが、今度は反則は取られず肝を冷やします。
何度もロングボールで脅かした鹿島ですが、これ以降決定的なシーンは作れず。
VARにより11分よりさらに長くなったATですが、無事に凌ぎきったヴェルディ。
実に19年ぶりの鹿島戦での勝利で、名実とともにJ2から階段を上がったといえる立場となったでしょうか。

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