silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

リュアード(Ruade)

2006年01月07日 17時02分37秒 | スキーテクニック編
エミール・アレのフランススキー術から。
左の連続写真にはリュアードの説明が書いてあります。辞書を引く迄もなくテールジャンプだということが分かります。
一応辞書を…。

Ruade:(馬などが)後ろ脚で蹴ること。
「プチ・ロワイヤル仏和辞典」より。

ほらね。
それはいいとして、右のわたくしの下手くそなコブ滑りの写真と何故並べたのか、お分かりの方は、相当スキー好きな方です。

以前テールジャンプを練習することの重要性を書きましたが、このリュアードの写真が手に入ったのでもう一度。
テールジャンプは、ただ、スキーの方向を変えてやるだけのものではありません。
同時に斜面下の方向へ向かう動作も入っています。
まず、しっかりと足場を固める。そしていっきにジャンプ!
その要領は以下の通り。

1:自分が思っているよりも、そうとう重心が前にあること。
2:斜面下の方向へ、胸から飛び込むような意識を持つこと。
3:ジャンプと言うより、後足を蹴り上げる=バインディングのヒールピースで肛門部を打つような感じ。そうですね、縄跳びに近い感じでしょう!
4:このジャンプの時間のイメージは1/10秒くらい。
5:少し遠くを見る(近くを見ると腰が回ってしまう)。

こうすることにより、スキーのトップは強制的に下げられ、そこに圧がかかります。
ちょうどそこにコブがあれば、コブの裏側の斜面にスキーのトップを合わせることで、有効なエッジングが出来ます。
この右の写真も、次の左ターンに入るため、トップをコブの溝に落とし込んでいるのです。
運動要素は同じと言うことです。

モーグルスクールで、嫌と言うほど、整地でテールジャンプのゴディーユ(ウェーデルン)を練習させられるわけはこれで、お分かりでしょう。
逆にいいますと、整地でこれが出来ないと、まともなコブの滑り方は出来ない。
出来るとしても、当ブログでコブの滑り方の最初に書いたような、

デラパージュ(横滑り)
 ↓
ピボット(一点を支点にした方向変換)
 ↓
反対側のデラパージュ

と言う滑りしか出来ません。これはこれで有効な技術ですがスピーディーには滑れません。

いっけん時代遅れのように見えるリュアードですが、最近特に基礎スキー界で流行している、ドルフィンターンは、この重心の動きをダイナミックにしたものと言って良いでしょうし、アバルマンの原理も実はここに含まれているのです。
(それについては、また詳しく)

それにしてもリュアードとはよく言ったものです。テールジャンプと言う言葉よりも、数段イメージを与えてくれる。
シャス・ネージュしかり、ゴディーユしかり、フランス語のスキー用語は、なかなか要点を衝いていると思いませんか?

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ここ半世紀、スキーテクニックは変わっていない?

2006年01月06日 13時51分42秒 | スキーテクニック編
マテリアルは時代とともに変遷し、それをまた使いこなすための細かな点は変更がありますが、根本的なスキーの運動要素は殆ど変わっていないと言っても良いでしょう。
写真のエミール・アレのビラージュ(ターン)。
左から
1コマ目はニュートラルポジシオン。
2コマ目は「アッペル」つまり先行動作。
3コマ目、4コマ目は「ロタシオン」。身体がスキーの進行方向に向きます。
5コマ目は「ブロカージュ」(ブラッカージュ)。このブログで何回も出てきていますが、再度説明しますと、下肢をひねり込みながらの山回りです。

見慣れないのは、多分2コマ目のアッペルの動作ではありませんか?
この50年以上の前のスキー板は非常に回しづらく、一旦スキーの回転方向の反対方向に身体をねじり、下半身と上半身の逆ヒネリ(ビサージュ)を作って板を解放する必要がありました。
現代でも、平板時代についた癖が直らないスキーヤーもいます。
実を言うと、わたし自身もその傾向があり、特に右手を軽くターン反対方向に巻いてしまう癖があります。

今のカービングではこのアッペルは必要なく、ただ、次のターンの外足になる方を踏みつけるだけでターンの始動が出来てしまう。
この写真で言えば、右足ですね。
しかしおおまかに見ると、重心の移動や、ターンの前半がロタシオン、後半がブラッカージュというのは、何も変わっていないことがわかります。
日本風に言うと、ターン前半が正対、後半が逆ヒネリですね。

で、下の円を見てください。
ターンを模擬的に円に置き換えた物です。円の右半分は無視して下さい。
左半分の上がターン開始地点となります。
下がターン終了点。
上の赤い線から下の赤い線の間が現代の、スキー板を踏むところ(ターンマキシマム)。
上の青い線から下の青い線がカービングスキー以前のターンマキシマム。
そう、板の進歩によって、やるべきことが、時間的に少し前へずれているだけなのです。
その根本のスキーの運動の要素は全く変わっていないと言っても良いでしょう。

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エミール・アレの「フランス スキー術」

2006年01月06日 13時11分14秒 | スキー
スキー技術を、言葉だけで表わそうと言うのは、極端な例を挙げれば、生まれつき目の見えない人に、赤色という概念を教え込もうとしているのに似ている、とは某スキースクールの校長先生のお話。

なるほどもっともだ!と思います。
でも何とか、テクストとイラスト等だけでイメージを掴んでもらいたいと願うものです。
それは何故かと言えば、わたし自身が、その恩恵を受けたからに他なりません。
幾度か登場しているG・ジュベールの
「革新フランススキー」
「ザ・スキー」
がその主なものです。日本の著作物ではなかなか見当たりません。

さて、そこでもう一世代時代を遡ってみましょう。
写真はエミール・アレの「フランス スキー術」
(METHODE FRANCAISE DE TECHNIQUE EMILE ALLAIS)
昭和30年新潮社。なんと近藤等さんが翻訳しています。この方は、日本の山岳及びスキーの翻訳に多大な貢献をした方です。

ぼちぼち紹介して行きますが、この半世紀以上前のスキーテクニック本を見て、非常に驚くことがあるでしょう。

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年の初めに

2006年01月05日 02時32分36秒 | スキー
年末年始と白馬方面に行っていました。
30日は、さのさか、青木湖、鹿島槍。
31日~1月3日は爺ヶ岳で滑りました。

この時期に総て滑れて、尚且つ、さのさかモーグルコースがオープンしているのは近年では珍しいことです。
さすがに、さのさかのモーグルコースはモーグルメーカーによる人工コブではなく、スタッフが滑って作ったものでしたが、それでも大したものです。
積雪が多すぎるのがその原因なのですから。

ついでですから、基礎板だったのですが(Fisher AMC700)、一番小さなキッカーも飛んできました。
いつも思うのですが、さのさかのキッカーは素晴らしいものです。

さて写真は1月3日(火)の爺ヶ岳。
重いですが、久しぶりのパウダーです。朝起きた時には既に20~30cmの新雪がありましたが、昼間も一向に降りやむ気配がなく、一日中パウダーが楽しめた日です。
当然この時は、メイデンAKです。
爺ヶ岳は緩斜面が多いので、重い新雪ではさすがのメイデンAKも浮上して来ません。
急な斜面を選んで、勢いをつけて突撃すると、スプレーを上げてメイデンは浮き上がります。本当に久々に顔にパウダーを浴び続けながら滑ることが出来ました。
やはりパウダーって、美味しいですねえ!

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