酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

ウィキリークス

2010-12-01 06:18:54 | Weblog
 ウィキリークスが20万点以上に上る米外交文書を順次公開し始めた。
米政府は大慌てだ。クリントン国務長官は「米外交の利益に対する攻撃
というだけでなく、国際社会への攻撃だ」とヒステリックな声を張り上
げ、刑事訴追に乗り出す構えも示した。

 対米追随を旨とするわが外相・前原誠司は「犯罪行為だ」と断言する
一方、日本関係文書の真偽については確認を避けた。

 しばらく世界の外交関係者は息を詰めて何が掲載されるかを見守るこ
とになる。その意味では、極めて「罪つくりな」暴露といえよう。

 今回のリークには、イラク情報のときより厳しい反応が目立つ。与え
た打撃が広範囲かつ深刻ということだ。各国外交が傷ついたのは間違い
ない。だからといって、このリークを「悪事」と決め付けるのは正しく
ないだろう。

 たとえば、日本の国連安保理入りについての中国の評価。「10カ国に
増えれば米中の影響力が低下する」「中国国民の誰も日本の常任理事国
入りを喜ばない」…。外交とはこういう形で展開していくのかと、実に
参考になる。

 各国首脳評は世間で言われていることをなぞったようなもので、言わ
れた当人も「またかよ」といったところではないか。「人の悪口は、本
人の前で吐けるぐらいのものにとどめておけ」という格言が思い出され
る。

 この暴露で外交関係が危うくなるようなら、そもそもその2国間関係は
ギクシャクしているのだ。ウィキリークスを誉めそやす気はないが、叩
き潰してはいけない存在だろう。
コメント
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