ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「三面記事小説」  角田 光代

2014-07-21 16:24:02 | 
 「三面記事小説」  角田 光代

      

「実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる」と書いています。
ここが「黒い報告書」と違うところです。
最初に、数年前に新聞に載った事件が紹介され、そこから話が始まります。
事件を起こした本人と当時の家族とのかかわりが書かれています。
六つの事件が取り上げられ、よく憶えている事件もあります。

「赤い筆箱」の主人公の高校生 実智のこころの葛藤には、悲しすぎるものがある。

「永遠の花園」の中学生は、初恋の教師と離れたくなく、友人と共謀して給食に薬を入れる。
 あまりにも、二人とも浅はかで幼すぎる。中高生って、こんなだったかな?

「彼方の城」の38歳の主婦は16歳の男子高校生を家に監禁してみだらな行為をする。
 まあ、こういう大人もいるので一概に「今どきの若い者は、、、」とは言えない。

「光の川」は年老いたアルツハイマー型認知症の母親を一人で介護する息子が、母親の徘徊や挙動に目が離せず
 仕事を辞めざるをえなくなり、相談に行った役所からは「若いから働けるでしょう」と援助も受けられない。
 体力的にも経済的にも困窮していく様は、他人事とは思えなく、これからの社会問題だと考えさされる。
 老々介護(65歳以上の老人が、連れ合いや親や祖父母を介護する)が51、2% 特別養護老人ホームの待機老人が50万人もいる現状。
 
 他「愛の巣」「ゆうべの花火」

事件は真実で、あとはフィクションですが、どうにもやりきれない作品ばかりで、よく書けていますが、
読み終わりは、しんどい作品です。本当の事件の主人公たちは、どのように立ち直っているのやら。

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  ありがとうございます。
          
コメント (2)
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