猫だから

2004年9月。
変な模様のあんまり可愛くない子猫が迷い込んできた。
予想通り溺愛する自分にあきれつつ。

娘入院、思わず涙

2005-09-10 21:05:28 | 
迷い込んできた猫がメスだと分かったときから避妊手術のことは考えていた。

引っ越し先に連れてゆけるかどうかはまだ分からなかったが

この子一匹なら妹のところに預けることもできる。

しかし子猫までは無理だ。

里親探しに東奔西走する羽目になる。

生木を裂くようなことをするくらいなら初めから産まれないようにしたほうがいい。

多分、避妊、去勢手術の道を選んだ飼い主のほとんどが

罪悪感や後ろめたさを感じていると思うが割り切るしかない。

しかし、手術のために前の晩から病院に預けたときには

看護婦さんの前で思わず涙ぐんでしまった。

それまで飼っていた犬たちはみなオスだったし、病気もしなったので

飼っている動物が手術を受けるというのは初めてである。

「何かあっても一切文句を言いません」みたいな紙にサインさせられて

何かって何よ。

麻酔の合わない体質だったらどうしよう?

死んでしまったらどうしよう?

わたしが勝手に手術しようなんて思わなければいっぱい子供を産んで長生きできたかもしれないのに。

とかとか色々勝手に想像して病院からの帰り道も涙。

翌日は仕事していても携帯に連絡が入るんじゃないかと気が気じゃなく

翌々日に迎えに行って、「いい子でしたよ」と看護婦さんに言われたときも

思わず泣きそうになってしまった。

わたしを見ると心細そうな小さな声で鳴いた。

家に帰ってきてもおどおどして疲れた様子。

可哀想に。

鳴き声もどういうわけか細く高くなっている。

可哀想に。

エサも全然食べないし。

と思ったら夜にはちゃんと食べていたのでホッとした。

写真は手術後のおなか。

今は生え揃ってます。
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なぜか我が家の子になった

2005-09-08 21:54:00 | 
迷い猫と出会ったのは九月。

それきり居ついてしまい、日に日に情は移るし、しかし引っ越し先には連れて行けないし

どうしたもんかと思って、一人暮らし(庭付き一戸建て家賃三万五千円)の妹に

飼ってくれるよう打診するが、色よい返事も得られず途方に暮れていたのだが

とっくに引っ越し先で暮らし始めていた母がいつまで経っても越してこないわたしに業を煮やして

「猫がいるから来ないんでしょう?なら連れて来なさい!」

どうしてそういう展開になったのかわからないが(だって借家だぜ)、わたしとしても離れ難くなっていたので

いつまで飼えるか分からないが、どうしてもお手上げの時には

無理やり妹に飼わせようとかひどいこと考えて引っ越し先に連れて行ったのが十二月。

こうして猫はバタバタとうちの子になったのだ。
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みにくいアヒルの子猫

2005-09-06 18:20:00 | 
出会いは昨年九月。

飼っていた犬が十六歳で死に、悲しみも癒えぬ頃。

庭で猫の声がすると母が言う。

父も小さな猫を見たという。

二人とも猫が嫌い。

なのになぜ猫好きなわたしだけ声も聞かなきゃ姿も見ない?

「見つけても絶対エサやらないでね」

当時の我が家は年内に引越しを控えていて、猫を飼うどころの状況じゃなかったし

なにより両親は本当に猫が好きじゃないのだ。

わたしとて飼えもしない猫に情を移せばつらいだけなので、

その猫を見たい気持ちと見たくない気持ちと両方であった。

しかしとうとうある夜、鳴き声を聞いてしまった。

「いやー」

ややかすれ声の不気味な声。

「エサやらないでね」と母親が念押しする。

あとでこっそりやろうと思いつつ家に入った途端に母親が

「ねえ、かわいそうだからなんかやりなよ」

どっちなんだよ。

お許しが出たところでほいほいとかつおぶしご飯を持ってゆく。

どんな猫かな・・・

「いーやー」

うわ、可愛くない。

このとき娘は子猫というより中猫になりかけていたので、すでに子猫の愛らしさがなくなりつつあったし

なにより柄がよくわからないでたらめな模様で、しかも全体的に薄汚れた灰色で

おまけに顔も貧乏くさかったので全然、謙遜でもなんでもなく可愛くなかったんである。

こんな猫、誰も拾ってくれないだろう、哀れだ・・・

エサをもってゆくと一丁前に背中を丸めてシャーシャーと威嚇する。

せっかくごはん持ってきてやったのに。

仕方ないので置いてゆくと用心してなかなか近寄ろうとしない。

しばらくしてやっとこちらを窺いながら近付き、ちらちら見ながら食べ始めた。

「うにゃうにゃうにゃ」

鳴きながら食べている。

はは、可愛いこと。

これが、今や娘と溺愛する「たら」との出会いである。
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