NHKスペシャルで「腰痛」を取り上げてありました。
今まで、腰痛は四足動物が二足歩行するようになったためと思われていました。
しかし、アフリカで狩猟生活をする部族の人たちは、1日30km近く歩くのに、腰痛の人はいません。
長距離選手の背骨を調べても、椎間板がきれいに整っています。
刺激を与えることにより、椎間板にコラーゲンが補給され、再生されているというのです。
ではなぜ腰痛になってしまうのか?
普通の人が立っているとき、腰に70kgの力が加わっているのですが、前かがみになると背筋に負担がかかり、一気に200kg以上の負荷が加わります。
1万年前の遺跡からでた人骨の背骨はすでに曲がっていました。
この頃、人は農耕することを始めたのです。
前かがみで農作業することが多くなり、特に穀物を挽く作業などは腰にかなり負担を与えるため、椎間板がつぶれてしまって腰が曲がったと思われます。
そういえば、私の子どもの頃は、周りのお年寄りには90度以上も腰が曲がった人が大勢いました。
昔の農作業はほとんど手作業で、腰を曲げて作業していたからでしょうね。
ところが最近は子どもでも腰痛を訴える子が増えています。
腰椎分離症と診断され、椎間板の後ろが疲労骨折してしまっています。
スポーツなどで、同じ動作を繰り返すことで起こるようです。
全国のスポーツで腰の痛みを訴えた子どもの30%が腰椎分離症ということです。
偏った運動は成長期の子どもにはすごく負担がかかります。
いろんな運動を取り入れた方がいいようです。
しかし、腰痛の専門医でも原因がわからないものが多いのだそうです。
診断のつく腰痛 15%
原因のわからない腰痛 85%
ぎっくり腰のほとんどが原因がわからないのです。
また椎間板や骨に異常がないのに、ストレスで腰に激しい痛みを生み出すことがあります。
作家の夏樹静子さんが、突然、腰に痛みが出て、寝転んで原稿を書いていたけど、それもできないくらいの痛みに襲われました。
整形外科を何軒もまわり、いろいろ検査をしたが、原因が全くわからない。
腰痛発症から2年、一人の心療内科の医師に出会い、心因性の腰痛であるとの診断を受けます。
腰痛が出たのは、自分の専門外分野の執筆に追われていた頃だったのです。
しかし最初、夏樹さんは、心因性で腰痛になるなど信じられなかったそうですが、
書くことを辞めたら、一月後には腰痛が改善されたそうです。
心理的ストレスで腰に大きな負荷がかかることを証明するための実験がありました。
重さ7kgの箱がベルトコンベアーから流れてくるのを、右、左に振り分ける作業です。
箱に右、左と書かれたものを振り分ける単純作業。
箱に書かれた数字を計算をし、偶数なら右、奇数なら左と振り分ける作業。
二つの作業を比べると、計算をしたときの方がストレスがかかり、腰に70kgも負荷が多くかかっていました。
気分が沈みがち、不安でじっとしていられない人のほうが、元気な人に比べ30倍も重い腰痛になるという実験結果もあります。
外因的痛みを与えたとき、脳では視床部分が反応するのに、慢性の腰痛の場合は前頭葉が反応していました。
結論として、腰痛は二足歩行の宿命ではない。
福島県立医科大学では整形外科と心身医療科が連携して診断し、腰痛患者の3割が心理的なものに関わっているということです。
では腰痛予防にはどうしたらよいか、
歩くことは全身の筋肉を使うので椎間板に良いだけでなく、脳が歩くことに集中し、ほかの事を考えなくなり、ストレスが消えていくので精神的にも良いそうです。
最近腰が痛いのは、ジムで走っているせいかと思っていましたが、そういえば、花畑の草が根が張っているものが多く、力を入れて抜いていたので、それが原因だったんでしょうね。