何とか出来るものなら2週間前に何とかして、作業完了させられたはずである。
仕方なくAさんはサッシの枠に外部からネジで留める方法を担当者に伝え、現場で工夫しながら半日以上もかかって、最後の1台の手摺を取り付けたのである。
他の手摺のように溶接で留めてあれば事故は起きなかったのは確実であり、施工図にない作業命令を下したのはゼネコンで、Aさんは仕方なく取り付けざるを得なかったのである。
更に悪いことに、この手摺はメーカーから、「住宅用であるから2階以下で設置すること」
と条件書きがあるものを、3階~4階にも設計事務所の承諾印を受けて
取り付けている。
メーカーはこの手摺が4階に取り付けてあるとは夢にも思っていないし、
責任はない。
手摺の数も多いし、少しでも安い既製品を探した結果、手摺のメーカー
は2階以下の条件を指定しているが溶接で留める方法なら大丈夫と誰か
が提案し、誰かが承諾したのである。
この手摺の施工図にゼネコンと設計事務所の承諾印が両方共押してある
から、施工図チェックをミスったとは考えられないので金属会社は手摺
を購入し、Aさんは取り付けただけなのである。
「Aさんと金属会社に罪がある」とまだ言えますか?
「ゼネコンに責任がない」と逃げられますか?
亡くなられた家族の人の話では、
「入居して半年頃から手摺がグラ付いているのに気が付いていた」
と言う。
いつもなら触らない手摺だが、お友達が遊びに来ていて、窓下にお母
さんが見えたので、手を振ろうとした友達が窓まで寄って出て、手摺を
掴んで、そのまま二人が……。
何とも悲しくて、聞いていられない話である。
窓の手摺がぐらつく事はゼネコンに最初から修理依頼を伝えていて、
「今度まとめて、手直しをしますから…」
と言われたまま3年経っても、手直しは一向にされなかったそうだ。
しなかった理由は歴然としている。
手直しをしたくても、補修する為の受け金物(下地)が入っていない
のを知っているし、入っていなければ補強が出来ないし、他の方法で取
り付けるにしても4階まで足場を架設せねばならないし、ゼネコンは
クレームの処理をする気がなかっただけである。
それでもゼネコンは責任をAさんに押し付けるのか!
《責任逃れ 3へ続く》
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