アコギおやじのあこぎな日々

初老の域に達したアコギおやじ。
日々のアコースティックな雑観

生産性なき、美しき旅

2009-06-01 | Weblog
 「奥の細道」を竹馬で辿る。

 夕方のテレビのニュースで、千葉県の72才の男性が完歩したことを伝えていた。




 すばらしい。


 力みがない。

 72歳という年齢を知って、大変だったろうと思う半面、72歳という年齢に達した人間だからこそ、そういう素敵な旅ができるんだろうな、とも思う。



 なんの生産性もない。利もないし、害もない。損もないし、得もない。




 だから、すばらしい。





 かつては、なんの得にもならない旅行を年に一度だけしていた。そういえば、あのころは精神面が充実していた気がする。





 一見、生産性のない行動というのは、実は人生の生産性を上げるために不可欠なのかもしれない。





 出張で郡山の自宅近くで仕事をしたので、福島に帰社する前に自宅に立ち寄った。


 ついでに、最近、息子が操作できるようになったノートパソコンのビデオチャットを設置。息子と私のビデオチャットがようやく開通した。

 仕事を終えたあと、福島の単身アパートに戻って、息子と初のビデオチャット。

 最初は私も息子も大喜び。でも、用件を伝え終えると、なんだか間がもたなくなってしまった。




 息子は自宅に寄るたびに「手紙」をくれる。

 手紙とはいっても、自分の好きな新幹線や仮面ライダーをサインペンで描いた紙を封筒に入れただけのもの。


 でも、ビデオチャットよりも伝わるものが多い。

 伝わるものが重い。





 そうだ、最近使ってない万年筆で息子に手紙を書いてみよう。


 自慢だが、加藤清氏制作の万年筆を持っている。

 それなのに、現在の部署に来てからまったく用途がない。



 万年筆は使わないとだめになるし、よし、息子に手紙を書こう。


 きっと、ビデオチャットはしなくなっちゃうだろうが…。




 デジカメの画素数なんかがそうなんだけど、画素数を際限なく上げていくと、実はアナログ画像にたどりつく。デジタルって、アナログを目指す過程なのだ。


 デジタルは、分かりやすい。でも、「伝える力」はアナログの方が上回っている。


 親と子の関係をみれば、そんなことは明白である。
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