札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 宝来町編

2022-08-05 10:10:03 | 函館市

宝来町は函館山の裾野から海まで、市の細い部分の東側に位置している
隣町の青柳町同様に中心を市電が貫き、いくつかの歴史的建造物がある。
訪問時は土砂降りの日と、晴天の早朝にと2回に分けて撮影をした。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「美容室 おしゃれ館」 旧衛生湯 *函館の建築探訪NO92

所在地 宝来町23-5
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 

銀座通りにあったかつての銭湯である 通りに合わせたお洒落な外観だ。
 
大正10年の大火後に建てられ防災・大火建築の一つ。
大正から昭和初期は銀座通りの繁栄した時期であり、銭湯はカフェ同様に憩いの場となった。
 
アーチの連続する入り口は銭湯時代の男女別入り口の名残りかと思う
上部の装飾や縦長窓などに当時の流行りも推察できる。
 
銭湯閉業後は、小料理屋、美容室などに使われたが現在は空き家に見えた。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「茶房ひし伊」 旧入村質店 *函館の建築探訪NO96

所在地 宝来町9-4
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 11:00~17:00
 
 
元は呉服店で創業し、質店に変わった入村家の主屋と蔵。

この建物は左から石造りの蔵、中央が土蔵、主屋が鉄筋コンクリート造りで連なる建物の造りが
すべて違うのは珍しい。
特に鉄筋コンクリートの主屋は当時全国でも珍しかったと思う。
 
現在は茶房やアンティークショップなどに再活用されており
気軽に利用して内部を拝見したいものだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「千秋庵総本家」 *北海道建築物大図鑑 

所在地 宝来町9-9
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 営業時間:9:30~18:00 定休日:水曜日
 
 
千秋庵は秋田藩士の佐々木氏が函館に渡って万延元年(1860年)に始めた菓子店で
老舗中の老舗である。
道内各地にある暖簾分けした千秋庵の総本家はここになる。
 
この店舗は昭和9年の大火後に建てられたようだ
正面の腰壁にナマコ壁風の装飾が印象的で、雨樋なども昔のしっかりしたものだ。
 
「千秋庵」の名前は佐々木氏が故郷の秋田を想ってつけた名前であろう。
 
 
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 

「阿さ利本店」 *北海道建築物大図鑑 

所在地 宝来町10-11
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 11:00~21:00 定休日 水曜日

 

市電通りの角地にある老舗の精肉店舗兼すき焼き店。

昭和9年の大火後に再建されたもの
外壁はささら子下見張りで、たて繁格子や木製の欄干窓手すりなどの純和風造り。

精肉店側はタイル張りの陸屋根風に改築している。
お店の人気商品コロッケは午前中に売り切れることが多い。

すき焼き店は2階の造作、階段、部屋の意匠など見るべきものが多いので
次回の函館旅行の際はランチで利用したい。

 
   
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧井上米穀店」  

所在地 宝来町4-12
建築年 昭和10(1935)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
建物は昭和9年の大火後に建てられた店舗兼住宅。
 
当時は60軒の借家を持ち、建築に明るかった当時の施主が津軽から大工を呼んで一年間寝かせた部材を使用して建てた。
 
柱、梁、障子、茶の間の炉など昔のままの内部だそうだ
近年は外壁塗装や、1階周りの補修などを行いきれいに管理されている。
 
米穀店としては閉業したようだが素敵な和洋折衷の住宅としてランドマークになりえる建物である。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「明華きもの工房」 

所在地 宝来町34
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
訪問時は雨が最も激しい時であったのが残念だ
また、きもの工房自体の情報もない
 
しかし、2か所ある入り口の造作や出窓、木々で見えなかったが
丸窓が一つありアクセントのようだ ゆえに歴史を感じさせる建物に見えた。
 
正面入り口上部壁にも装飾があり、じっくり見たかった建物だった。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧小野寺住設」 

所在地 宝来町22
建築年 大正11(1922)年ころ
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りにある建物で企業の自社ビルだったようだ
以前はあった会社の看板が無いので移転したか閉業したか……
 
独特の濃い茶色の壁色で、丸みを帯びた角も印象的
また屋上のパラペットも背が高くて面白い。
 
銀座通りなので大火後に建てられた耐火建築と思われる。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「ホタルぱん」 旧三上ふとん店 

所在地 宝来町2-5
建築年 不明
指定等 なし
開館時 10:00~16:00
    定休日 月・火
 
 
函館でよく見る1階2階での和洋折衷住宅兼店舗であった。
もとから1階は店舗のようだったのではっきりとした和風の造りでは無かったかもしれない。
元町や末広町ではよく見る和洋折衷の建物も、宝来町ではもう珍しいものだろう。

外観は、綺麗に塗装され多少の改装もあったようだ
「ホタルぱん」は以前は元町の歴史的建造物「旧安田火災海上保険事務所」で営業しており2022年6月からこちらで営業を始めた。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「蔵のある家」 

所在地 宝来町33-2
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
蔵の立派さが異様に目立つ建物に見えた
前面にガラスが張られているのは、あまり見ないからだ。
 
良く見ると和風の住宅の方も、和風ハーフティンバー的な「大黒湯」に似ている意匠だった。
 
正面には元店舗だったような設えになっている
「売物件」の表示があったが近いうちに情報収集をしよう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧一色医院」  

所在地 宝来町7-15
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
現在の理事長の祖父が蘭越から函館に来て開業した「一色肛門科医院」が元である。
建物を正面から見ると右側は待合室で奥が診察室、左の平屋が住宅に思える
一部だがハーフティンバーがあり、接続した出窓の意匠も面白い。
 
奥に繋がる2階建ての医院は増築かと思う。
 
2021年11月に宝来町の医院を閉鎖し石川町に移転、「一色クリニック」として再スタートを切る。
ここは住宅として使われているようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「料亭 富茂登」 旧料亭「小鶴」

所在地 宝来町9-8
建築年 不明
指定等 なし
開館時 昼の会席 : 11:45 - 14:00 夜の会席 : 17:30 - 20:00
    定休日: 月1日程度
 
 
千秋庵総本家と連続して並んでいるので、同じ経営のように思えたが違った。
ここは元は別の料理屋さんだったが現富茂登(ふもと)が昭和55年、現在の建物に開店した。
 
総和風の造りだと思うが塀が高く中が見えない
もっとも料亭風のお店なら中が見えなくするだろう。
 
HPには内部の写真もあり
今年は人気若手俳優カップルの結婚式後の会食をした場所として話題になったが真偽は不明だ。
 
格式が高いイメージなのでお祝いや法事になら利用出来そうだ。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「ペア300 と角ビル」 

所在地 宝来町24-5
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

角地にある縦長窓が目立つビルなので撮影をした
一部に古い窓が残っており改装したことが想像できる。
 
このビルと接続している裏の建物だが
アーチ型の窓と一部モルタルが剥げたところから覗くレンガが気になる建物だ
何らかの歴史があると思う 裏手のこういう一面を見ることも楽しいかも知れない。
 
入り口は赤い庇の飲み屋「ペア300」がある。

 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧薬局」 

所在地 宝来町23-7
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

こちらも角地に建つ建物なので目立つし、それと判る古い建物だ
以前は薬局であったと情報があるがそれ以外は不明。
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 
以上で宝来町も終了
次回で函館編は終了です。