silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

ここでもARBあちらでもARB

2010年11月02日 00時59分54秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
日曜日(2010年10月30日)いっぷう変わった研究会に行ってきました。
プラセンタ注射がどういうメカニズムで効くのか?というエビデンスを得られるかと思い(雨も降って自転車も乗れないし向日町競輪は昨日で終わってるし)自分の関係ない学会に5,000円も支払い、聞きに行きました。
(しかも認定や専門の点数も関係ない)

肝機能障害に対しては、うんと昔に有効性は確認されています。
(1974年『肝臓』3月号:臨床治験参加施設:東京医科大学第一内科,国家公務員共済組合連合会三宿病院内科,千葉大学第一内科,日本医科大学 第一内科,浅草寺病院内科,群馬大学第一内科,市立堺病院 内科,京都府立医科大学第三内科,慶応義塾大学内科,順天堂大学消化器内科,鹿児島大学第二内科,福岡県済生会福岡総合病院内科,東京慈恵会医科大学第三 病院消化器内科,松山赤十字病院内科,佐々木研究所杏雲堂病院内科)

でまあ途中から入って、二番目の演題は統計学的検討がされていなかったので置いといて。
三番目の演題と最後の特別講演が大当たり!
三番目は消化器免疫屋さんの内藤裕二先生
今話題のNASH(non-alcoholic steatohepatitis=非アルコール性脂肪肝炎)と大腸癌の話。
特にNASHは自分の分野にも絡んでくるし、専門の方の話を聞きたかったので楽しめました。
ちなみに脂肪肝は今までは、癌とか肝硬変にもなりにくいし、と経過観察されることが多かったですが、そのうちの10%が炎症を起こすNASHであり、そのうちの5~20%は肝硬変・肝癌への道を辿ることがはっきりして来ました。
診断は肝生検が必須ですが、臨床レベルで総てそんなこと出来ることもなく、内藤医師は超音波での脂肪肝像やGOT、GPT上昇の他に血清フェリチン高値や高インスリン血症を上げておられました。
アルコール性脂肪肝はもちろんもっと予後不良ではあります。

でまあ元に戻ってNASHの治療法ですが、フィブラート系薬剤やARB(何とここでも登場か!)、ピオグリタゾン、メトホルミンも治療薬として選択とはちょっと驚きです。うしろ二つは糖尿病の薬。
で、質疑応答タイムになったのでもちろん挙手。
低血糖が認められないか?とピオグリタゾンとメトホルミンのどちらがお奨め?というものです。
我々代謝科としては、まずHbA1cを下げる(血糖コントロールを良好にする)というのが主目的ですから、最近はDPP-4阻害剤がファーストチョイスになりつつあります。
とは言え肥満傾向の強い方にメトホルミンをチョイスというのも大賛成です。
彼の質問の答えはピオグリタゾン単独で低血糖は認められなかった。コストを考えるとピオグリタゾンよりメトホルミンで良いのではないか?という答えでした。
確かに糖尿で軽度のGOT、GPT上昇を伴ったり(勿論肝炎ウイルスは陰性で)超音波上脂肪肝を認める方が結構おられます。
とするとピオグリタゾンもいいなあと思いました。でもなぁピオグリタゾンは女性では脚のむくみが出やすいという欠点があるし。やはりそこはオーダーメイド。それぞれ良いものを考えて使うことになります。
快く応えてくれた内藤先生ありがとう。
でも知ってる仲だからと言って壇上で『先生、あんまり難しい質問せんといてやw』と言うのはどうよ?(笑)

ついで特別講演じゃやじゃ~ん!
森下竜一教授

しっかしみんな賢い。。 。
データと言い話し方の巧さと言い素晴らしい。思わず聞き惚れる。
主題はHGFの効果。
HGF(hepatocyte growth factor=肝細胞増殖因子)のことはよく知らなかったので、勉強になりました。
これがまあ肝細胞だけでなく、もしかしたら他臓器にも効果的という話。特に腎症に効果があるとなると興味モリモリ!
この薬は現在承認待ちなので、そのうちコラテジェンと言う名前で市販される可能性があり期待大です。
あと面白かったのが○クドナルドが一店舗増える度に、日本人の脳血管障害が1%増えているという事実。
先日11月1日の日記で書いた『スタチンをファストフードの付け合わせに』 にも深い関係があります。
食後高脂血症、肥満は心血管イベントのハイリスク群ですよという話。
ここまではっきりエビデンスを示されるとハンバーガーやめようかな、と。。。思いたいが食べてしまう(笑)
なので運動療法でカバーすることにします。あ、ここは私の感想ね。
ついでに出てきたAT1受容体ノックアウトマウスが長生きをするという話。なんとここでもARB登場か!
特に先生はPPAR-γアゴニスト作用のあるイルベサルタンやテルミサルタンを薦めておられました。
でもま、他のファクターも考えなきゃいかんし、尿酸が高かったらロサルタンなどのチョイスも捨てられません。
ここでもまた高脂血症の話になったので挙手して質問~!(しつこ)
中性脂肪は心血管に対してリスクが高いので治療は必要であるというのに対して、空腹時は正常値~149mgとなっていますが食後の値も関係すると なるとアドリブ測定した場合、どれくらいからがハイリスク?と言う疑問に対して200~250mgでしょうというお答えを頂きました。

ほんとうにためになりましたわー。プラセンタの話はどこに行っちゃったんだろう。
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低炭水化物食に男性の2型糖尿病リスクを高める可能性

2010年11月02日 00時59分04秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
一部の人々が極端な低炭水化物ダイエットを推奨しています。
確かに一時的に血糖は下げるが長い目で見るとどうなる?

そんな論文です。
ハーバードのHealth Professionals Follow-up Studyから。
「動物性タンパク質と脂質が多い低炭水化物食、特に大量の赤身肉や加工肉が含まれている食事は、2型糖尿病リスクを増加させる可能性がある」とし、一方で「植物性タンパク質と脂質が多い低炭水化物食は、2型糖尿病リスクの変化に関連していない」

一方で、からの後半は特に面白いですね。じゃあ揚げ出し豆腐多食者はいいのか(なんて単純な発想!)。
炭水化物を“カット”するダイエットなどは気をつけた方がいいのではないかと思います。
特に日本人はハイリスクだと思います。
中には炭水化物を摂取カロリー中の40%以下に抑えろとか、極端な低炭水化物ダイエットを進める医療関係者もおられるようなのですが何事にも極端なことは危険が伴うような気がします。
ジョスリンだって40%です。
ちゃんとダブルブラインドを使ったRCT(ランダム化比較試験)の結果で自分の身体を守りましょう!
20年間の大規模スタディです。
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