古希を迎えた今年、娘からの父の日の贈り物は記念日新聞だった。新聞社が作った私が生まれた日の新聞第一面のコピーである。
七十年前の二月十二日の記事は、義務教育年限の延長について「昭和十三年度からの義務教育八年制実施は、後年度に延期することに決定されたが、今後十分研究を遂げたうえ、義処する方針」と記されている。わが国の繁栄の基は義務教育制を早期に取り入れたことにあったと思う。同じ日に文化勲章が制定されたことも報じられている。橘をかたどった章の写真もある。自分の生まれた日に、記念すべきことがあったことがうれしい。
大切に保存したい。私の誕生日にはいつも二人の娘からの手紙をもらう。子どもたちが幼稚園のころから母親になった今に至るまでずっと続いている。私には何にもかえがたい大切な宝物だ。
五歳の孫のお手紙をくれるようになった。鉛筆の持ち方も教えられたのではなく、じいじの持ち方を見て三歳のころから自然に書けるようになった。孫たちが生きる世の中が平和であり、明るい記事が紙面を飾ることを祈っている。
2007年6月20日 中国新聞広場掲載 みさきっすじいじ(70歳)
七十年前の二月十二日の記事は、義務教育年限の延長について「昭和十三年度からの義務教育八年制実施は、後年度に延期することに決定されたが、今後十分研究を遂げたうえ、義処する方針」と記されている。わが国の繁栄の基は義務教育制を早期に取り入れたことにあったと思う。同じ日に文化勲章が制定されたことも報じられている。橘をかたどった章の写真もある。自分の生まれた日に、記念すべきことがあったことがうれしい。
大切に保存したい。私の誕生日にはいつも二人の娘からの手紙をもらう。子どもたちが幼稚園のころから母親になった今に至るまでずっと続いている。私には何にもかえがたい大切な宝物だ。
五歳の孫のお手紙をくれるようになった。鉛筆の持ち方も教えられたのではなく、じいじの持ち方を見て三歳のころから自然に書けるようになった。孫たちが生きる世の中が平和であり、明るい記事が紙面を飾ることを祈っている。
2007年6月20日 中国新聞広場掲載 みさきっすじいじ(70歳)