建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

鉄筋屋さん(2)

2009-09-23 08:52:37 | Weblog

            …………………………(鉄筋屋さん 2)…………                                  

「電気屋!おい設備屋!お前らも手伝え!」
 
と、ののしる言葉がほとんど聞かれなかった私の現場は《建設現場の子守唄》にも書いたように、設備業者担当にとって楽しい現場であったと思う。

しかし、陰で設備業者さん達に(根回し)を囁いている私は、悪い人なのであろうか・・・。
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 鉄筋工事を監理している現場マンへの応援として・・・
          (日立建機PR誌ティエラ
67より)

 工事期間中に○○検査と名のつくものがたくさんある中で、最多のものが鉄筋でしょう。
「何故?」
と思ったことはありませんか?

 今日はその鉄筋(配筋)工事について話をします。
「鉄筋コンクリート」の言葉から鉄筋が重要という感覚が伝わって来ます。

 世間では固まったコンクリートは
『固くて丈夫なモノ』と思う反面、
『鉄』からくる「錆びる」「腐食する」という印象も抱いています。

その上、鉄筋はコンクリートに埋まってしまえば見えなくなるため、
「本当に入っているのか」
「手を抜いているのでは……」
と疑心暗鬼にさえなります。

 だからこそ、検査を受けて写真に残す必要があるものなのです。

 竣工後数年して壁にクラック(ヒビ)が入ってもコンクリートを壊して
鉄筋の確認をすることが出来ない限り、工事記録写真が絶対的にモノを言
うことに
なるのです。

 鉄筋工事の撮影がマスター出来たら
「一人前にあと少し」
と言われます。

 それは設計図の内容を十分把握でき、写真に残せる技術力を認められた証しなのです。

 配筋写真をいざ撮影する時になって、組み上り状態が一見設計図の通りのようでも、鉄筋にスケールを当ててみたら間隔が広いとか狭いとか、太さが違うなどの 
「手直し修正」
になる事は結構あります。

 苦労して組んだものの、見た目の状況から直角に見えなくて
「やり直し」
を命じられれば、職人さんのヤル気も信用も無くしてしまいます。
 
また、配筋検査を行なう時に型枠が出来ていて、斜め方向からの
「のぞき見検査」
では何の役にも立ちません。

「鉄筋は入っていればよい」
というものでは決してないことを肝に命じて置くことです。

 昔の失敗話を1つ・・・。

 生コンの打設手配は一週間前にすべて完了したのに「配筋検査願」の申請を
忘れ、打設前日に急きょ検査を受ける事態になりました。
 
 重要部分が2か所ありながら、自主検査で満足して、そのまま工事を進めたことが心証を悪くしたようでもあり、
「○○部分の配筋が確認出来るまで生コンの打設はしない事!」
と検査官から言われたのです。

 このときは鉄筋を検査出来る状態までに型枠を解体し、再検査を依頼して承
認を得て、徹夜で型枠の復旧となりました。

「その箇所はこの写真を見て下さい」

と言える写真が無く、悔しい思いを痛感したものでした。

 例え写真があったにせよ、配筋検査を省略したら、確実にペナルティが返っ
てくるということです。

      《続く》・・・コメント待ってるからね~

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       建設現場の子守唄   《建設現場シリーズ第1弾》

  土建屋とよばれ過酷な条件のもとで働いていてもやめられない面白さ
がある。
 若者が夢を掴まえるまで応援し娘を育てるように、建物に愛情を注い
で完成させた職人たちの汗を楽しく語る!

  安全管理費は小さい現場ほど予算が少ないけれど、危険箇所は予算に
合わせて減少しない。
 怒鳴って怒鳴られて仕事をするよりも、楽しく創って一流の現場マン
なろう。


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