前回は札幌のレンガ倉庫を廻った記録だが、今回は小樽の蔵です
小樽市には石造りの蔵が多い
企業にしろ一般住宅にしろ歴史が伺えるものが多いのも小樽の特徴と思う
参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されているが廻ったのは半分を少し超えたところ
今後、機会をもち追加していきます。
*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません
「カフェバーcanal 旧向井呉服店支店倉庫」 現CANAL運河
稲穂1丁目4-13
明治40(1907)年建築
木骨レンガ造り4階建て
市指定歴史的建造物第73号
4階建てのレンガ倉庫は珍しいのと、歴史的建物が多い運河や小樽ウォール街とはやや離れているので
地域で目立つ建物。
元は呉服店が左隣にあり、その倉庫であった
現在は所有者がカフェを営業していたが閉業したようだ?
隣のビルとの間に「レンガ横丁」いわゆる屋台村があるが、この倉庫から取った名前ではないか。
「龍宮神社蔵」
稲穂4丁目11-11
明治34(1901)年建築
木骨石造り2階建て
龍宮神社は小樽市内でも中心部にある神社で、その参道は坂道で海まで続く
この倉庫は龍宮神社の下にあり、隣も倉庫である
以前は隣をラーメン屋が営業したときは接続されていたのでラーメン屋の一部のようだった
現在は敷地内に福祉施設が新築され表通りからは陰になっている。
所有は神社でも様々な使われ方をしており質店や焼き肉店にもなった
妻側の「志」のマークは質店時代の名残りであろう。
「喫茶店 叫児楼 旧田居呉服店蔵」
稲穂2丁目17-17
大正14(1925)年建築
木骨石造り2階建て
元は呉服店の蔵で隣が店舗であった
その後は質店~酒場などに活用し1976年に店を借り受け喫茶店になった
現在はツタが全体を覆い、どんな建物かわかりづらい
堂々とした石造りで細い入口は後から付けたのではないか
叫児楼は小樽の個性ある喫茶店の代表でもあり
長い間ファンを作り続けていた
現在は店に出入りしていた常連さんが二代目としてマスターとなった。
「曲サ佐藤倉庫 旧松田倉庫」
稲穂5丁目3-7
明治時代建築
木骨石造り2階建て
元の所有者はここでニシンを入れる箱を製造していたとのこと
その後、建築施工会社の曲サ佐藤が購入し作業場として活用
現在は機械化が進み機材倉庫で使用のように見える
この倉庫を見るのは廃線になった手宮線を散策するときが良い
以前はここを機関車が走っていたのである。
「新海金物店蔵」
稲穂1丁目3-5
明治38(1905)年建築
木骨石造り3階建て
新海金物店は古い街小樽でも老舗中の老舗
その店舗はアーケードのあるサンモール一番街で中心部にある
店舗の窓の上飾りの意匠なども歴史を感じる
倉庫は店舗を横に入ったところにあり道路に面している
夏になればここもツタが這い表面が覆われるのだろうか
「北海道タオル倉庫①」
稲穂1丁目2-8
明治22(1889)年建築
木骨石造り2階建て
この倉庫は元々漁具をしまう倉庫として建てられ
北海道タオルが取得したときはまだ魚の匂いがしたとのこと
明治のころは海はすぐ近くだったようだ
倉庫は日銀通りに面していて人も車も多い 綺麗な白い窓はたくさんの目を引くだろう
「北海道タオル倉庫②」
稲穂1丁目2-8
明治22(1889)年建築
木骨石造り2階建て
表通りに店舗と倉庫①があり、そこから建物沿いに中道に入ると奥にもう一つ倉庫がある
窓が引き戸になっているのが特徴
軟石は小樽産と言われる。
「北海道タオル倉庫③ 旧小黒商店倉庫」
稲穂2丁目2-2
明治38(1905)年建築
木骨石造り2階建て
北海道タオルの前身が小黒商店で、その創業時の倉庫
当時は呉服の販売会社であった
場所は現店舗から日銀通りを渡った中小路にある駐車場の奥に倉庫がある
ビルの裏手でもあり、あまり人目に触れない場所にひっそりとある
「H氏邸蔵」
花園2丁目
明治38(1905)年建築
レンガ造り2階建て
元は材木商の自宅と蔵だったようでどちらも見事な造りになっている
レンガ造りの倉庫は目立ち、庇や窓の造作も素晴らしい
表通りには住宅が面しており倉庫は小路に入らないと見えない
その住宅にまず目を惹かれるだろう
しかしH氏邸は現在は堀に囲まれ住人は居ないようで今後どうなるのか気になる。
「E氏邸蔵 旧久野回漕店蔵」
花園2丁目
大正時代建築
木骨石造り2階建て
嵐山通りにあるお屋敷で和風住宅と石造りの蔵で趣がある
久野回漕店は施主の祖父で廻船問屋を営んでいた
窓には板張りが多く使用され鉄製の窓とは違う見どころがある
堀を巡らせた和風住宅も少なくなり残してほしい建物だ。