溶接

　お客のTさんは目と腕が痛いとか。

　客T「俺、仕事を頑張りすぎて目と腕が痛いねん」
　私 「Tさんも年寄りやなあ」
　客T「仕事で頑張って痛いだけや、年寄りと違うで」
　私 「頑張るのは年寄りの証拠や。年寄りは『若いもんには負けへん』言うて無理をして、結局は身体をいわす(痛める)ねん」
　客T「あぁ、そうか。俺、会社で溶接の仕事が溜まってたんやけど、若い子に競争しよと挑まれたから、頑張って普段の3倍もこなして勝ってん」
　私 「それ若い子の作戦や。のせられたなあ。残業したないからTさんに仰山させたんや」
　客T「ホンマや。そう言えばその若い子、デートや言うて退社後に颯爽と帰ったわ」
　私 「それに引き換え、Tさんは3倍も仕事をして目と腕を痛めた。割に合わんなあ」
　客T「ホンマや、若い子は女の子とデート、俺はオッサンとチビリ酒…」
　私 「それはそうと、どんな溶接をしてるのん？」
　客T「配管の溶接や。肉眼では見えへん障害物の裏側を溶接したり高所作業もしたり肉厚1mm前後の材料を溶接したり肉厚50mmを超えるような配管まで様々や」
　私 「溶接の話を、ようせつめい(説明)してくれた」

　一句：溶接の　火花散らして　競争す
　謎かけ：溶接とかけて、古くから伝わる事柄の記録と解く。どちらも(電気・伝記)もある