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「ORKの口伝」はフィクションです
実在する全てと無関係です

ORKの口伝105

2009-02-17 | フィクション
この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝105」

ゴウダイコク

大麦の一品種
漢字で書くと「豪大穀」となる
大変一粒一粒が大きくなり大きな物は
殻をむいたピーナツほどの大きさに成長するのである

この麦の特徴は
実の大きさだけではなく
ビールの原料として使用したときに現れる
酵母との相性の良さがあげられる
この酵母との相性の良さのため発酵効率が良く
出来上がるビールのアルコール度数が高くなるのである
このビールのアルコール度数は概ね11%程度で
味わいとしては大変辛口の部類になる
しかしこのビールは市場には出回ることがないため
生産地でしか飲めない希少な地ビールである

この麦は先に言ったとおり
一粒が非常に大きくなりその実で形成される穂は
当然のごとく重い
そのため栽培難度が並ではなく
キャリア何十年の麦栽培農家のベテランでも
少しの風で倒伏の被害に合うため敬遠されるのである
特に収穫期直前はマッチ棒が立っているほどに頼りなく
倒伏が多発
この様な理由から経済作物としては大変不利な作物である
その為栽培地で趣味半分にしか作られなくなったのである
この様な理由のため
出来上がるビールも希少な物となり
栽培者の間の楽しみの為にしか作られないので
その他の地域の人がこのビールを飲むためには
直接出向いて分けてもらうしかないのである

しかし
この麦の発酵効率のよさによる
アルコール生産力の高さは捨て置くにはもったいないと
近年研究が進められるようになったのである
特に燃料用のアルコール生産への利用が期待され
耐倒伏性を持たせた品種の開発が
直近の課題とされている

さて肝心のこのビールを飲むには
栽培地に出向かなければならないと先ほど述べたが
突然出向いていっても
それぞれの家庭の分しかないくらいなので
それでは当然飲むことは出来ない
一年に一度のタル開きの時を狙って行く事となる
このタル開きの時期なのだが
残念なことに毎年違う
出来上がりの様子を見てから決まるようで
直前まで生産者にしかわからないのである
大体は12月の中ごろになるのであるそうだが
熟成の進み方が気候でずいぶんと変わるので
酷いときは半月以上ずれることがあるそうである

残念なことに私もいまだ口にしたことが無いのである
自分の足で出かけることが出来るうちに
口にしたい物の一つである
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この文章は全てフィクションです
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