太陽系7番目の惑星天王星は環と20以上の衛星に囲まれています。そのうちの4個と環が、すばる望遠鏡で、赤外線を使って写しだされました。左下にあるオベロン(Oberon)はシェイクスピアの「真夏の夜の夢」(A Midsummer Night's Dream)に登場する妖精の王様の名前です。「Midsummer」は「夏至」という意味に読まれた例も多いので「夏至の夜の夢」と言えます。地球の回転軸は軌道に対して傾いているので、地球が太陽を周ると太陽に対する回転軸の傾きが変わります。これが季節の変化と昼間の長さの変化の原因となります。夏至では、地球の北極が太陽の側にもっとも傾きます。このため夏至は1年のうちで昼が最も長くなります。地球の回転軸の角度は 23.4 度ですが、天王星の回転軸は 97.9 度傾いています。つまり天王星は横倒しになって回転しています。天王星で夏至が起こると軸がほぼ太陽の方角を向くことになり、天王星の大部分から見ると太陽が沈みません。つまり天王星には「夏至の夜」はないのです。日本では、今年の夏至は6月22日でした。
<注>: 右のイメージは変形しています。下記リンクから原版をご覧ください。
<出典>: 国立天文台(今週の一枚)