「バチカン奇跡調査官4千年王国のしらべ」4
著者 藤木稟
出版 角川ホラー文庫
p92より引用
“火山から分泌される凝灰岩と石灰を混ぜて
水で練ると、現在使われているコンクリート
のような物質となる。
この技術を使って、ローマはパンテオンや
カラカラ浴場を造り、さらに道路の舗装や港
の建設などにもこのセメントを用いて、すぐ
れた文明を築き上げたのである。”
目次から抜粋引用
“イエズス会からの申し出
永遠の平和村
奇跡と狂気の日曜日
主は、不信心者に怒りをたまう
閉ざされた扉の向こうに”
天才科学者と古文書・暗号解読のスペシャ
リストの神父二人を主人公とした、長編ミス
テリー小説。
病院で死の淵をさまよい、一時は心停止ま
でした主人公・平賀神父。そんな彼の窮地を
救ったのは、奇跡調査の対象者だった…。
上記の引用は、調査対象である靴の付着物
についての一文。
コンクリートはもっと最近の発明だと思って
いたのですが、何とも歴史のある建材なので
すね。コンクリートで造られた建物や、河川
の護岸は人工的で味気ないものだと思ってし
まいがちですが、歴史を経てその有効性がわ
かっているからこそ、多く使われているのだ
なと思えます。
オカルトな雰囲気にありながら、現実の歴
史的出来事などとしっかりからみ合っていて、
今回も面白く読むことが出来ます。
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