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2010年度入試を振り返る①

2010-06-06 13:36:32 | 大学入試
大手予備校各社が今年度入試の分析を完了し、分析結果を報告する時期になりました。

そこで、当ブログでは3回にわたって2010年度入試の分析をレポートし、
来年度2011年度入試を占う連載をスタート!!

まずは第1回、今年度入試の概況説明からさっそくいってみよ~


【2010年度入試 4つのポイント】

不況とセンター難化の影響を受けて、2010年度入試は以下の4つの特徴が指摘できます。

①不況を背景に国公立大人気は上昇し、国公立大志願者数は約1万4千人増

②センター試験平均点ダウンにより、少数科目で受験可能な公立大の志願者増加目立つ

難関大や医学科志願者は前年並み

教員養成系・看護系に人気が集まる


①の国公立大志願者数は約1万4千人増に関してですが、
この春の18歳人口は9年ぶりに増加しました。
これに伴い、国公立大、私立大の志願者総数も昨年を上回る数となっています。

今春は高校生の就職状況の低迷などもあり、
就職から進学へと切り替えた受験生も例年以上に多かったと考えられます。
この傾向は2011年度入試も引き続き踏襲されるでしょう。

相変わらず高い国公立人気が続きそうですが、
その中でも「安全志向」「地元志向」
つまり、
「できるだけ浪人を避けるために現役で受かりたい」(=「安全志向」)、
もしくは、
「学費・生活費の負担を抑えるために地元に残りたい」(=「地元志向」)
という2点は要チェックです。

通常、地方国公立大学(鳥取大学・島根大学など)の入試倍率は、隔年現象に支配されています。
隔年現象とは、ご存じの方も多いと思うけれど、
「前年の競争倍率が低ければ翌年は高く、逆に前年の競争倍率が高ければ翌年の競争倍率は低い」という現象です。
これによって、
競争倍率が 高い→低い→高い→低い・・・
を繰り返すのが一般的ですが、「安全志向」「地元志向」によって影響を受け、
競争倍率が 高い→さらに高い
可能性が十分にあるということになります。

地元に残ろうと思ってる受験生諸君、
センターと2次試験の配点比率、2次試験対策の早期の着手など、
センターだけではなくて二次試験を含めて、
受験をトータルで考えていく戦略性も必要になると思ってください!


次に②の少数科目で受験可能な公立大の志願者増加ですが、
センター試験難化の影響がはっきりと出ました。

国語、数学ⅡB、化学Ⅰ、物理Ⅰが難しくなったことから、
文系では数学を外して、理系では国語を外して受験できる公立大に志願が集中しています。
受験者数で09年度と10年度を比べると、
公立大 前期試験志願者数が54,863人→59,626人と約1割増加、
倍率も3.1倍→3.3倍とUPしました。

センターが難化すれば比較的起きやすい現象ですので、2011年度もセンター試験が難化すればまた起きるかも?
いずれにせよ、前述の「安全志向」「地元志向」の影響もあると考えてください。


③の難関大や医学科志願者は前年並みですが、
確かにセンター試験は難化したのですがセンター試験得点率が9割以上の受験生最上位層を見ると数は前年と変わりはありません。
また、国の方針として「医師数確保」をここ数年打ち出していたため、
医学部医学科定員はここ数年増加傾向にありました。

以上の2点から、難関大・医学部の志願者数はセンター難化の影響はさほど出なかったということになります。


教員養成系・看護系に人気が集まるについては、「不況」の影響により、ということが言えるでしょう。
これは今後も続きそうですね。


総じて、
「2008年のリーマン・ショック以降の景気低迷の影響が2010年度入試に影響を及ぼした」入試、と言えるでしょう。


今回はここまで!
次回は国公立大入試をさらに詳しく分析していきますので、乞うご期待!


データもしっかり把握したうえで、がんばれ受験生!