郡山市美術館で開催中の吉田博展を息子と妻と、息子の友達の家族と、大人3人、子ども3人、合計6人で見てきた。
それぞれ自分のペースで見て回ったが、所々で息子が俺を待ち受けていた。
「これ、ぼくが好きなやつ」。作品の魅力を知ってほしくてたまらない。
さらに、「ほら、似てるでしょ」。
「朝日」というタイトルの木版だ。なるほど、「印象派」というカテゴリー名の由来ともなったモネの代表作「印象、日の出」を連想させる。
壁に掲げられた解説を読むと、やはり吉田は渡欧して印象派の画家たちの影響を受けた、とある。
印象派は子どものころから大好きだ。父親の部屋にはルノアールが飾ってあった。画集の一番好きなページにはモネの「睡蓮」があった。
自然にそれらを受け入れていた。ただ、視野が狭かった。日本の印象派画家たちが、こんなに素晴らしい作品を残していたとは。
いや、日本人にとってはヨーロッパ人の印象派作品より日本人印象派作品のほうが感覚的に馴染む。味の基盤が、デミグラスソースではなくだし汁であるってな感じ。
いまさらながら思う。もっと早く吉田を知りたかった。
54歳でようやく吉田に辿り着いた。
最近、母指腱剥離になって、利き腕の指が動かせなくなり、箸を使うことが困難になって、改めて思う。
やっぱ、箸で食べたい。日本人だから。
ご飯もそうだが、そば、うどん、ラーメン、箸で食べたい。
やっぱりスプーンで摂る食事は味気ない。
やっぱ、俺は日本人。
日本人の印象派画家と接する機会を与えてくれた息子に感謝。
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