『過去をもつ愛情』 Les Amants du Tage (仏) 1955制作
監督 アンリ・ヴェルヌイユ
音楽 ミシェル・ルグラン
主演 カスリーン … フランソワーズ・アルヌール
ピエール … ダニエル・ジェラン
マヌエル … ジャック・ムウリエル
ルイス … トレヴァ・ハワード
主題歌 『暗いはしけ』 ( Barco Negro ) 唄・アマリア・ロドリゲス
ジョゼフ・ケッセルの短編小説をもとに、美しい港町リスボンを舞台にして、妻を射殺した男と
夫を殺害した女の愛情を描いた深みのある心理映画。
ピエールは密通している妻を射殺し無罪となったが、遠くリスボンに流れてタクシーの運転手をしている。
莫大な遺産を相続するために夫を事故で殺したと疑われているカスリーンがリスボンを訪れて二人は出会う。
しかし、彼女には 殺人容疑で執拗に追いかけるルイス刑事が影のように付きまとっている。
ピエールとカスリーンは意気投合するが、暗い過去の宿命が二人の愛を引き裂いてゆく。
ピエールは追手の来ない新天地で一緒に暮す約束をして二人で南米行きの船に乗り込むが…
主題歌の『暗いはしけ』はブラジル人のカコ・ヴェーリョとピラティーニの共同作曲で、
のちにダヴィー・モーラン・フェレイラが漁師の夫を亡くした妻のやりきれない思いを歌詞に綴ったものです。
この曲は正統派のファド(ポルトガルの民衆音楽)だと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
映画では、主人公たちがマヌエル少年に案内された酒場で アマリア・ロドリゲスが唄っていました。
聞くたびに鳥肌が立つ名曲ですね。
De manhã, que medo, que me achasses feia!
Acordei, tremendo, deitada n'areia
Mas logo os teus olhos disseram que não,
E o sol penetrou no meu coração.
↓は映画のサウンドトラックによるアマリア・ロドリゲスの『暗いはしけ』 YOUTUBEより
セリフ抜きのレコード盤↓ YOUTUBEより