先日のセルロイド産業文化研究会で、関西から来られた小野さんの講演の中に、
セルロイド生地メーカー別代理店系列という資料がありました。
赤丸を付けた代理店で私のところはセルロイド生地を購入していました。
矢崎商事からは昭和30年代までセルロイドを取っていました。
しかし、その後は取引はなくなりましたが、
矢崎さんは損害保険の代理店もしていたので、
火災保険の契約で今もお付き合いが続いています。
セル屋は矢崎さんの火災保険に入っているところが多かったです。
河野商事とはセルロイドの取引はなくて、
私のところで塩ビのお面がメインの仕事になったときに、
塩化ビニールの生地を取っていました。
東亜セーフセルロイドはその後、川崎セルロイドと社名を代えて、
再生セルロイドを生産するメーカーになりました。
川崎に工場が、葛飾区四ツ木に事務所がありました。
縁起物のセルロイドを作っていたときにセルロイド生地を頼んでいました。
セルロイドの屑を南京袋(麻袋)に詰めて、
四ツ木の事務所に持って行くと10㎏40円くらいで買い取ってくれました。
車いっぱいに屑を持って行っても2~3000円にしかなりませんでした。
倉庫には他のセルロイド加工所からも屑が持ち込まれていて、
セルロイドの屑が山積みになっていました。
それらの屑は川崎の工場に運ばれて、再生セルロイドになります。
川崎セルロイドが再生セルロイドを作っていたのは昭和50年代までで、
そのあとは生地の注文をダイセルの子会社に取り次ぐ代理店になりました。
川崎セルロイドが代理店になったときのこと。
縁起物のタイに使う赤いセルロイドを発注したら、とんでもなくドス黒い赤が出来てきました。
その生地はタイには使えないので、金粉を吹きかけてエビス大黒に使い回しました。
それからは赤色のサンプルを指定して生地を頼むようになりました。
今、セルロイドの生地を取っているのは、戸谷産業さんです。