息子5歳、父親47歳。
年齢の行った父親なので、息子のためになるべく若く、元気にと心掛けている。
しかし、一方では、年齢の行った父親だからこそ、息子との生活の中で、忘れて久しい「男の子の成長物語」を追体験させてもらって、そして、比較的冷静に対処できていると思う。
きょうは保育園の遠足。
妻が仕事の都合で付き添えないので、私が同行した。
郡山から高速バスでいわきのハワイアンズへ。
当然、ありましたね。男の子だから。
けんか。
数人でプールで遊んでいた同じ年長組の男の子に、息子がちょっかいを出した。
顔に一発もらい、息子は驚きながらも反撃の一発。しかし、泣き出したのは息子の方だけだった。
息子は遊びに入れてもらいたかった。拒まれたのがショックだったらしい。
一人息子で、しかも、年齢の行った親が宝物のように扱ってきた子ども。
甘やかしてはいない。逆に、そうなってはいけないという認識から、おもちゃやお菓子の要求は概ね却下している。
一般的な家庭の子どもより各日に、要求却下率は数段高い。
が、それでも一人っ子のさだめ。いつもは大人の中に子ども一人で暮らしているから、どうしてもちやほやされがち。
息子にとって、自分が拒否されるなんて、家の中では有り得ない。
かなり驚いたのだ。それは、泣き出す前の表情で読み取れた。
近くに私がいたことも息子が泣き出した理由だろう。
敵にやられたら、まず親に自分の危機を知らせるのが子供。「助けに来て。ついでに敵をやっつけて」というシグナル。ほとんどの動物の子どもに備わっている防衛本能のひとつだろう。
担任の保母さんによると、いつもはほとんど泣き叫ばないのに、とのこと。
保育園の日常では、親みたいにいちいち助けてくれる人はいないから、子どものほうもいちいち泣かないのだろう。そんな無駄なことをする時間があるなら、寸暇を惜しんで遊ばなくてはならない。忙しいのだ、男の子は。
まぁ、ひとまず抱きしめた。
「もう一回、行ってごらん。今度ははじめから一緒に遊ぼうって言って」
さすが子どもは簡潔、そして迅速。
けんかをしてから3分も経たないうちなのに、
「一緒にあーそーぼ」
「いーいーよ」
忘れていた自分の少年時代を思い出した。
「やっぱ、いいなぁ。男の子は」なんて、息子と友達を見ていた。
ただ、お母さん方は少し、過敏じゃないかなぁと思った。
その友達のお母さんは、けんかの瞬間、すぐに割って入って、その子を抱いてどこかに連れて行ってしまった。
ほかの子を殴ってしまったから、とりあえず離そうかと焦ったのかもしれない。
でも、けんかの当事者を引き離すなんて、泣いてけんかして、互いに妥協点をなんとか見つけ出して、トラブルを自分たち自身で解決していくという成長の芽を摘み取っているようなものではないだろうか。
いいじゃないか、5歳同士の殴り合いなんて。
男の子の子育てには、女親は当然だが、やっぱり男親も必要だな。と思った。
自分は小学4年生で男親がなかったので、しみじみと思う。
ともかく、男親と一緒のワイルドな水遊びもしたし、友達に拒まれるということも経験したし、有意義な一日だった。
妻の帰宅を待って、単身赴任のアパートへ帰った。
翌日の仕事の準備をしていると息子からの電話。
「お父さん、きょうはありがとう」
瞬間、言葉に詰まった。
いや、それはおれの言葉なんだ。
年齢の行った父親なので、息子のためになるべく若く、元気にと心掛けている。
しかし、一方では、年齢の行った父親だからこそ、息子との生活の中で、忘れて久しい「男の子の成長物語」を追体験させてもらって、そして、比較的冷静に対処できていると思う。
きょうは保育園の遠足。
妻が仕事の都合で付き添えないので、私が同行した。
郡山から高速バスでいわきのハワイアンズへ。
当然、ありましたね。男の子だから。
けんか。
数人でプールで遊んでいた同じ年長組の男の子に、息子がちょっかいを出した。
顔に一発もらい、息子は驚きながらも反撃の一発。しかし、泣き出したのは息子の方だけだった。
息子は遊びに入れてもらいたかった。拒まれたのがショックだったらしい。
一人息子で、しかも、年齢の行った親が宝物のように扱ってきた子ども。
甘やかしてはいない。逆に、そうなってはいけないという認識から、おもちゃやお菓子の要求は概ね却下している。
一般的な家庭の子どもより各日に、要求却下率は数段高い。
が、それでも一人っ子のさだめ。いつもは大人の中に子ども一人で暮らしているから、どうしてもちやほやされがち。
息子にとって、自分が拒否されるなんて、家の中では有り得ない。
かなり驚いたのだ。それは、泣き出す前の表情で読み取れた。
近くに私がいたことも息子が泣き出した理由だろう。
敵にやられたら、まず親に自分の危機を知らせるのが子供。「助けに来て。ついでに敵をやっつけて」というシグナル。ほとんどの動物の子どもに備わっている防衛本能のひとつだろう。
担任の保母さんによると、いつもはほとんど泣き叫ばないのに、とのこと。
保育園の日常では、親みたいにいちいち助けてくれる人はいないから、子どものほうもいちいち泣かないのだろう。そんな無駄なことをする時間があるなら、寸暇を惜しんで遊ばなくてはならない。忙しいのだ、男の子は。
まぁ、ひとまず抱きしめた。
「もう一回、行ってごらん。今度ははじめから一緒に遊ぼうって言って」
さすが子どもは簡潔、そして迅速。
けんかをしてから3分も経たないうちなのに、
「一緒にあーそーぼ」
「いーいーよ」
忘れていた自分の少年時代を思い出した。
「やっぱ、いいなぁ。男の子は」なんて、息子と友達を見ていた。
ただ、お母さん方は少し、過敏じゃないかなぁと思った。
その友達のお母さんは、けんかの瞬間、すぐに割って入って、その子を抱いてどこかに連れて行ってしまった。
ほかの子を殴ってしまったから、とりあえず離そうかと焦ったのかもしれない。
でも、けんかの当事者を引き離すなんて、泣いてけんかして、互いに妥協点をなんとか見つけ出して、トラブルを自分たち自身で解決していくという成長の芽を摘み取っているようなものではないだろうか。
いいじゃないか、5歳同士の殴り合いなんて。
男の子の子育てには、女親は当然だが、やっぱり男親も必要だな。と思った。
自分は小学4年生で男親がなかったので、しみじみと思う。
ともかく、男親と一緒のワイルドな水遊びもしたし、友達に拒まれるということも経験したし、有意義な一日だった。
妻の帰宅を待って、単身赴任のアパートへ帰った。
翌日の仕事の準備をしていると息子からの電話。
「お父さん、きょうはありがとう」
瞬間、言葉に詰まった。
いや、それはおれの言葉なんだ。
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