この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝93」
ホタテハ
地域固定のタテハチョウの一種
タテハチョウといえば樹等に止まっているときに
羽を立ててとまることからタテハと呼ばれているが
このチョウは特にその特徴が顕著である
ホタテハのホは帆船の帆のホである
羽化して成虫になったときから死を迎えるまで
殆どの時間閉じた羽を広げることなく
生涯を終える
この成虫になってから立てたままの羽を帆に例えて
こう名付けられたようである
しかしもう一つ有力な説があり
前羽の形状が帆立貝に似ているからというのがそれである
が
こちらは奇説として
冗談話として扱われることが殆どである
羽の形状で特徴的なのは
閉じた状態から外側に向かって反り返っており
風を受け易くなっている事である
静止しているときに風を受けやすいと困るのではと思うが
あえて風を受けやすい形状になっているようである
このチョウのもう一つの特徴は
羽ばたくことが無いことである
その他のチョウの様に自力では決して飛ぶことなく
生息範囲の決定は完全に風任せであるが故に
非常に狭い地域での固定種である
まれに強風に乗せられてその他の地域に飛んでいくが
風に乗って移動するように体が出来ているので
紙飛行機よりも体がもろく
よしんば見つかったとしても死体であるので
離れた地域で繁殖することは皆無である
この羽を広げることすらしないホタテハであるが
生殖時は自分の存在をアピールするために
まさに一生に一度のチャンスとばかりに羽を広げる
この羽の美しさは大聖堂のステンドグラスのようで
オスは青と赤を基調とした色合いで
メスは淡い赤と黄色の色合いである
両方とも模様は不規則なモザイク模様になっている
この羽の美しさが世間に知れ渡る事となり
密漁に関しての問題が浮上
このチョウの生息地は高度な国際的自然保護機関
もしくは
極限られた学術的研究利用でしか
知ることは出来ないのである
上記の理由により
私の様な物見遊山な人間には実物を見ることは
生涯かなわないであろう
しかし幸いなことに現代には
写真というものがあるため色や形だけは見ることが出来る
色合いなども楽しめる
ネットでも見ることが出来るので大勢の人が楽しめるだろう
しかし残念な事に
心無い人達による密漁が懸念される事となったのは
情報技術進歩のジレンマである
しかし世界に広く画像が出回ったおかげで最近では
このチョウの精巧なフィギュアが作られるようになり
市場に出回るようになっているのである
フィギュアを眺めて愛でる状態で
踏みとどまれるかどうかによって
人間性が試されるのではないだろうか
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この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝93」
ホタテハ
地域固定のタテハチョウの一種
タテハチョウといえば樹等に止まっているときに
羽を立ててとまることからタテハと呼ばれているが
このチョウは特にその特徴が顕著である
ホタテハのホは帆船の帆のホである
羽化して成虫になったときから死を迎えるまで
殆どの時間閉じた羽を広げることなく
生涯を終える
この成虫になってから立てたままの羽を帆に例えて
こう名付けられたようである
しかしもう一つ有力な説があり
前羽の形状が帆立貝に似ているからというのがそれである
が
こちらは奇説として
冗談話として扱われることが殆どである
羽の形状で特徴的なのは
閉じた状態から外側に向かって反り返っており
風を受け易くなっている事である
静止しているときに風を受けやすいと困るのではと思うが
あえて風を受けやすい形状になっているようである
このチョウのもう一つの特徴は
羽ばたくことが無いことである
その他のチョウの様に自力では決して飛ぶことなく
生息範囲の決定は完全に風任せであるが故に
非常に狭い地域での固定種である
まれに強風に乗せられてその他の地域に飛んでいくが
風に乗って移動するように体が出来ているので
紙飛行機よりも体がもろく
よしんば見つかったとしても死体であるので
離れた地域で繁殖することは皆無である
この羽を広げることすらしないホタテハであるが
生殖時は自分の存在をアピールするために
まさに一生に一度のチャンスとばかりに羽を広げる
この羽の美しさは大聖堂のステンドグラスのようで
オスは青と赤を基調とした色合いで
メスは淡い赤と黄色の色合いである
両方とも模様は不規則なモザイク模様になっている
この羽の美しさが世間に知れ渡る事となり
密漁に関しての問題が浮上
このチョウの生息地は高度な国際的自然保護機関
もしくは
極限られた学術的研究利用でしか
知ることは出来ないのである
上記の理由により
私の様な物見遊山な人間には実物を見ることは
生涯かなわないであろう
しかし幸いなことに現代には
写真というものがあるため色や形だけは見ることが出来る
色合いなども楽しめる
ネットでも見ることが出来るので大勢の人が楽しめるだろう
しかし残念な事に
心無い人達による密漁が懸念される事となったのは
情報技術進歩のジレンマである
しかし世界に広く画像が出回ったおかげで最近では
このチョウの精巧なフィギュアが作られるようになり
市場に出回るようになっているのである
フィギュアを眺めて愛でる状態で
踏みとどまれるかどうかによって
人間性が試されるのではないだろうか
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この文章は全てフィクションです