☆ 『談 合』が何だって(2)
業者同士で談合をして高値落札を画策しても《官》の予算以下でなければ入札が成立しないのであるならば、談合を行う意味もない。
仮に《官》の予算が間違っていても《官》の予定価格以下に従うのならば、《官と業》の話し合いとなり、談合とは
「《官》の言う金額に話し合いで相談の事」
と定義づけましょうよ。
だが、《官》は卑怯にも
「まだこれから先にWXYの工事発注がある」
と計画図をちらつかせて、
「今回従わないのなら次の物件以降《入札指名から外す》」
という態度を示して《業》の弱さをもてあそぶ。
とにかく想定範囲の中の業者に、赤字覚悟で受注させながらも、談合はなく予定価格より下回った『正当な入札』だと発表する。
応札をした11億円の業者達に談合があったかなかったかと調査するのは勝手だし、業者は談合をしなくても、競争相手の入札金額は想定がつくものだ。
大手ゼネコンは利益部分を大胆に削ってでも名誉の為に受注競争をする場合があるだろうし、工事建設地域に根を張っている会社ならば職人単価を削って応札するだろう…とかで予想をしたとしても、億の単位の工事から応札をみれば数%の金額の違いしかないのである。
《官》は大規模の工事になれば、数工区に工事を区切り発注して、分割毎に大手ゼネコンを頭にしてJV(共同企業体)を組ませているが、暗に談合があるから競争相手でも組めるグループが作られるし、反対に会社更生法申請中の会社でもJVに名を連ねる事が出来るのだ。
ゼネコンから見ればどんなに大きな物件であろうと、1社で受注したいのは必然である。
工区分割発注・しかもJVの条件指示が発令になり、天の声と言うのか《神の声》によって大規模事業が落札決着しているようでは《業の談合》の是非の話ではないのだ。
《神の声》とはいわずもがな《政》が官を飛び越しての関与であり、まさに、《政・官・業》の一体となった裏工作と言えるものである。
『ロワーリミット』
これは土木工事の入札時に使っていた言葉である。
現在、使っているかは定かでないが、消えてはいないだろうと私は思う。
有名な話がダム建設において残っている。
順当に見積もってみればH組が受注すると、一般的には思われていたのが、K建設に入札会場で逆転した。
見積り金額の高い・安いの判断ではなくて《ロワーリミット》と言う発注価格の線引きラインを越えた最初の業者だったのである。
(この金額より上でなければ、出来ない筈だ)
と線引きを決めるのは勝手だが、業が他社より1千万円でも安く受注しようと努力しても、何にもならない仕組みになっている。
《業》に対し《官》も口が出せないところに、手を出せるのは《政》しかない。
この《政》の力でロワーリミットを操る限り、談合よりも根深い『裏工作』を私は感じるのである。
入札開封時に、受注させたい業者の応札金額のすぐ下を《ロワーリミット》と瞬時決めて発表すれば、誰も逆らえない。
となれば、入札以前に業者が決まっていたという事である。
上手に組み上がった、
《政・官・業》の三角形であれば、談合や汚職を論ずる隙間も無いと言う事だろうか?
官庁工事を受注するのには《官》には逆らえず、まして《政》には返事すら困難な仕組みの中で、JV(共同企業体)という工事を発注して《業》から不満が出ないように押し切っているのも………としか私には思えない。
(JVの話は後で述べましょう)
話をZ物件に戻して、
《談合その3へ 続く》
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます