「子の成長を見守る夢」

　この四月から夢に向かって歩み始めた。臨時指導員として児童館で働くようになった。
　小学校の教師になりたくて大学に通いながら児童館でアルバイトしたことがある。小学一年生から三年生までの子どもたちと工作をしたり、外で一緒に遊んだ。
　いつか児童館の先生にと思いながら、その後、幼稚園で働き、退職して二児の母となった。子どもを預けてまで働くことに抵抗があり、普通のおばちゃんで過ごしていた。
　ある日、テレビで野球のコーチをした後、教師になった方の番組を見た。毎朝子ども一人ひとりに声をかけ、夢を聞き、ノートに書いて名前を覚える。
　そんな先生に出会えると子どもたちはどんなに幸せだろうか。夢がまた頭をもたげた。以前アルバイトをしていた児童館に電話をしてみると、採用が決まった。
　自分の子どもを幼稚園や習い事に通わせていた時、先生に子どもの変化や成長した点など気付いてもらえるととてもうれしかった。できるだけ多くの子どもが夢を見つける手伝いができれば、と思っている。

　２００８年４月１９日　中国新聞　広場掲載　みさきっすママ（３４歳）