感想を一文でまとめてみるとすれば、結末は予想通りだがいろいろうれしいこともあった大会である。
最近の女子テニスツアーは
「番狂わせがないこと自体が番狂わせ」
というくらいの状態なのだが、今大会は5日目まで番狂わせと言えるほどの試合は一度もなかった。シャラポワとジェンジーが2回戦で敗退したのが予想外というくらい。結局上位4シードがそのままベスト4に残り、これは四大大会女子では3年前のウィンブルドン以来、最後まで通しても番狂わせは少なかったと言える。
番狂わせとは言わないが、前半から中盤にかけて予想外だったのは、前哨戦で好成績を上げた選手がことごとく4回戦までで敗退したことである。それも、ウィリアムス姉妹とかモーレズモとか、あるいは上位シード相手で負けるのならわかるのだが、ランク上位でもなければ芝で目立った実績もない選手に負けていた。ここまで逆になってしまうとは。
この絡みでもう一つ驚いたのは、スキアボーネがベスト8まで残ったことである。スキアボーネはシュナイダーと並ぶスピンボール使いで、シュナイダーと同様芝適性はゼロのはずだった。昨年までのウィンブルドンの最高成績は3回戦進出が一度だけ、今回は前哨戦で好調だった選手がそろう激戦区に入ったこともあり、上位進出の目は全くないと思っていた。
第6日にようやく波乱らしい波乱が2試合発生した。
ヤンコビッチについては上位進出の可能性は低いとは予想していたけれども、予選勝ち上がりで17歳の選手に敗退というのは想像の斜め上だ。ただし、ヤンコビッチを倒したOudinという選手がよいプレーをしたことも間違いないだろう。ヤンコビッチを倒す前にもシード選手を倒したし、結局4回戦でラドワンスカに敗れたもののそれも一方的な試合ではなかった。
今回、ディメンティエワのすばらしい試合とともにうれしかったのがリシキの快進撃だ。3回戦では全仏優勝のクズネツォワ相手に金星を挙げ、4回戦でもランク9位のウォズニアッキを倒して、ベスト8進出を果たした。勢いに乗ったらトップ10選手でも簡単に粉砕する破壊力は大きな魅力だ。
チャールストン優勝で一躍注目を集め、その後もフェド杯でドイツのワールドグループI昇格に貢献したりシュツットガルトのレッドクレーでヤンコビッチと激戦を演じたりした。しかしその後は、肩の故障もあって早期敗退続き、再びレーダーから姿を消した。全仏でも1回戦負けだった。
ウィンブルドンでも1回戦のチャクベタゼとの対戦で敗退寸前だった。4-6 7-6(4) 6-2という逆転だったけれども、第2セットはチャクベタゼから見て6-4 5-4でServing for the match、タイブレークでもチャクベタゼが4-2リードの場面があった。それを逆転してから一気に波に乗った。
芝のコートならサビーネの弾丸サーブがより威力を増す。4回戦、チャールストン決勝の再戦となったキャロとの試合でも、6回のブレークポイントをキャロに握られながら、それをことごとく強烈なサーブで跳ね返し、ブレークを一度も許さなかった。0-40から5本連取でキープというゲームさえあった。
リシキは準々決勝でサフィナに7-6(5) 4-6 1-6の逆転で負けた。第2セットの半ばまではリシキが押し気味に試合を展開していたものの、終盤には足にけいれんを起こしたこともあって力尽きた。しかし、この試合は4回戦以前とは勝手が違うとは、リシキが優勢で試合を進めていた第1セットから感じていた。というのは、リシキの1stサーブをサフィナがリターンしていたからだ。それもラケットに当てるだけでなくきちんとコントロールされている。リシキはこの試合でエースを12本決めたが、それ以外ではサーブで簡単にポイントを奪った印象があまりない。サフィナは後ろに下がってラリーする場面が多いものの、だからといってドロップショットを仕掛けても確実に拾われる。
最近の女子テニスツアーは
「番狂わせがないこと自体が番狂わせ」
というくらいの状態なのだが、今大会は5日目まで番狂わせと言えるほどの試合は一度もなかった。シャラポワとジェンジーが2回戦で敗退したのが予想外というくらい。結局上位4シードがそのままベスト4に残り、これは四大大会女子では3年前のウィンブルドン以来、最後まで通しても番狂わせは少なかったと言える。
番狂わせとは言わないが、前半から中盤にかけて予想外だったのは、前哨戦で好成績を上げた選手がことごとく4回戦までで敗退したことである。それも、ウィリアムス姉妹とかモーレズモとか、あるいは上位シード相手で負けるのならわかるのだが、ランク上位でもなければ芝で目立った実績もない選手に負けていた。ここまで逆になってしまうとは。
この絡みでもう一つ驚いたのは、スキアボーネがベスト8まで残ったことである。スキアボーネはシュナイダーと並ぶスピンボール使いで、シュナイダーと同様芝適性はゼロのはずだった。昨年までのウィンブルドンの最高成績は3回戦進出が一度だけ、今回は前哨戦で好調だった選手がそろう激戦区に入ったこともあり、上位進出の目は全くないと思っていた。
第6日にようやく波乱らしい波乱が2試合発生した。
ヤンコビッチについては上位進出の可能性は低いとは予想していたけれども、予選勝ち上がりで17歳の選手に敗退というのは想像の斜め上だ。ただし、ヤンコビッチを倒したOudinという選手がよいプレーをしたことも間違いないだろう。ヤンコビッチを倒す前にもシード選手を倒したし、結局4回戦でラドワンスカに敗れたもののそれも一方的な試合ではなかった。
今回、ディメンティエワのすばらしい試合とともにうれしかったのがリシキの快進撃だ。3回戦では全仏優勝のクズネツォワ相手に金星を挙げ、4回戦でもランク9位のウォズニアッキを倒して、ベスト8進出を果たした。勢いに乗ったらトップ10選手でも簡単に粉砕する破壊力は大きな魅力だ。
チャールストン優勝で一躍注目を集め、その後もフェド杯でドイツのワールドグループI昇格に貢献したりシュツットガルトのレッドクレーでヤンコビッチと激戦を演じたりした。しかしその後は、肩の故障もあって早期敗退続き、再びレーダーから姿を消した。全仏でも1回戦負けだった。
ウィンブルドンでも1回戦のチャクベタゼとの対戦で敗退寸前だった。4-6 7-6(4) 6-2という逆転だったけれども、第2セットはチャクベタゼから見て6-4 5-4でServing for the match、タイブレークでもチャクベタゼが4-2リードの場面があった。それを逆転してから一気に波に乗った。
芝のコートならサビーネの弾丸サーブがより威力を増す。4回戦、チャールストン決勝の再戦となったキャロとの試合でも、6回のブレークポイントをキャロに握られながら、それをことごとく強烈なサーブで跳ね返し、ブレークを一度も許さなかった。0-40から5本連取でキープというゲームさえあった。
リシキは準々決勝でサフィナに7-6(5) 4-6 1-6の逆転で負けた。第2セットの半ばまではリシキが押し気味に試合を展開していたものの、終盤には足にけいれんを起こしたこともあって力尽きた。しかし、この試合は4回戦以前とは勝手が違うとは、リシキが優勢で試合を進めていた第1セットから感じていた。というのは、リシキの1stサーブをサフィナがリターンしていたからだ。それもラケットに当てるだけでなくきちんとコントロールされている。リシキはこの試合でエースを12本決めたが、それ以外ではサーブで簡単にポイントを奪った印象があまりない。サフィナは後ろに下がってラリーする場面が多いものの、だからといってドロップショットを仕掛けても確実に拾われる。