酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「日馬富士事件」の不可思議

2017-11-16 08:52:33 | 社会
 大相撲の横綱日馬富士が同じモンゴル出身の力士・貴ノ岩をビール瓶などで殴ってけがを負わせていた「事件」が世間を騒がせている。

 ≪大相撲の東横綱日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に幕内貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=をビール瓶などで殴打して大けがを負わせていたことが14日、分かった。

 日馬富士関は同日午前に福岡県太宰府市の朝稽古後、報道陣の取材に応じ「このような貴ノ岩のけがについて、貴乃花親方、貴乃花部屋の後援会の皆様、相撲協会、部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。暴行を事実上認めた。日馬富士関は同日の九州場所3日目から休場する≫=14日・産経com=。

 日馬富士が鳥取での巡業中に開かれたモンゴル人力士の懇親会の席上、貴ノ岩をビール瓶などで激しく殴打、かなりなけがを負わせていたのは事実らしい。スポーツ紙などでは日馬富士の酒癖の悪さは有名―などと報じている。貴ノ岩の態度や言動にも問題はあったのだろうが、日馬富士の逆上ぶりは常軌を逸しており許されるものではない。刑事事件として立件され、解雇→角界からの永久追放処分が相当と思われる。

 隠ぺい体質、後手後手の処理など相撲協会の前近代ぶりも糾弾されて当然だ。だが、この「事件」は不可解なことが多い。

 その多くは貴ノ岩の師匠である貴乃花親方に絡む。 

 ≪大相撲の東横綱の日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に平幕の貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=を殴るなどの暴行を加えて大けがを負わせた問題で、貴乃花親方が14日までに、鳥取県警に被害届を提出していたことが分かった≫=14日・産経com=。

 ここでは「14日までに」被害届を出したとなっているが、NHKなどによると被害届の提出は10月29日。NHKの伝えるとおりだとすれば、貴乃花親方の行動や説明は不可解極まる。

 ≪貴ノ岩の師匠の貴乃花親方は、先月29日に警察に被害届を提出し、警察は傷害の疑いで捜査を始めました。しかし相撲協会によりますと、巡業の責任者の巡業部長でもある貴乃花親方から危機管理を担当する理事にこの問題の報告はなく、相撲協会が把握したのは暴行からおよそ1週間後の今月2日、警察の連絡によるものだったということです。相撲協会は、翌日には貴乃花親方に電話で事情を聞きましたが、貴乃花親方は被害届を出したあとにもかかわらず「暴行を受けていたことは知らなかった。『階段から落ちてけがをした』と聞いていた」などと説明したということです≫=15日・NHKnewsweb=。

 被害届を出していながら「階段から落ちた」と説明するとはいったいどうなっているのだろう。事件発覚後、伊勢ヶ浜親方と日馬富士が謝罪に訪れた時の対応も変だ。二人が出向いてきたのに気付いていながら? 無視して車で走り去ったという。怒り心頭だったから会わなかった、とでもいうのだろうか。

 伊勢が浜は協会理事の中で数少ない貴乃花派とみられ、昨年の理事長選では現理事長の八角ではなく貴乃花1票を投じている。二人の気脈は通じ合っているはずなのに、この擦れ違いぶりも理解できない。

 いずれにせよ協会がまた大揺れするのは必至である。協会と貴乃花の動きから目が離せない。
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「トランプカード」はこうして使う

2017-10-18 15:33:35 | 政治
 アメリカのトランプ大統領が来月5日に来日することが正式に決まった。「盟友」安倍晋三センセイはこれを衆院選終盤の追い風に利用しようと懸命らしい。といっても、落ち目のトランプを呼んでもインパクトは知れている。そこで官邸がない知恵を絞ってひねり出したのが拉致被害者との面会だろう。

 ≪【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウスは16日、トランプ大統領が11月に予定しているアジア歴訪で、同月5日から日本を訪問し、北朝鮮による日本人拉致被害者の家族と面会すると正式に発表した≫=産経com=。

 安倍は12日の新潟県内での街頭演説で「トランプ米大統領が11月初旬に来日した際、北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの両親と面会する予定だ」と明らかにし、9月の日米首脳会談でトランプ氏訪日時の横田夫妻との面会を要請したと説明した。この時点で安倍はすでに衆議院の解散を決めており、選挙にトランプカードを使うことを考えていたに違いない。

 拉致被害者と米大統領が面会するのは3代連続となるが、過去2回の成果はゼロ。今回もトランプが勇ましい言葉を吐くにしても、実際の効果は見通せない。蓮池薫氏の兄・透氏はツイッターで「意味がない。横田早紀江さんはブッシュ、オバマ両大統領にも会っている。これ以上横田さんを利用するな。かわいそうだよ」と述べている。

 トランプと言えば国務長官から「無能」呼ばわりされ、まともに相手をしてくれるのはホワイトハウスの身内だけという惨状だ。針のむしろ同然の米国内にいるより、ゴロニャーンしてくれるソンゾウらがいるアジアで息抜きを―ということでの日中韓歴訪だろう。ゴルフの日程が組まれているのがその証である。

 ≪トランプ米大統領が11月5日に来日した際、安倍晋三首相と「霞ケ関カンツリー倶楽部」(埼玉県川越市)でゴルフをする方向で調整していることがわかった。プロゴルフ選手も同席する見通しだ。6日には首脳会談を行う予定。複数の日本政府関係者が明らかにした。

 安倍首相は昨年11月、大統領就任前のトランプ氏と会談した際、ゴルフクラブを贈呈。今年2月の訪米時にはトランプ氏所有のコースで、計約5時間にわたり共にプレーした。この時に世界情勢についてトランプ氏と長時間語り合ったことが、現在の首脳間の親密な関係につながったとの思いがあり、今回も「ゴルフ外交」を重視している≫=朝日degital=。

 シンゾウとドナルドの田舎芝居、さて何が飛び出しますか??
 
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日朝ミサイル狂想曲!?

2017-08-29 17:17:53 | 政治
携帯がけたたましい音を立てる。ン、地震か? 寝ぼけ眼をこすって見ると「北朝鮮西岸からミサイルが東北地方の方向に発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」。こんなお知らせが二度も。頑丈な建物なんかねえし、地下室がある訳もない。ったく何を仰ってるのやら…。

 直後からNHKはミサイル報道一色。まさに戦時報道ですね。ミサイルはとっくに太平洋に落下してるし、被害なんかありそうもない。なのにこの大騒ぎ、何かがくるっている。

 空襲警報まがいのJアラートを連発して「平和ボケ」の日本人を覚醒させるー。こんな狙いが隠されているのかと疑いたくなる。「やっぱ強力な軍隊が必要でしょ。だから改憲」という方向か。メディアは揃いもそろって政府のお先棒を担ぎ、「大変だ、大変だ」の大合唱だ。桐生悠々の「関東防空大演習を嗤う」とまではいかなくても、ミサイル対処策の怪しさについて述べるものはいないのか。北の核・ミサイル開発とわが国の「防衛力」強化の平仄が合っているのはなぜなのか。こうしたことを考え、伝えるのがメディアの役割だろう。政府と一体となってミサイルをはやしてどうなる。

 おかしいと言えば河野太郎だ。安倍に取り込まれたと思っていたら今回のミサイル発射ではこんな大ボケをかました。≪記者団が北朝鮮が砲撃を予告していたグアム周辺ではなく、北海道周辺に撃った狙いについてただすと、「(グアム方向の)南に向けて打てば、今まで(北朝鮮が)それなりの挑発をし、米国がそれに対して対応をとってきたことを考えれば、北朝鮮がそれに少しひるんだということではあるのだろう」と分析した≫=ハフポスト。

 こういう発言こそ「挑発」というのだ。怖くてできないんだろと言っちゃったわけだからね。

 メディアや政府は北の核実験やミサイル発射を「挑発」と呼んでいるが、あまり正確な言い方ではない。むしろ米韓軍事演習などが挑発で、北の発射はそれに乗ったものと考えられる。実力で圧倒的に劣っている方は挑発などできないのだ。

 日本のメディアが大騒ぎすればするほど金正恩は大喜びだろう。
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老残をさらす田原総一郎センセイ

2017-07-31 08:49:39 | 政治
 「メディア芸者」田原総一郎がまた何やらうごめいているらしい。いっぱしの国士を気取るこの御仁、最高権力者に招かれての〝ご進講〟に大はしゃぎだ。

 ≪ジャーナリストの田原総一朗さんが28日、首相官邸で安倍晋三首相と約1時間面会した。田原さんは面会後、記者団に「首相に『政治生命をかけた冒険をしないか。安倍さんが今やるべきことだ』と言った」と説明。「冒険」の具体的な内容については明かさなかったが、「そのうちに分かると思う。そんなに遠くもたないじゃない、安倍内閣は」などと語った。
 
 この日の面会は、田原氏が首相周辺に対し、「冒険」の具体的内容について話をしたところ、それを聞いた首相から田原氏に「会いたい」と求め、設定されたという≫=朝日新聞7月29日朝刊。


 田原は最近の自身のブログでは次のように述べている

 ≪東京都議選は、自民党の大敗に終わった。東京都の選挙ではあるが、話は東京都だけに留まるものではない。これはやはり国民すべてが、安倍晋三首相に、愛想を尽かしたということだろう。

 2013年の特定秘密保護法の成立、15年の安全保障関連法の成立でも内閣支持率は下がった。ただ、それは一時的なもので、支持率はすぐに回復している。
このときはまだ、多くの国民は安倍首相の思いを理解できていたからなのだろう。だが、「共謀罪」の強行採決、「森友学園」と「加計学園」の問題が続けて起きてしまった。これには、さすがに多くの人が安倍首相を理解できなくなった。

 「森友学園」問題は、それでも財務省がふんばったせいか、決定的なものは出てこないまま終わった。

 そして、「共謀罪」法案については、安倍首相の意図が透けてみえた。高い内閣支持率に乗じて、「この際、やってしまおう」という意図だ。いわば「自信過剰」の結果だ。
さらに、「加計学園」問題だ。ここに至って、国民の大多数が、友だちへの「えこひいき」だと感じてしまった。さすがに安倍政権に「ノー」と思ってしまったのだろう。前川喜平前事務次官による、「行政がねじ曲げられた」という証言が、それを裏付けたと言ってもいい。多くの国民がかなりの不信感を抱き、支持率の低下につながったのだ。

 従来の自民党であれば、ここまで来たら「安倍やめろ」の声があがっただろう。かつて何人もの首相が、そうやって辞めていった。これまで自民党は、このようにして数々の危機をしのいできた。これを党内の「自浄作用」と言うらしい。

 しかし、いまそんな声は一切あがらない。これからあがる気配もない。なぜか。僕は、自民党が硬直化しているからだと思っている。劣化していると言ってもいい。そのうえ安倍首相の周りは、イエスマンばかりになってしまっているようだ≫=7月15日・田原総一郎公式サイト。

 公式サイトで述べていることが本音だとすると、田原は安倍に「すっぱり辞めるという冒険はどうだ」と提言しなければならないはずなのだが、おそらくそんなことは言ってはいまい。

 今の安倍内閣に「冒険」を持ちかけること自体異常である。法規や慣例を犯した「冒険」の数々は安倍政権の専売特許の感がある。これ以上の「冒険」とは…。政治生命が尽きようとしている安倍に「政治生命をかけた冒険」を囁くあたりに、焼きが回った田原の今がうかがえる。

 最高権力者に招かれてぐだぐだになってしまう政治評論家は田原にk議らない。保守本流の後見人ともいわれる森田実もその一人だ。うな重をほうばりながら、安倍のご機嫌をうかがったらしい。安倍の健康不安説については「首相に会ってもいない記者が流している」。ご自身も安倍に会うのは2年ぶりとか、よく言うものだ。

 共同通信系地方紙の講演会でこれらを得々としてしゃべったのち「安倍さんは解散を断行すべきだ」と締めくくった。安倍に解散の大義など一分もない。このお方も老害というべきか。

  
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読売新聞、頑張る!?

2017-06-02 09:29:36 | メディア
 安倍首相から「詳しくは読売新聞を熟読して」と持ち上げられた読売新聞が、またまた忠勤に励んでいるようだ。先月30日付けの「公務員獣医 定員割れ7割」の記事がそれである。

 ≪鳥インフルエンザ対策などで中心的な役割を果たす公務員獣医師について、都道府県の7割超が2016年度、募集定員を確保できなかったことが分かった。獣医学部の新卒者らが民間の動物病院を選ぶ傾向が強まり、成り手が不足しているためだ。給与上乗せなどを打ち出す自治体も多い。読売新聞が全都道府県にアンケートを行い、16年度の採用状況などをたずねた≫=30日朝刊。

 一見どうってことのない記事である。だがなぜこの時期に「獣医師不足」を取り上げるのか。加計学園による今治市への獣医学部新設問題が火を噴いている最中に…。記事には加計のかの字もないが、「獣医学部の新設は必要」との世論形成を目論んでいることは疑いない。

 安倍や官邸サイドは「総理の意向」云々は脇に置いて、地元の要望・岩盤規制の打破・獣医学部新設の必要性-を強調することで事態を乗り切ろうとしている。この記事はそれを側面から補強するために書かれたのだろう。

 「家畜よりペットを診たいという学生が多いうえ、民間に給与面で劣る」などごく普通の記事っぽく装われてはいるが、衣の下が透けて見える。≪アンケートでは28府県が『公務員を志す獣医学部生がそもそも少ない』などと訴え…≫=同。獣医学部のパイ全体を膨らませれば、公務員志望の学生も増加する―とにおわせているのだ。

 やっぱ獣医さんて足りないよね―こうした声が国民の中なら出てくれば、この記事は大アシストである。

 それにしても晋三君、「私の意向かどうかは、確かめようと思えば確かめられる。次官であれば『どうなんですか』と大臣と一緒に私のところに来ればいい」「なんでそこで反対しなかったか、不思議でしようがない」とはよくおっしゃいますね。私的な席での政策批判?をとがめられて更迭された外交官でなくてもそう思いますぜ。
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ゾンビ化する宮崎駿!

2017-05-20 08:53:37 | 話題
 2013年に何度目かの引退を宣言、今度こそ引っ込むかと思われていたアニメ監督の宮崎駿がまたまた現場復帰するという。これまで何度となく「やりたいことはやった」「もうアニメはおしまい」などと引退をにおわせ、舌の根も乾かないうちに復帰するということを繰り返していた宮崎。いかにも、という話ではあるが、そもそも芸術家?が「引退」などと口走ること自体がおかしい。逆に言うと宮崎は芸術家ではなく職人、手が利かなくなったら退くというぐらいの意味で「引退」「引退」と言っていたのではないか。

 宮崎が初めて引退を口にしたのは「天空の城ラピュタ」が公開された1986年。「人生で最高に引退したい気分」だったらしい。1992年に「紅の豚」を制作した時にも「もうアニメはやめ」などとのたまい、その後も一作創る度に「これが最後」を繰り返してきた。本当に懲りないお方、狼老人ですね。
 映画監督で「引退」などと公言する人は少ない。創れなくなれば消えていくのみであり、意欲がある限り新たな作品作りと格闘する。100歳近くになって新作に挑んだ新藤兼人をはじめ高齢監督は数知れない。宮崎の思考法は彼らとは違う。アニメと実写の違いなのだろうか。スタジオジブリは今回の「復活宣言」について「作るに値する題材を見出したから」と述べている。宮崎が作るに値する題材を探していたということである。つまり「引退」は見せかけなのだ。

 《長編制作からの引退を表明していたアニメーション映画監督の宮崎駿はやおさん(76)が、「引退撤回」を決断したことが19日明らかになった。スタジオジブリの公式ホームページは同日、新作長編の制作スタッフの募集告知を掲載。「ここに至り、宮崎監督は『引退撤回』を決断し、長編アニメーション映画の制作を決めました。作るに値する題材を見出みいだしたからにほかなりません。年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう」などと記した。同スタジオによれば、今年秋からの制作を目指している。公開時期などは未定だという。

 宮崎監督は2013年9月、体力の衰えなどを理由に「風立ちぬ」を最後に長編制作からの引退を発表したが、今年2月、同スタジオの鈴木敏夫プロデューサー(68)が米アカデミー賞関連イベントで新作長編の準備を進めていると明らかにしていた。また、短編については、新作「毛虫のボロ」を既に完成させたという》=読売online=。

 宮崎の頭には「現役監督なら次々と作品を生み出さねば」という強迫観念がある。だから数年に一度「引退」を口に出すことで作品の構想作りから逃れる必要があるのだ。悲しい性というほかない。鈴木敏夫ら制作側にとっても引退―復帰は最高の話題づくりになる。ファンは宮崎作品にお目にかかれて大喜び―三方得のお芝居でした!!

 宮崎はまだ76歳、あと何度引退、復活を繰り返してくれるか。ゾンビ宮崎頑張れ~。
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稀勢の里に休場を勧める

2017-05-10 15:27:48 | スポーツ
 14日初日を迎える大相撲夏場所が空前の人気だという。前売り券は全て完売、当日券も手に入れるのは難しそうだ。それもこれも稀勢の里人気である。19年ぶりとなる日本人横綱、加えて春場所でげがを抱えながら奇跡の逆転優勝。初めて東の正横綱に座る夏場所が盛り上がらないわけがない。だが、肝心の稀勢の里、果たして相撲を取れる状態なのだろうか。本人は「まあ、しっかりやるだけ」と出場か休場かについてはぼかしているが、とても「休みます」と言い出せる雰囲気ではない。

 土俵に降りて稽古を始めたのは今月に入ってから。関取衆と胸を合わせたのは初日1週間前でしかない。9日には役力士とも申し合いをしたようだが、映像を見る限り負傷した左の使い方はぎこちない。強く左をおっつけられると力を抜いてしまうシーンも見受けられた。「場所には間に合う」(二所ノ関親方)の見方もあるが、北の富士勝昭さんは「左が使えてない。万全には程遠い」と不安視している。

 いうまでもなく大相撲は世界でも最も激しい格闘技の一つだ。しかも今日の相撲はガチンコ、手抜きがない。だから怪我も多い。照ノ富士、遠藤らが低迷しているのも怪我を押して本場所に出続けているせいだろう。稀勢の里の故障部位は幸いにして?上腕部である。これが下半身ならとても相撲は取れない。

 力士として本場所で取りたいのは当たり前だ。しかも全力士のトップに君臨する横綱、意地でも出るという気持ちかもしれない。だが、稀勢の里は角界の至宝、無理をさせてはいけない。左腕は稀勢の里の生命線、万一怪我を悪化させれば力士生命に関わる。左をかばって変な相撲を取れば、別の箇所を故障する恐れもある。

 稽古場と本場所が違うくらい親方も横綱も熟知しているはずだ。周りの熱気に煽られて強行出場するのは考えものだ。白鵬に衰えが見え、日馬富士、鶴竜は「10勝横綱」である。これからしばらく大相撲を背負っていくのは稀勢の里を置いてない。だからこそ、ここは自重すべきだ。
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真央引退協奏曲?

2017-04-12 15:51:24 | メディア
 フィギュアスケートの浅田真央が競技からの引退を表明した。

 《フィギュアスケート女子の五輪銀メダリスト、浅田真央選手は12日、東京都内のホテルで記者会見を開き、「選手生活を終える決断をしました。長い選手生活、たくさん山があった。乗り越えられたのは支えてくれた方やファンの方のおかげ」と述べ、現役引退の意向を改めて表明した。

 会見で、浅田選手は「練習するにつれ、試合に出るにつれ、(他の選手に)ついて行けるのかとの思いが出た。前よりつらいことが増えてきた」と説明。昨年12月の全日本選手権後に「もういいんじゃないかと思えた」と引退に至る心境を明かした。
 この日の記者会見には海外メディアも含めた数百人の報道陣が集まり、注目の高さをうかがわせた》=日経Web=。

 10年以上にわたって女子フィギュア界の頂点を争ってきた選手であり、国民的アイドルだからメディアがそれなりに扱うのは当然である。ただ程度というものがある。NHK昨夜7時のニュースはトップで10分以上も「浅田引退」を伝るフィーバーぶり。これは異常だ。ほかに伝えるべきことがないならまだしも、東芝、G7外相会議、シリア情勢などが目白押しというのに…。

 なぜこうなるのか。①浅田が人気者だから②大きく伝えても誰も文句は言わない③評価の難しいニュースを素通りできる-まあこんなところだろう。毒にも薬にもならず、「みなさま」から喜んでいただけるニュースを提供するのがメディアの使命と考えているのだ。

 こういう報道にばかり接していると、世の中が分からなくなる。

 「アメリカの決意を支持する」とは安倍晋三の迷言だが、トランプがいきなりシリアをミサイル攻撃したことに対するメディアの反応は鈍い。シリア軍が化学兵器を使用したという確証や国連決議がないままの武力行使は明らかに国連憲章違反だろう。少なくともそれぐらいは指摘してくれないと…。

 馬鹿な指導者が世界中に現れ、もっと馬鹿なメディアがそれをもてはやす。いや~困った世の中ですな。

 
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「プレミアム」読売!!??

2017-02-25 09:36:05 | 話題
 安倍内閣が鳴り物入りで始めた「プレミアム フライデー」。大半の国民は俺には関係ねえ―とそっぽを向いたが、「政府広報紙」読売新聞だけは一人大はしゃぎ、プレミアムな一日になったようです。

 昨日、24日の読売新聞を見て、ぶったまげた。金色に彩られた「プレ金」の全面広告がなんと7ページにわたって大展開されているではないか。加えて25面(甲信越版?)には「プレミアムフライデーの知恵」とっ銘打った記事体広告も掲載されている。世界一の発行部数を誇る読売にこれだけの広告を載せると、一体いくらかかるのか。スポンサーは誰??

 政府広報かと思ったがそれらしきものはない。隅っこに「METI」の文字と青いロゴ、へー、経済産業省の仕業だったのか。なぜ経済産業省と明記できなかったのか、不思議である。

 読売新聞のはしゃぎっぷりは広告だけではない。本日、25日は1面、2面、4面、34面を使って「プレ金」の普及にこれ努めている。1面の見出しはこうだ「『プレ金』夕日に乾杯」。2面はずばり「プレ金 広がりを期待」、4面は「アフター3も総活躍」―岸田外相、加藤一億総活躍相らが早帰りを満喫したとある。さすが政府広報紙の面目躍如ですな。そして社会面には「3時退社 さあ遊ぼう」 いい気なものですね。こんな新聞を作っていて恥ずかしくないのだろうか。

 日本経済新聞の社説でさえこう述べる「月末の金曜日は仕事を早めに切り上げようという「プレミアムフライデー」が、きのう始まった。消費の喚起と働き方改革の一石二鳥をねらって、政府と経済界が主導した企画だ。

 毎月1回、数時間だけの早帰りに、どれだけの経済効果があるのか、冷ややかな見方はあろう。導入する企業が一部にとどまっているのも、事実だ。

 「金曜日の消費が増えても土日分の先食いに終わるのでは」「前日の残業につながらないか」といった疑問の声もある。時給制で働く人は収入減になりかねないという懸念も聞かれる」。

 次回は年度末の3月31日、またやってくれますか?読売さん!!
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正男くん毒殺!!

2017-02-15 16:26:55 | テレビ
 トランプ劇場にかまけているうちにとんでもない事態が起きた。ディズニーランドが大好きな北朝鮮の金正男がマレーシアで毒殺されたというのだ。

 《【ソウル聯合ニュース】韓国の政府消息筋は14日、北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄である正男(ジョンナム)氏が13日午前(現地時間)、マレーシアで殺害されたと明らかにした》

 昨年夏以降、核実験やミサイル発射を繰り返し国威発揚を図っていたはずの北朝鮮だが、体制の動揺と混乱は容易ならざるところまできているようだ。下の朝日の記事にあるように、金正恩がかねて正男を亡きものにしようと考えていたことは疑いない。だが、手は下さなかった。というか、下せなかった。母違いとは言え、兄である。実行した場合、国内はもとより中国などから強い反発を受けるのは必至である。「慌てて殺る必要はない」。

 だが、ここに来て正恩の尻に火がついてきた。金王朝を支える最側近らが次々と処刑されているのがその表れだ。国民から強制的に金を巻き上げ、軍備増強に当てる。これだけでも不満が爆発寸前なのに、王朝の大官たちは私服を肥やし、優雅な生活を楽しんでいる。昨年夏、韓国に亡命した元駐英公使のテ・ヨンホは先月「(北朝鮮国内で)急激な変化があることもありうる。政権もそのことを熟知している」と述べている。

 《韓国の情報機関、国家情報院は15日午前、北朝鮮が故金正日(キムジョンイル)総書記の長男、金正男(キムジョンナム)氏の暗殺を5年前から計画していたと、国会情報委員会に報告した。同委所属議員が明らかにした。正男氏は6日にマレーシアに入国した後、13日に家族が住むマカオに赴く途中、殺害されたという》中略《2011年12月の金総書記死去後、正男氏の立場は急速に悪化。異母弟の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の指示によって殺害される可能性があるとの指摘が韓国内で出ていた。殺害の動機について、国情院は「金正男氏の暗殺は、金正恩政権樹立後、必ず処理すべき命令だった」と説明。12年ごろから、暗殺の動きが具体化したという。

 韓国政府は、正男氏が「白頭山血統」と呼ばれる北朝鮮指導者の家系である以上、正恩氏の指示や許可なしに正男氏を殺害することはできないとみている。

 ログイン前の続き正男氏の前妻と息子は北京に、後妻とフランスに留学経験があるキム・ハンソルさんを含む1男1女はマカオに住んでおり、中国の保護を受けているとした。正男氏は12年4月、正恩氏に対して「私と私の家族を生かして欲しい」という私信を送ったという。》=朝日DEGITAL

 正男を殺害したということは、それだけ正恩が体制の危機を感じているということだ。精神状態も相当悪化しているに違いない。「殿ご乱心」と諌める側近は全て排除されたようだ。この男の暴走が怖い。トランプの過剰反応も気がかりだ。

 
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