【誕生日】
☆シドニー・ルメット Sidney Lumet (1924.6.25~2011.4.09)
堅実なリアリズムによって社会派映画作品を撮り続けたニューヨーク派の映画監督です。
ラジオ局のディレクター・脚本家・俳優のパルーチ・ルメットの子息としてフィラデルフィアで生まれました。4歳の時に
一家でニューヨークに移り、父の出演するラジオ・ドラマなどに子役として出演し既にプロフェッショナルでもありました。
次いでブロードウェイなどに出演していましたが、大戦後はニューヨーク・アクターズ・スクールに加わり、自らの劇団を
組織するなどの活動を続けました。やがて1950年にCBS・TVのディレクターとなりドラマの生放送に取り組むなど500本に
及ぶ番組を切り回しました。1957年にはTV界から映画へと転身を図り、TVでも人気のあったドラマ『十二人の怒れる男』の
演出に当たります。極度のTV的なクローズアップを駆使して迫力あるディスカッション・ドラマに仕立て上げ陪審員制度の
あり方と人間の善意を問いただす問題作として大いなる評価を得て、ニューヨーク派の旗手として脚光を浴びました。
ただ、『十二人の怒れる男』はあまりにも良心を押し付けすぎるきらいがありましたが、1959年の『蛇皮の服を着た男』では
南部の保守層への警告ともとれる黒人の市民権問題、1962年の『橋からの眺め』ではイタリア人の不法移民問題、1964年の
『質屋』ではナチの強制収容所に入れられた過去から心を閉ざしてしまった貧民街の質屋店主の心の溶解を、いずれも強烈な
リアリズムによって演出、都会的な鋭角性と社会感覚により既存のハリウッド映画をあざ笑うかのような快作となりました。
【主要監督作品】
1957年『十二人の怒れる男』 12 Angry Man
1958年『女優志願』 Stage Struck
1959年『私はそんな女』 That Kind of Woman
1959年『蛇皮の服を着た男』 The Fugitive Kind
1962年『橋からの眺め』 A View from the Bridge
1964年『質屋』 The Pawnbroker
1965年『丘』 The Hill
1966年『グループ』 The Group
1969年『約束』 The Appointment
【ご命日】
★ジャック・イヴ・クーストー Jacques-Yves Cousteau (1910.6.11~1997.6.25)
フランスの海洋学者で、「海底の詩人」と呼ばれた海底ドキュメンタリー映画監督の第一人者。
主な監督作品として『沈黙の世界』『太陽のとどかぬ世界』などがある。
★ニコール・クウルセル Nicole Courcel (1930.10.21~2016.6.25)
1950年代に愛くるしい現代娘からシリアスなドラマまで幅広く活躍したフランスの女優。
主な出演作品として『港のマリィ』『乙女の館』『ラインの仮橋』『シベールの日曜日 』などがある。