ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「夜市」  恒川 光太郎

2014-07-28 12:25:57 | 

   「夜市」 恒川 光太郎

         

第12回日本ホラー小説大賞受賞
受賞作の「夜市」と「風の古道」の2作収録。

(latifa)さんのブログで書いてあった、「私はフーイー沖縄怪談短編」が読みたくて、
本屋さんと古本屋さんに探しに行きましたが、見つかりませんでした。
棚に「夜市」が並んでいて、恒川さんのデビュー作と書いていたので、『まずはこれからでしょう』と買ってきました。
今度、「私はフーイー」は図書館に探しに行って、見つからなかったら、注文しようと思います。
2作とも幻想的な世界が描かれていて、読みやすくて、ホラーですが恐ろしさはなく、不思議な感じが面白くて一気に読みました。

「夜市」 
 
大学生のいずみは、高校の同級生の祐司に誘われて、公園のすぐ近くの森で開かれている夜市に行くことになる。
夜市では、妖怪たちがさまざまな品ものを法外な値段で売っている。
(黄泉の河原の石、なんでも切れる刀、老化が早く進む薬)など、有形 無形の望むものはなんでも手に入る。
裕司は子供のころ一度夜市を訪れていて、その時に「野球選手の器」と交換に弟を売ってしまっていた。
おかげで甲子園にも出られたが、弟のことがずっと気がかりで、お金を貯め、弟を買い戻しに再び夜市を訪れた。
夜市は、いつ開かれるかも、どこで開かれるかもわからず、今回は学校蝙蝠が教えてくれた。
また夜市は、一旦入ってしまうと、何か取引をしないと絶対に出られない。
弟はどうなっているのか、祐司といずみは夜市から抜け出られれるのか?引き込まれて読んだ。

「風の古道」

これも、この世の所々に開いている小さな入口から、別世界の古道に入り込んだ少年と友人のカズキの話。
戻ろうとするが、なかなか元の世界につながる出口(ほころび)が見つからない。
永久放浪者のレンさんと出会い、一緒に旅することになるが、ある事件でカズキが亡くなってしまう。
二人は、生き返らして連れて帰ろうと奔走するが、生きては出られるが、死んでしまえば古道の物になり、一切持ち出せない。
カズキが帰れなくて可哀相だった。  
レンさんと母親の話、どうしようもない悪人のコモリやレンさんを預かって育てたホシカワさんとの話など、
異世界の悲しい出来事を夢中で読み、私はこちらの作品のほうもとてもよかった。


  

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コメント (2)
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