今日04/03から新宿NikonSalonにて開かれている
中川大祐写真展「Hotel Rycom」(9日まで)
初日の様子を伺いにオープン間もないギャラリーに直撃した。
Hotel Rycom
ひなびたホテルの一室で向かい合った、女たちのカラダには
その生き様や歴史が、痕跡となって刻まれていた。
傷、妊娠線、皺や刺青がそれぞれの葛藤や時間、覚悟などの
思いを物語る。
対話の中で清く楽しくという部分とは対極にある、傷つき苦しむ
といった身悶えする感情に苛まれることも、それもまた一つの
人間らしい姿であると再認識させられるようになりました。
そして何よりそれぞれの歴史を伴い、痕跡が刻まれていった
肉体やその雰囲気の中に、圧倒的な人間美や存在美を見出して
いくようになったのです。
中川大祐
Rycom=Ryukyu Command(在琉球米軍司令部)
沖縄県北中城村に米国による統治時代、かつての在琉球米軍
司令部があったとされ、現在も地名としてその名残を残し
「ライカム」と呼ばれる場所がある。
ライカムという地名がRyukyu Commandから来ているということを
今知ったことの衝撃。12年も沖縄に居て、こんな大事なことを今知った。
そして、その苛まれた歴史を持つ沖縄という土地を
そのまま己の肉体で体現した女性たちのヌード写真に、
40年という月日に絡まる「敗戦国」ニッポンと「戦勝国」アメリカの構図、
さらには「隷属県」オキナワと「統治国家」ニッポンとの構図が、
ドボッドボッと噴き出してきて、あらためてオキナワという類い希な地におののく。
中川大祐は「対話」によって、その痕跡を引き出し、一枚一枚写真に収めていった。
その根気と真摯な眼差しが、結果としてオキナワの女たちらしい
奔放なヌード写真につながっている。
結実した「Hotel Rycom」は復帰40年のドキュメントとしても
オキナワを語る財産として永代受け継がれるべきモノとなるだろう。
素晴らしい仕事だよ、中川くん。