『雪が降る』 サルヴァトーレ・アダモ
”Tombe La Neige” Salvatore Adamo 【YOUTUBEより】
この曲は、1963年にアダモ自身が作詞・作曲したもので当時はベルギーやフランスでヒットしていたようです。
1969年末に作詞家の安井かずみが日本語の歌詞がつけた日本語盤がリリースされて、この曲がアダモの日本における
最大のセールス曲となり、日本では1970年1月から4月にかけて大ヒットしました。
原語の歌詞では、雪の降る夜に来ぬ人を待つ心情を、
「雪が降る、私の黒い衣をまとった心に、絹のような行列は、白い涙のようだ」
と、黒い心のキャンバスに白い雪(涙)で描いた絶望を綴っています。
”noir”(黒)、”blanche”(白)の対比によってその悲しい心情をモノクロの陰影で鮮明に映像化しているのですが、
日本語の歌詞や訳詞にはモノクロの対比がはっきり見えていないのがとても残念です。
Tombe la neige
Tu ne viendras pas ce soir
Tombe la neige
Et mon cœur s'habille de noir
Ce soyeux cortège
Tout en larmes blanches
L'oiseau sur la branche
Pleure le sortilège
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【サルヴァトーレに関するトリヴィア】
シチリア出身のアダモのファーストネームであるサルヴァトーレ(Salvatore)はイタリア人の名前なのですが、
これに冠詞をつけて il Salvatore とすれば「救世主」つまり、キリストのことを指します。
そういえば、この秋にレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた青いローブをまとったイエス・キリストの肖像画
『サルバトール・ムンディ』 (Salvator Mundi ) が史上最大の508億円で落札されたというニュースが
流れましたが、この『サルバトール・ムンディ』は世界の救世主という意味です。