木漏れ日が揺れる ゆるやかな午後
君と歩いた帰り道
季節が変わり 色褪せた街並みも
君の笑顔で輝いていた
風が頬をかすめるたびに
懐かしい声が呼ぶ気がして
振りむけば ただ静かな空
どこにも君は もういないのに
風よ教えて どこへ帰るのか
あの日空へ旅立った君のもとへ
私を連れて行けないけれど
せめてこの思い 伝えておくれ
秋の夕暮れ ひとり歩けば
落ち葉が踊る足元で
「また会えるよ」と
君が吹いているのかな
優しい音が心にしみる
何ひとつ悔いはないけれど
「ありがとう」だけが伝えられず
枯れ葉に紛れるささやきに
君の面影 探してしまう
風よ運んで この想いを乗せ
遠い空の向こうの君のもとへ
いつの日かまた 逢える時まで
あの日の道を 歩き続ける
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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