Chef's Note

『シェフの落書きノート』

拘り(こだわり)

2007-11-16 | 自由 気ままな独り言
この前、深夜番組を観ていたら…
青木さやかの『私は、こんなことに怒っている!』
…という内容のバラエティー番組をたまたま観た。

そこである芸人さんが…
『飲食店で…こだわりの…』
…とか良く目にするが…

プロがやっているんだから『こだわっていて当たり前!』
そう思わないですか?
逆にこだわってなかったら、怖いよね…。
…と怒っていたョ。

それを聞いて、僕は何故か微笑ましくなってしまったのですョ。
こんなことを感じている人がいることが嬉しい。

「こだわってますね~!」
…と、僕もよくお客様に言われます。

「えっ?そうですか。これ位は普通ですので…。ものすごく特別に拘っているつもりはないんですよ」
…と答えると…

たいていのお客様はキョトンとされる。

なんにも拘らないお店が多くなったのかな?
…と思う。
特に、とりたてて拘っているとは思っていない。
それは、昔も今も変わらない。

自分が納得できているものを食べていただきたい…。
もし、それができていないのなら…。
料理を作るのをやめるかもしれないと思う。
それは、僕の中では、素直な選択。

だって、料理を作る意味がなくなってしまうもの…。
もし、お客様の笑顔に出会えないのなら…
今までやってきたことなど、無に等しいと思う。

『こだわり』があって然るべき!
僕もそう思う。


話は、深夜番組に戻るが…

彼は、つけくわえた…
「飲食店のメニューって、最近やったら長い名前の料理が多すぎないか?」

「『美しいエトランゼのために…』とか料理とは何の関係もないことをウダウダ書いてある長ったらしいタイトルのメニューが…。あれってなんとかなりません?」

笑ってしまった!
そうだよね~。
その通り!

いつ頃からだろうか?
タイトルだか料理説明だか…わからないメニューをだしている店が出現したのは…。

東京の飲食業界は、競争が激化して…
色々と新しい方向性を模索しているのもわかるけど…
訳のわからない方向へ進んでいる店も増えた気がする。

もう少し時間がたったら、収集のつかないところまで行くのかもしれない。

僕は、それはそれで面白いと思う。
あくまでお客様は、自由に行く店を選べるわけだから…
楽しい話を聞く機会がふえるわけだ。

昔のように…
東京の飲食店事情は…
「プロを目指し、プロが切磋琢磨して、美味しいものやサービスを提供しよう!」
…という意気込みある数少ない人や店をのぞいては…
プロフェッショナル全盛期の懐かしい時代には戻らない気がする。

希少価値といわれる店が、年々減っていくのも時代の流れ…
それも仕方のないところだろうと思う。

関西圏のように懐深く…
『お客様が店を育てる』
そんな文化が、残っていれば…
東京の名店はいつまでも残ることだと思う。

それは、お客様の意思に、まかせる他ないよね…。








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